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和の「こころ」と「おもてなし」を知る

 「おもてなし」というと、ホテルや宿、飲食店などでの接客がすぐに頭に浮かびますが、初めての訪問した老舗和菓子店舗での女将さんの接遇がとても新鮮で斬新と感じたので記します。
(※本記事は、銀座菊廼舎様に許可を頂き投稿しております。)

いつもお世話になっている方に手土産をお届けしよう、何にしよう?
折角なら年末年始をご家庭で過ごすのに喜んで頂ける菓子類にしよう。
本来なら生菓子の方が喜んでもらえると思うけれど、まだ10日程は日持ちが必要だ。
洋物の焼き菓子類だとありきたりな物になりがちだし、改まった気持ちで新年を迎えるには見た目も楽しめそうな和菓子が良いのではないか、と勝手に決め込み、一度、手土産用として立ち寄って購入したことがある東京駅内にあった菊廼舎の和菓子を送ることに至った。
今回、どうせならということで銀座本店に向かうこととした。

 という訳で、12月25日、気が付けばクリスマス当日に銀座本店に妻を連れ立って出かけることとなった。
道すがらの駅構内や店先では、クリスマスケーキが売られているのを見るにつけ、今日はまだクリスマスなんだという現実に引き戻された。
因みに我が家では、娘一家、孫全員を集めて23日にクリスマスパーティーを終わらせてケーキもシャンパンもワインもたらふく飲み食いしたばかりなのでケーキには全く食指というか興味さえ湧かなかった。

 銀座駅地下道を通ってgoogle検索の地図を見ながら、あずま通りを目指す。今更ながら、行き交う人、特に外国人の多いことを横目に見ながら、人混みを掻き分けるようにして銀座コアの裏のあずま通りへ。
菊廼舎銀座本店は初めてなので、どこにあるのだろうとキョロキョロしながらしてるうちになんとかお店に辿り着くことが出来た。

菊廼舎銀座本店

 店に入ると、先客が品選びをしており、こちらもその横で夫婦二人で品定めを始めた。
お世話になった方向けの手土産用には、当初からインターネットで調べておいた「冨貴寄ことほぐ開運干支缶」を満を持して購入する事に決めた。
これなら、きっと贈られた方も喜んで頂けるに違いない!

冨喜寄 ことほぐ開運干支缶

折角なので自宅用にもお正月を皆で楽しめるよう「冨貴寄 開運干支缶」を購入することにした。

冨貴寄 開運干支缶

 そうこうしていたら、和装の責任者らしき方が近づいてきて『お決まりでしたら、こちらにお座り頂きお支払いの手続きさせて頂きます。』と我々夫婦を招いてくれた。手渡された名刺には、女将と書かれている。
宿や割烹料理店ではないのに和装の女将がいる。流石、歴史のある老舗和菓子店である。客の気持ちを痛い程分かっている。

カウンターに置かれているパンフで品物を再確認しながら、注文を確定し支払手続きをした。
私 『彩りが良くて綺麗なので、食べてしまうのが勿体ないですね。』
女将『そう言って頂けると職人たちにはとても大きな励みになります。』
  『クリスマスを和菓子で過ごすのも良いですよね。』

私がふと漏らしたひとことに対して、この受け答え。
一言一言から和菓子に対する愛情がしっかりと私の心に届き、沁みた。

そして、今日はクリスマス。なるほど、そういう考え方もあるな。これは心を改めねばならんぞ。
クリスマスは、ケーキがあってチキンがあってシャンパン呑んで、孫たちにプレゼントをあげてが当たり前になっているけれど、和のテイストがそこにあってもいいではないか!

一旦勘定は締めてしまったが、女将のお薦めもあって、さらに自宅用として創作和菓子2品と揚げまんじゅうを購入した。

 その後、手土産として持参した大切なお客様からは「見た目も大変素敵な銘菓を頂戴し喜んで賞味させて頂きました。」とのお褒めの御礼メールが届いた。

そして、お正月の自家用として購入した品も一族全員が集まった1月2日に我が家で開缶すると、早速娘たちふたりがスマホでパシャリ、パシャリ。
『食べてしまうのが勿体ない。』の声が上がった。
孫たちも覗きにきて、『うわー、キレイ。だけど、食べてみたい。』
あれが欲しい、これが欲しい、これ食べたい、あれ食べたいと大人も含め総勢11人が入れ替わり立ち替わりで、あっという間に完売となった。
じっくり味わいたかったけど、仕方ない!

 お店に滞在したのは、ほんの僅かな時間ではあったが、和装の女将からは接遇の大切さ、日本人として和を大事にする精神をちょっとしたやりとりの中で教えて頂いた次第である。


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