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#139 行政書士試験に合格するために 祖先の祭祀編

今回は、行政書士試験の民法(親族・相続)
897条(祭祀に関する権利の承継)に
ついて書いてみたいと思います。


1.章や節も意識してみる・・・

第三章 「相続の効力」を見ていきたいと
思います。

「相続の効力」は、
第一節 総則
第二節 相続分
第三節 遺産の分割 
これらで構成されています。

憲法では、たまに
「○○は第○○章である」という問題が
出されるため、ある程度覚える必要が
ありますが、民法では、出題されることが
ないですし、横断的に問われることも
多いため、あまり章や節を意識しないと
思います。

キチンと暗記する必要こそありませんが、
今日はどこの勉強をやった、明日はどこの
勉強をするのかなどを考える際に、
今日は○○ページから○○ページ勉強する
と決めるよりも、明確にすることで、
少し知識の定着がしやすそうな気がします。
(医学的なものではありません・・・)


2.把握していない条文も出る・・・

令和4年に897条が出題されています。

(祭祀に関する権利の承継)
第897条
 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。

択一での出題で、妥当なものを選ぶもの
でしたが、この肢が条文そのまま
出されているので、正解の肢になりました。

この897条を押さえている受験生は
少なかったと思います。

この問題では、他の4つの肢の正誤判断が
難しくないため、897条を暗記している
必要はありませんでした。

ここから学ぶべきことは、自分が全く
把握していない条文がさらっと出題される
ということを知っておくということです。


3.改正点は出題されやすい・・・

令和3年には899条の2が出題されました。

(共同相続における権利の承継の対抗要件)
第899条の2
 相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。

相続というよりも、不動産物権変動の
問題になります。

「相続分を超える部分」については登記、
登録その他の対抗要件を備えなければ、
第三者に対抗することができない
ということが書かれています。

登記の重要性がよく分かる条文です。

改正点でもあるため、令和3年に出題が
ありましたが、今後も何度も出てくる
ところになると思います。

最判平14.6.10の判例(下記参考)が
ありますが、民法の改正に伴い、
法定相続分を超える部分については、
899条の2のとおり、登記を備えなければ
第三者に対抗することができない
ことに
なりました。

「相続させる」趣旨の遺言による不動産の権利の取得については,登記なくして第三者に対抗することができる。

最高裁判所 最高裁判所判例集 裁判要旨

4.まとめ

「親族・相続」には時間をあまり割けられない
ため、目を通し切れていない条文や見たことは
あるけれど、暗記しきれていない条文も
いくらかあると思います。

それで構わないと思います。

897条が出された令和4年の問題のように、
他の4つの肢の正誤を判断できれば特に
困ることなく問題は解けるからです。

「親族・相続」で4点取る必要がありますが、
725条~1050条までを完璧に押さえる必要は
ありませんし、時間もありません。

ほとんどの問題がBランクですが、
その中でもAランクに近いものに勉強の
重心を置き、Cランクっぽいものには、
一読するだけ、あるいは、手をつけなくても
構いません。

「見た事のない条文も出る」という前提で
メリハリをつけ、学習することが望ましい
と思います。

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