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§1 ネイティブの感覚を身につけろ!fairは「公平な」から結構派生する!【英文記事で学ぶ英語ワンポイントシリーズ】

これは、現代の英語の使い方を反映し、いわゆる生きた英語で書かれている"New York Times"の中で、
気になる表現や文法、単語等を解説し、また英語の多読の重要性についてお伝えしていくシリーズです。普段の英文法解説シリーズに加えご覧いただければ、英語自体の解像度が一気にあがり、英語力向上に役立つことでしょう!
また、精読の勉強に役立つであろう補助を入れた板書も入れてありますので、ぜひご活用ください。

まずは本文を読んで、自分なりに精読をしてから英文を解釈してから続きを見てくださいね!


英文解釈

【今回使用の記事】
記事名:In London, a Houseboat Used to Be the Affordable Option. Not Anymore.
ライター:Ben West
公開日:May 7, 2024
本文:

I think it is fair to say that the large increase in people living on boats in the capital is driven by the housing crisis and cost of living in London.

URL:https://www.nytimes.com/2024/05/07/realestate/london-houseboat-house-prices.html?smid=nytcore-ios-share&referringSource=articleShare

※和訳例については、「解説動画」内で提示しております。

ワンポイント:ネイティブの感覚を身につけろ!fairは「公平な」から結構派生する!

ぜひ記事を読んでいただきたいのですが、
この一文は、Canal & River Trust*という団体の広報責任者であるJonathan Ludfordの一言です。
(*Canal & River Trustは、イングランドとウェールズの運河や川、貯水池などの歴史的な水路を管理する慈善団体)
今回の文脈におけるfairの意味を知ると、彼の心情が少しわかる気がすると思います。

さて、早速ですが、今回のfairの意味を紹介します。
it's fair to say〜で「〜と言っても言い過ぎではないだろう」です。

なぜその意味になるのかは、後で解説することにして、
先に彼の話し方に注目してみましょう。

彼の発言は、I think 〜という言葉で始まり、まず言い切りを避けていますね。
さらに、このit's fair to say 〜で断言したくなさが伝わってきます。
that節内のことをあまり信じない方が良さそうな書きっぷりです...
(実際には、I thinkとit’s fair to say〜はよく使われる組み合わせです!)

英語では、はっきり言うしかないと日本人は思いがちですが、もちろん英語にも「言っている」ことに自信がないときに使う表現はあるわけですね。

それでは、fairの解説に入りましょう。

まずfairの主な定義は、
①理にかなった (e.g. a fair price)
②公平な (e.g. fair trade)
③ かなりの (e.g. a fair amount of success)
④ 平均的な(e.g. Your grade is fair.)
です。

fairは、古英語時代のfægerの形を変えたものです。
fægerは、

"pleasing to the sight (of persons and body features, also of objects, places, etc.); beautiful, handsome, attractive," 
of weather, "bright, clear, pleasant; not rainy,"
(Online Etymology Dictionaryより)

「目を楽しませる」というのが原義で、
「美しい」、「ハンサム」、「魅力的」といった意味や、
天気でなると「明るい」、「快晴」、「心地よい」、「雨のない」というような意味がありました。

後期古英語では、もう少し意味が広がり「道徳的に良い」という意味にもなりました。
時代が進み、13世紀初頭からは「礼儀正しい、公正にである」という意味にもなりました。
さらに、1860年代からは「比較的良い」を意味しました。

このように、総じて「ポジティブな」意味で使われることがお分かりいただけると思います。

さて、これがfairの元々あるイメージです。
このイメージが最終的には、「理にかなっている」という定義にまで及びます。

「It’s fair to say 〜」は、直訳すれば「〜いうことは理にかなっている」になり、
噛み砕けば、「〜と言っても言い過ぎではないだろう」くらいの意味になります。

ただ、この日本語訳以上にラフに使う言葉でもありますので、
ぜひたくさんの英語に触れて使い方をマスターしてください。

最後に

このシリーズは、ワンポイント解説のためここまで!

役に立ったという方、ぜひフォロー!お願いします。

また、この先の動画では、今回の英文記事の解説をしています。動画は、文章だけでは伝わらない解説を(口頭&板書にて)加えたり、
耳で覚えられる効果があったりと、便利な使い方ができると思います。
ぜひ、ご活用くださいね!!

【本記事内の記号の確認】
[名詞のかたまり]
<形容詞のかたまり>
(副詞のかたまり)
S=主語、V=述語動詞(#2の記事参照)、O=目的語、C=補語、M=修飾語

(参考文献)
Online Etymology Dictionary
ウィズダム英和辞典
オーレックス英和辞典
ジーニアス英語辞典

【解説動画】ネイティブの感覚を身につけろ!fairは「公平な」から結構派生する!

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