#児童書
この夏、出逢えてよかった1冊
小手鞠るい 『ある晴れた夏の朝』(偕成社、2018年)
原爆投下の是非について高校生が激論を交わす。本場アメリカの討論に唸り、知らなかった歴史に驚き、スリリングな展開にフィクションであることを忘れた。日本語版を中高生に、英訳版を高校や大学の副読本にオススメ。この夏の英訳本の出版を機に、遅ればせながらも出逢えてよかった1冊。
ミスターオレンジ〜未完の勝利
トゥルース・マティ作・野坂悦子訳『ミスターオレンジ』(朔北社、2016年)
「第2次世界大戦のさなか、ヨーロッパを逃れてニューヨークへきた画家ミスターオレンジとの出会いが、少年ライナスを大きく変える」という帯のことばを読んで、少年と画家の交流がならば「魔女の宅急便」のキキが絵描きのウルスラに出会って成長するのと似た展開かなと予測して読み始めた。だが、その予測はよい意味で裏切られることになった。も
『風の陰陽師』シリーズに震えた
三田村信行『風の陰陽師』シリーズ(ポプラ文庫、2010~11年)
初版2007年刊行のこのシリーズは
マンガ化もされているため
ご存じの方が多いと思う
私は『ハリーポッター』でも
夢に出てきてしまうほど怖がりなので
この類いの物語は基本読まないのだが
同著者による『安寿姫草紙』で免疫ができて
今ごろになって初めて陰陽師シリーズに挑んだ
目の前にはっきり情景が浮かぶほどリアルで
もちろん恐ろし
私にとっての『セイギのミカタ』
佐藤まどか作・イシヤマアズサ絵 『セイギのミカタ』(フレーベル館、2020年)
「みんながほんのちょっとずつ勇気をもてば、なにかが変わるかもしれない」――そんな著者の思いが詰まった1冊
赤面症でトマトマンと呼ばれる主人公の前に現れる
セイギのミカタ
直球ストレートできたかと思ったら変化球で
最後まで目が離せない展開だ
小学4年の時
私は2度目の転校で
1年の時と同じ小学校に戻った
すでに知っ