![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/146415797/rectangle_large_type_2_b0e4f9237e4be62cd3a853ba162b20ea.png?width=1200)
情報の海を遠泳できるか
当たりが出たら、もう1本!
大盛り無料!
ご飯と味噌汁のおかわり無料!
街へ一歩くり出せば「食べれば食べるほど良いよ」のメッセージを浴びる。
たくさん食べることが正しい、または万人共通の望みだと決まっているかのよう。
けれど、本当に「満腹 is ベスト」なんだろうか。
脳みそは「期待」でアドレナリンが出るらしい。アドレナリンによって、それに注意を注ぐよう仕向けられる。
「大盛り無料なんだ!」「このお店で食べたいなあ」
その脳内ホルモンによる多幸感がピークに達するのは、期待している段階のときで。
実際「満腹」まで食べ終えたときの幸福度は、曲線の下方に位置する。
「お腹がはち切れそうでちょっと苦しい。頭がぼーっとして動きたくない」
なので、満腹まで食べないこと。
これって、忘れがちだけど簡単かつ大事な生活指針だと思う。
腹八分目が大事なのは、口から入るものだけではなくて。
目や耳から入るものも、腹八分目が望ましいのかなと。
情報も、食べ過ぎると心身の動きが鈍くなる。活力が削がれる。
スマホやパソコンを開くと、情報を「食べる」どころか、
情報の「海へと放たれる」感じがする。一部を取り込むというより、そこに全身を浸す感じ。X、note、Instagram、YouTube、スタンドFM、Voicy…
次から次へとクリック、スクロール。情報がなだれ込んでくる。
スマホやSNSを作った偉い人たちが、ユーザーがそれらを手放せなくなるような仕組みを練り込んでいるのだ。その仕組みに抗うのは難しい。
この、「デジタル情報の海」を遠泳できる人もきっといるんだろう。遠泳と言わずとも、長距離遊泳できる人もたくさんいるんだろう。
けれど、私には難しいなと感じる。その中に身を委ねていると、最初は未知との出会いがあったり刺激が楽しい。けれど、程なくして腕や肩に乳酸が溜まっている感じがし始めるし、息も上がってきてしまう。短距離スイマーなのだ。
どうやら私には、その海を遠泳する能力はないらしい。
けれど、それも悪くないと思っている。
私は私なりに、海を楽しみ、海を渡る。
途中で疲れたら、岸に上がって本を読むことにした。
これは比喩ではなく、現実にスマホの通知を切って(電話だけ受けられるようにして)15分でもいい、一人で読みたい本を読む。
すると、指先まで血が巡るのを感じた。
デジタル・アナログを行き来しながら、情報の海を自分なりに遊泳していきたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?