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WEEKLY CINTERTOTTING NOTES : 12/13/2019

新しく映画鑑賞記録を始めます。今年の夏に神戸から関東へ引っ越してきたばかりの私がこちらの街をウロウロ歩き回りながら開拓していく様子も綴っていきたいなと思っています。

"Cinetrott"というのは私が作った造語です。スーツケースのブランドにもありますが世界を旅する人をglobe-trotterと言うのが可愛いなと思い、そこから少しもじっています。映画は鑑賞体験そのものが私たちに旅を与えてくれます。そして、映画を観るためあちらこちらへ出かける私の小さな旅行記も合わせて書き残していこうと思います。

・12/10「国家が破産する日」シネマート新宿 (今年92本目)
レディースデーの1本目。シネマートのスクリーン1、広くて大すき。予告で観たSwing Kidsが面白そうだったので覚えておこうと思いました。

みんな大すき、「サニー」のカン・ヒョンチョル監督の新作。

「国家が破産する日」、1997年に韓国が直面したIMF経済危機が題材。面白すぎてどうしようかなというかんじ。群像劇にしたことで、様々な立場からそれぞれのサスペンスがぐいぐい迫ってくる上にそれぞれの人物にもれなく肩入れしてしまい途中良い意味でのキャパオーバーになってしまった。常々思うのだけれど、映画というのは自分の人生では決してなり得ない立場に立っているかのような体験をさせてくれる。

「バーニング」の主人公を演じてたユ・アインが今度は稼ぎまくる役で俳優ってすごいなとしみじみ思う。彼が投資に向けてのプレゼンをするシーン、彼の迸る演技にはもってかれました。「無能なのか、無知なのか。私はそこに投資する」真似したくなるぐらいイカす台詞!

最高にかっこいいキム・ヘス演じる韓国銀行の通貨政策チーム長が、とにかく怒らない。何かを成すために怒ってる暇など無いという感じがとてもかっこいい。なので彼女が荒れてしまうときはこちらもとんでもなく絶望的な気持ちになってしまう。

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複雑な状況を全く観客をおいてけぼりにしないよう工夫をちりばめ、且つものすごいスピードの歩みで物語を進めていく超エンタメ作品。その上実際に起きた事柄への超冷静なパンチ。本当にすごく面白くて、一体どうやって、と思うばかり…。

・12/10「完璧な他人」シネマート新宿  (93)
レディースデーの2本目。映画の合間に、いいかんじのお昼ごはんを探す。いいかんじかと思われた中華料理屋さんに入りましたが、いまいち。エビと卵のチリソース炒めが食べたくて選んだのにエビがふたつしか入ってませんでした。がっくり肩を落として、一番近くのプロントでコーヒー飲みつつ時間つぶし。

「完璧な他人」、こちらも韓国映画、スマホがどうのこうの言いつつもクラシカルな作りの会話・密室劇。なんでこんなギスギスしにいくためにわざわざ集まるねん…、と正直思ってしまったけれどなかなかびっくりしてしまう展開、あんまり味わったことのない妙な余韻がとても楽しめました。もうちょっと交わす会話が「ビフォア〜」シリーズばりに『ずっと聞いてられる〜!』みたいなものだったらと思うけど、そんな爽やかな空気にはなかなかなりえないので仕方ないかな。企画の気合をすごく感じるシャレた映画だなと思いました。

・12/11「ファイティングファミリー」シネクイント (94)
こちらは、ロフトすぐ横の方のシネクイント。水曜日がサービスデー。スタンプカードは1年以内に4つ集めれば無料鑑賞券がもらえる仕組みです。サービスデーにもスタンプを押してくれるので、1200 x 4 = 4800円でしょ、それで5本映画が観れちゃうので実質1本につき960円で観れちゃいます。優しい!非常〜に応援したい映画館です。

「ファイティングファミリー」、こちらも実際にWWEでペイジというリングネームで2018年まで活躍していたイギリス出身のプロレスラーのお話しです。家族全員でプロレス団体を運営していて、ペイジは特にお兄ちゃんと仲が良く、二人でいつかスターになると地方で夢みていました。というシンデレラストーリーということで物語の結末は知っているようなものなのですが、大変胸が熱くなる一本でした… 

『お兄ちゃんモノ』として、最近では「シングストリート」が記憶に新しく、私も大好きなのですが、今作はお兄ちゃんモノのマスターピースだと思います。特に私自身、兄がいる妹という立場なので妙に湧いてしまいました。

妹というのは、お兄ちゃんはいつも賢くて強くて自分を助けてくれる、それが当たり前だと思い込んでしまうところがあります。しかしそんなはずがありません。本当は直面したくない、お兄ちゃんの弱さを知ることも妹としてとても大切なことなのです。そういう家族の、本当に重くて複雑な性質を軽やかなエンタメ作品に仕上げていて、まじで脱帽。私の立場からすると愛しくて胸が張り裂けそうになる作品でした。

ロックさまもめちゃくちゃかっこいいよ!「ローラーガールズダイアリー」ばりの女の子たちの友情シーンもたまらなくイイ!ロックさま、この映画を作ってくれてありがとう!

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