見出し画像

University California Davis校藤田斉之先生による講和振り返り

以前、Univeristy California Davis校に高校生と一緒に訪れ「コロナ禍以降のグローバル学習とは何か」についてUC Davis校藤田斉之さん(国際教育センターディレクター)から講義を賜ったので覚書を記しておく。

UC Davis(University California Davis)とは?

カリフォルニア大学系列には10校あり、世界大学ランキング10位に位置するUC Bearkly(バークレー校)を始め
・UC San Francisco(サンフランシスコ校)
・UC Los Angeles(ロサンジェルス校)
・UC Santa Barbara(サンタバーバラ校)
・UC Riverside(リバーサイド校)
・UC Davis(デービス校)
・UC San Diego(サンディエゴ校)
・UC Irvine(アーバイン校)
・UC Santa Cruz(サンタクルーズ校)
・UC Merced(マーセッド校)
とある。デービス校は農学が有名でキャンパス内に広大な農地がある。
また、カリフォルニア州立校CSU(Califorinia State University)とは別の公立大なので注意。

コロナ禍を振り返ると・・・

歴史を振り返えれば、インターネットによる混乱がチャンスだったように、コロナの混乱をチャンスと捉えることができる。不安とチャンスは表裏一体で、プラスとマイナスは同時発的にに起きる。
コロナがひと段落ついて、コロナのマイナス面ばかりだけでなく、コロナによって得られた知見や考え方を整理してみるべきである。

最近の若者は冷めている

コロナ禍で若者も不利益を被ってきたが、みんな冷めている。いい意味で聞き分けがよく、受け入れている。学校活動や友達とのつながりが薄くなっても、受け入れてしまう。
冷めているのが心地いい、どうせ日本が安定しているとわかっているから。外圧が無いと変われない日本社会に対して、海外からもたらされたコロナは十分な外圧であった。否が応でも世界とつながっていることを意識せざるを得ず、日本の安定が大きく揺らいだ時期。もちろんマイナスとプラスがあったはず。冷めている自分を俯瞰して、もっと行動を起こしてもよいのではないか?

内向き志向の学生にも外向き志向が求められる

安定から飛び出す時代(飛び出さざるを得無い時代)。変化を自分の成長するチャンスと捉えることが大切。変化に揉まれている中で、大切なのは感性の豊かさ、想像力、倫理観(見極める力)に加え、自分の幸せを人生で送るという芯。大学というプラットフォームにこだわる必要は無い。

デービスの街並み
デービスの街並み

学位の意味が問われる時代

成田さんが、大学院で学んだ教授法は今では古い。学位という肩書きよりも時代にあった自分の不足を補っていく力が求められている。オンライン教育は対面の代替ではなく、プラットフォームの多様性を意味している。
例えば、YoutubeやMinerve University、Connect EDなどを通して車椅子や全盲の人が学生に表れてきた。コロナ禍によって進んだ分野の例として顕著。

International(国際)とは?

International(国際)とは自分の国から外を見るということ
グローバル人材とは英語ができる人なのか?英語の学習は自分でやれば良い。英語は自学自習できるので、グローバル人材という言葉には、それ以上の意味があるはずである。

国際教育を通じて視野を広げようというけれど

大人は子供に「視野を広げよう」教えるが、どうやって広げるのかは教えてくれない。大人もわかっていないからだ。しかし「百聞は一見にしかず」、「信じると道が開ける」ということがあるのは、大人は経験的に理解している。それは錯視や騙し絵の様に、どうやったら見える様になるかは分からないが、何度も経験していくしかない。
以下の騙し絵は少しずつ難しくなっていく。

少女と老婆

視野を広げるとは?

何をどう見ていいかわからない状態だと難しい。そこにあるのに自分の背景、蓄積された経験でしかものが見れない。見たいものしか見ない事実があるので、たくさんの経験が必要、自分の世界から外側を見るということ。

牛1
牛2

その経験をどう摑み取るか?

教育によって与えられる経験は家庭の経済的な裕福さに左右されるという。事実、子供は家庭を選べないが、他は選択する力がある。例えば、わざと遠回りして通学、景色を変える、やらなくても良いと判断することができる。
・頼まれてきた→他責
・自分できた→自責
学校の授業を自分の選択で受けるのか、親に高校だけは卒業してと言われたから授業を受けているのか?考え方で経験の積み方も変わってくる。考えることは頭で、感じることは心である。心はより身体の中心を指す言葉。もっと自分の強い衝動に耳を傾け、選択しながら生きていくことが大切。

自信のなさについて

「自信のなさ」は他人との比較でしか出てこない感情。競争社会ならではの産物である。現代において、比較から逃れられない。自分との比較でも老いなどいつかは、右肩上がりでない状態を憂うようになる。
しかし、小学校の足し算引き算を今できない人がいるだろうか?時間をかければ誰でもできる、それを個性と捉えよう。より巨視的な視点でみれば「出来ないこと」への捉え方が変わるはず。

成田さんは、アメリカ人に論文の書き方を教えることがあった。最初はアメリカ人に英語論文の書き方を教えるなんて・・・と自信がなかった。でも時間をかけて、取り組んでいくことで、自分で自分の価値を下げていることに気がついた。周りの友人が、励ましてくれた。推薦もしてくれた。周囲の期待や信頼に対してどうして自分が自分を信じられなかったのかと、少しずつ自信をつけることができた。周りの友達が「あなたならできる」と言ってくれていたのに、自信がなくて「私にはできない」と言っていたのは自分自身だったと気がつかされた。

終わりに

コロナをきっかけに、世界を意識することのなかった人々までも、グローバル社会を意識せざるを得なくなりました。国際交流を止めなければ、感染が拡大するというのは、逆説的にそれだけ世界がつながっていたことの逆証明になっている。マスクが足りなかったのは、それだけ海外製品や生産ルートを海外に依存していたから。
結果、学びの本質が浮き彫りになりつつあり、学歴の意味の変化している。オンラインでのやりとりが増え、結果として海外大学のウェビナーや海外大説明会へのアクセスも増えたと言える。そんな中、自ら変わることが難しい若い人々には、この時代をチャンスと捉え、悲観し無いで欲しいと思います。自信を持って、自分にできる人生の舵を取って欲しいと思います。

デービスキャンパス内のスタジアム
Aggiesは農業大学(の学生)の意味
デービスは農業で有名

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?