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Australia, Adelaideオーストラリア・アデレード語学研修計画と南オーストラリア美術館

英語教師なら生徒の夏キャンプや春キャンプ、長期留学の現地校に入る前の語学研修の企画・引率をすることがありますよね。
その際、語学研修のプログラム担当者として、現地とやりとりしながら内容を決めていくことがあるはずです。より尖らせた企画で他との差異化や研修目的の達成度の向上を意図した仕掛けづくりの例を紹介します。
今回の舞台はオーストラリア・アデレードです。

こういった研修企画は参加者数や、日数に合わせて細部調整を行ってるはずです。語学研修のほとんどが短期間のもので、英語学習よりも、現地でしかできない体験的な学びを重視することが多くなります。英語学習を兼ねた期間長めの修学旅行といった風でしょうか。また英語の学習も実体験に根ざした方が印象に残り、ホストファミリーに対して英語が通じた経験や喜びが内発的動機付けとして帰国後の学習動機につながるケースも考えられます。
また英検との接続についても工夫できます。

研修の組み方Tips

語学研修では午前と午後に分けて考えます。
座学と校外学習を混ぜながら取り組ませる事で飽きさせず体験と学びをリンクさせます。
校外の体験学習をInputとして、座学をOutputに位置付けます。
同様に座学Inputとして、体験学習をOutputに位置付けることもできます。生徒のレベルや現地の活用できるリソースに応じて取捨選択します。

アデレードの地図

美術館となりの南オーストラリア大学の地図

南オーストラリア美術館(Art Gallary of South Australia)の例

【基本情報】
開館情報:毎日午前10時から夕方5時まで
入館料:無料
館内は広く、じっくり見ると2時間。サーっと見ると45分。
無料のTourもやっています。生徒の数が少なければ、事前に調べて14:00~のTourに申し込むのもありです。

AGSAパンフレット表
AGSAパンフレット裏

授業例(座学→体験学習→ホストとの交流)

①午前の授業ではPicture Description
絵画や彫刻の特徴や色、質感などについて語彙を確認しながら英語の発話練習。
また芸術に関して自分の感想を述べる練習、生徒のレベルに応じて定型文を用意するのもあり。

②午後に美術館に行きTourの解説を聞きながら芸術鑑賞。
狙いは事前学習で使った語彙が使われている!?という気付き。
好きな芸術作品を複数枚写真撮影しておく。

③宿題はホストファミリーに今回の美術館で自分の好きな作品の写真を使って説明すること。

授業例その2(体験学習→座学→ホストのと交流)

①午前に美術館に行き、自分のお気に入りの作品複数、写真をとっておく。

②午後には教室で、写真を見ながら作品の説明をWriting。
語彙数は生徒のレベルに合わせてで良い。
ただし、課題ではその作品の特徴についての記述を含めること。その作品が気に入った理由、自分の感情も含める。
書き出す前に感情表現や質感、色、形に関する語彙を提示する。
生徒は提示されたものを使っても良いし辞書を使ってWritingを書いても良い。

③英語の紹介文を書き終わったら、数人が前に立って発表。
写真をスクリーンに写せるとよい。生徒は事前に辞書を使って書いたスクリプトを使って喋れば良いので心理的不安は少ない。

生徒の人数が多ければグループを組んでグループ間で紹介させると発表者が増える工夫になる。人数に合わせてお気に入り作品を探す段階からグループで行うのも良い。

④宿題はホストに写真を見せて自分のお気に入りの作品について紹介する。一度話した内容をもう一度取り組むので復習になる。

館内マップ表
館内マップ裏

英検との接続(WritingやPresentationを英語でやった事ない場合)

普段の学習でWritingやPresentationに取り組んでいないと生徒も慣れていないし、先生も動きが掴めないですよね。
WritingやPresentationのレベルについては英検の二次面接をイメージする。

3級:1枚の写真で登場人物の描写をする
willやbe going toを使って場面を説明する。(出題によってはcan/can‘tも出る)

3級2次面接サンプル問題

準2級:1枚の写真で人物が何をしているのか現在進行形を使って説明する。
butを使って2文でcan/cannotを使って場面を説明する。

準2級2次面接サンプル問題

2級:接続詞を使って複数の文章のつながりを意識する。
過去進行形を使って人物描写をする。

2級2次面接サンプル問題

まとめ

このように研修を午前午後と分けてinputとoutputに分けて実体験をもとに英語を使わせるという体験を座学と連動させるアイデアです。

生徒のレベルや人数に合わせてグループ課題としたり個人課題としたりWriting課題にしたりSpeaking課題にしたりできます。

時間がなければ、ホストへの報告を宿題とすることも可能です。授業で完結したとしてもホストにもう一度同じことを話させる事で、Speakingへのハードルを下げることが期待できます。復習にもなるでしょう。

今回は美術館が無料なので非常に活用しやすがったですが、入館料がかかるなら、事前に料金に含めておくのもよいでしょう。
南オーストラリア博物館編は以下のリンクから

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