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【読書感想文】ヘーゲル『精神現象学』長谷川宏訳、作品社

ドイツ観念論の大成者ヘーゲルの処女作『精神現象学』を長谷川宏訳で読んだ。はっきり言って、私には抽象的過ぎて、一語も理解できなかった。カントの『判断力批判』は、表現が難しくて理解できなかったが、この本は、逆に訳がこなれすぎて、頭に引っかからず、言葉がすべてスルーしてしまうので、記憶に残らないのである。目次と各章のタイトルを見て、次第に精神が高昇していく様が描かれているのはわかったが、外化という常識的な理解以外に、何も理解が深まらなかった。それでも、最後まで目を通せば、いつかは何かがわかるのではとあきらめずに目を通したのだったが、ダメだった。どうして自分はこうも頭が悪いのだろうと悲しくなる読書だった。逆に、長谷川さんのようにこなれすぎていない硬い訳のほうが自分には合っているのかもしれないと思いつつ、高い翻訳書を二冊も買うほどお金がないので、今後どうしようか考えものである。しかし、図書館で借りて、一か月で読めるとも思えない。やはり自腹覚悟か。あきらめるか。解説書を読むのも手かもしれない。面白いことを言っているように思えたのに、本当に残念だった。

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