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RCA海外留学アドバイザー小論文_合格者解答例


RCA海外留学アドバイザーとは?

RCA海外留学アドバイザー(RCA = Ryugakukyokai – Certified – Adviser)とは、海外へ留学する留学生に対し、適切かつ信頼のおける提案・指導ができるための海外留学に関する、基礎的な経験・知識・資質を有していることをNPO留学協会が認定する『民間資格』です。2023年11月の試験で第40回を迎え、合格者は1,421人に達しました。資格保持者の皆様は、世界各地の留学エージェント・大学国際交流課・留学関係団体等で活躍しています。
この資格認定試験は、各種マスコミ(新聞・雑誌等)にも取り上げられました。

資格試験の概要

この資格認定試験は、主に海外留学業務に携わる方を対象に、海外留学アドバイザーが留学生等に対して適切なアドバイスを行い、指導できる人材であることを認定することで、来るべき時代に向けての海外留学の促進と更なる発展に資することを目的としています。

合格者体験談(勉強法)

職場のみんなで受験しようと決めてから、以下の通り勉強に取り組みました。
①公式問題集を使った問題演習(マークシート50問/40分)
・留学知識
・アドバイスの基礎
・留学関連法規
・国際理解
・外国人留学生支援
の分野から出題されます。公式問題集からそのままの問題が出題されますので、問題演習で新しい知識をインプットする行為だけでなく、現場で何割の得点率かの把握、捨ててもいい問題数を把握します。
私のようにすでに海外留学に携わっていても、ヨーロッパ圏への留学やアジア圏の留学、法律関係など、オールジャンルに詳しいわけではありません。ですので、ジャンルを絞って集中したインプットに取り組んで、得意な分野(確実に得点できる分野を増やす)ことに集中しました。
ちなみに留学関連法規に関しては最後までチンプンカンプンでした。おそろく旅行会社の人なら、ここが得点源なんでしょうね。

②面接練習
職場の同僚と一緒に受験でしたので、模擬面接練習を時間を区切って実施しました。実際は1時間目安に1度取り組んだ程度です。自己紹介から簡潔に話す練習です。

③小論文(600〜1200字/40分)
幾つかのテーマに沿って時間内に文字数を書き終わる訓練を中心にしました。テーマとしては、海外留学で悩んでいる人にどんなアドバイジングをするか?というテーマが多いようです。
ですので、書き方の定型としては
・昨今の状況(コロナ禍や円安など)
・海外留学者の悩み(留学前:留学地域、留学の目的、留学中:カルチャーショック、英語力の伸び悩み、差別など)
・具体的なアドバイス内容(悩みに寄り添いながら、前向きに導く)
・まとめ
といった型に落とし込んで書く練習をしました。

小論文過去問テーマ

コロナ禍の影響で世界の状況が変わる中、現地で学びたいという 留学希望者に、留学前にどのようなアドバイスをしますか? あなたのアドバイスとその理由を書きなさい。
近年、国際化が進む中で英語力だけでなく、異文化理解力の高い人材が社会から多く求められている。社会で求められる国際的な人材とは、高い語学力だけでなく、人種や宗教などの多様性を感受できる寛容な人材を広義に指しており、多様な価値観からイノベーションを引き起こすことが世界の継続的な発展のために喫緊の課題となっている。そのため、海外留学を通して10代から大人に及ぶ海外留学を通した人材育成、研修が盛んになっている。さらには歴史的にも交通機関の発達に伴い、お稽古留学や遊学も含め、世界は狭くなり、海外に対しする心理的なハードルも低くなりつつあると言われている。ところが、国際化に伴う人流の活発化により、新型コロナウィルスの感染が急激に拡大し、2020年より世界的な問題となった。その結果、各国とも、海外渡航の禁止はもとより、国内における行動規制、経済活動の抑制が現在行われており、国際の名の下に留学が遠いものとなってしまった。その中で、本来であれば、海外留学の機会を得ることができた学生や社会人が、留学生どうしの学びの場を失い、海外での貴重な人間関係をはじめとしたエポックメイキングな経験を積むことができず、その後のキャリア形成にも少なくない影響を及ぼしていると思われる。

上記のような背景を踏まえ、海外留学を希望する生徒に、どのような留学前アドバイスをすべきか?海外留学アドバイザーとしての役割も時代背景に合わせて考えていく必要があるだろう。まずはじめに、正しい情報をもとに不要なへの不安解消に努めるべきである。そのためには、コロナ感染の日本国内の状況と留学希望先の状況を確認し正しく情報共有する必要がある。希望者のワクチン接種状況によって、入国後の隔離の有無や、入国が可能かどうかも、刻々と変化している。正しい情報をもとに正しくリスクを理解してもらう必要がある。またホテル隔離やホームステイ先での行動自粛によって、費用面でも違いがありトラブル防止の意味もある。現地で発熱した場合の対処、また実際に感染してしまった場合など医療へのアクセスについても共有しておくべきであろう。例年以上に正しい情報の価値が高まっていることを念頭に留学希望者へのアドバイジングが必要であろう。

二つ目に、コロナ禍における安心だけでなく、留学の目的や優先順位に応じた留学計画を希望者との面談をもとに考える必要がある。コロナ禍でも留学を希望するには、十分な志望動機があると思われる。その留学の目的を現地で最大限達成すべく、事前の行動計画を十分考えておく必要があるだろう。職業柄、高校生の留学を約10年斡旋してきた立場からすれば、現地校の対面授業実施率など学校選びによってクラブ活動の実施有無、留学生へのサポートの有無など学校選びによって現地経験が大きく変わるからである。当初は何となくの留学希望であったとしても留学に向けた準備を通して、留学の目的を明確化していくことが事前に求められるであろう。

最後に、留学中のサポートに関しても十分な周知をしておくべきであろう。コロナ禍でアジア系への差別意識やヘイトスピーチなど予想される困難はたくさんある。そのため、事前のアドバイジングによる準備だけでなく、留学中のサポートに於いても十分な話し合いを事前にしておくべきである。メンタルでのサポートを充実させるべきである。ケーススタディを通して留学希望者に行動指針を定着させることや、トラブルの際の緊急連絡先の徹底などがそれである。

コロナにより世界的な留学事情は大きく変化しているものの、留学によって得られる人間的な成長や、能力開発の価値はさほど変わっていない。そのため、こういったご時世だからこそ、留学を志す人々の勇気ある一歩を最大限サポートできる留学アドバイザーとしての社会への貢献度は増していると考えられる。私たちの留学への姿勢が一番のサポートであることを忘れてはならない。(1613字とオーバーしてしまいましたが合格できました)

おわりに

海外留学アドバイザー資格はRCA以外にもJAOSも含め複数個あります。
比較的安価でとっつきやすいものとして今回はRCAを紹介しましたが、その他の資格についてもぜひチャレンジしてみましょう。


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