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思春期のイライラおさめどころ

先日、息子くんがイラついて、
夕食を食べずに生ごみに全部ぶちまける、という事件があった。
でも特に、怒りというものは湧いてこなかった。
最近、学校でもイライラすることが多いのだろう。
勉強もやることが増えて、いままでは「問題解けばおしまい!さあ遊ぼう!」だったのが、「〇付けをして、できなかったところをやり直す」というところまでを求められるようになった。
彼のルーティーンの変化を求められている。

その日も、もうできなかった問題3回目になっても放置しているので、いい加減これは覚えなされと言ったことで怒っていた。
30分になったらとにかくゲームをやりたいが、覚えないとできないし、夕食も食べないとできない。
でも出てきた夕食に、気分じゃないうどんがのっている。
ムキー!
…というイライラの積み重ねで、これである。

思春期あるあるで、しょーもないなーと思うんだけども。
イライラの逃し方がまだ下手な年頃で、どうしていいかわからない感情がそこに溜まるわけで、何かやらかすなーと思って見ていたので、怒りというより、そうきたなという感じ。
「せっかく作ったのに」という思いがゼロだったわけではないけれど
大人の怒りをたたみかけてもいい方向には向かないだろうなと想像するので、その場では叱らなかった。
そろそろ怒り続けるのに飽きるだろう頃合いで、声をかける。

ちょっと笑ってしまったのは、本当に爆発して丼を食卓に投げるようなことはしなかったことだ。
ちゃんと、生ごみ場まで運んで流し入れるのは、そこに多少の理性があったからだと思う。
物や人に暴力的になるよりも、ずっと理性的だ。
後日、やっぱり食べ物を捨てるのはよくなかったんじゃないか?どう思う? という話をすればいいのだと思う。

ただ、怒り方とやるべきことは、別の話。
イライラするけどやらなきゃいけないことに対して、嫌だけど受け入れる、ということは、少しずつ覚えていってもらっている。
彼がやる気になれば15分で終わる負荷量なので、そこは崩さない。怒鳴りつけずに、「今日が厳しいなら、別に明日やってもかまわない。やるまでゲームは開放しない。ただし、この時間にやるからとか、私に交渉することはできるよ」と言うのだった。

彼は自分が折れることも、交渉することも嫌いなので、だいたいが部屋でめそめそふて寝しているんだけれど、この日の夜、私が食卓でパソコンをしていたら、となりのイスにやってきてモジモジしている。
何か言いたそうだけど、言わない。
ちょっと席を立った瞬間にお父さんがその席に座ったら、怒って追い出す。そして黙って座っている。
そして、しばらくして「ゲーム時間、1時間増やして」と言った。

いやいや、希望だけ言ってもダメだから(笑)。
彼は交渉しに来たつもりなのだ。そこは進歩と認めよう。
交渉とはこういうものだと説明しても、なかなかうまくはいかないが、何回かやってるうちに、ちょっとはうまくなるだろう。
友だちともそうだ。こちらの希望ばかり言っても通らない。

さてこの勝負、どうなったか。
この日のゲームはタイムアウトとなったが、やれば今日の時間は復活する話をし、やるかどうかはともかく一旦気持ちは落ち着いて、お風呂で鼻歌に。
翌日見たら、雑に単語を書き直していたので(それを交渉の場に持ってくればいいのに)、間違ってたけど、こちらもそれ以上何も言わずにスルーする。
次の授業のときにやり直しが出たが、それは怒らずにやっていた。多分これの繰り返しなんだろう。

ちなみに、私も怒らないわけではない。「食事中イスにあぐらをかいて座らない」とか、これはダメというところは、相手が泣いても譲らない。
そんなことで泣くなー!と思うけど、本人にとっては葛藤なのだね。多分。
心がチリッとなる体験はあってもよくて、いつまでも子どもだからを通すこととはちょっと違う気もする。
社会に求められることと心の折り合いをつける基礎練習かな。褒めることも忘れずに。

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