
クラシックの楽しさと喜びを広めたい 大西梨里
こんにちは!note更新担当のたぬ子です。
今回は、新居浜市出身で桐朋学園大学音楽学部に在籍されていてる、ピアニストの大西梨里さんに、音大生の日常や今後の活動について、お伺いしました。
[プロフィール]
■氏名
大西 梨里(おおにし りり)
■ジャンル
音楽(クラシックピアノ)
■経歴
2001年新居浜市生まれ。5才よりピアノを始める。
小6~中3「桐朋子供のための音楽教室」大阪校にてソルフェージュを学ぶ。桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)を経て、桐朋学園大学音楽学部3年在学中。
ショパン国際ピアノコンクールinASIAアジア大会銀賞。ピティナ・ピアノコンペティションC級金賞。ヨーロッパ国際ピアノコンクールinJapanジュニア特級中学部門最高位。全日本学生音楽コンクール高校の部東京大会入選。東京ピアノコンクール高校生部門第1位。万里の長城杯国際音楽コンクール大学の部第1位。全国町田ピアノコンクールF部門第2位。学内選抜Student Concert出演。Music Alp夏期国際音楽アカデミー(フランス)修了。故カジミエシュ・ギェルジョド氏マスタークラス終了。
ピアノをこれまでに永易和子氏、現在中井恒仁、今井彩子の両氏に師事。
高校2年より本格的に演奏活動を開始し、新居浜市ではこれまで二度のソロリサイタルを開催。
自然と進めたピアニストの道

― 小学6年生から大阪の教室へ通われていたんですね。
ピアノの道に進もうと思った時に「手遅れにならないように」と、通わせてもらっていました。
― 本格的にピアノの道に進もうと、決めたのはいつ頃からですか。
小学校に上がる頃から、なんとなく「ピアノを弾いて、聴いてもらうお仕事をしてみたいな」と思っていましたね。
そこから高学年になると、音楽教室のことも含めて、だんだんと将来のことを考えるようになり、その頃には「ピアノがやりたい!」と思っていました。
― そう決められたのは、何かきっかけがあるんですか。
はっきりとしたきっかけは、覚えてないんですけど。
小学生の頃からコンクールの全国大会まで進むと、全国からよく弾ける子たちが集まっていて「地元で普通の高校に進んだのでは、学べないものがある」と感じていました。
そういう環境にいたので、自然と「ピアノの道に進みたい」と思ったのかもしれないですね。
中学校に入ってからも、ピアノ程自分がのめり込めるものが無かったのもあって、そのままピアノの道に進みました。
楽しみと喜びの学生生活

― 桐朋女子高等学校音楽科に進学されますが、入学した際心境の変化はありましたか。
中学3年生の周りが受験勉強をしてるうちから「高校に入ってピアノだけ、音楽だけに専念できる」と、ずっと楽しみにしていて。
高校に入った時にも「音楽を専門的に、同じ志を持った子たちと学べる!」という、楽しみと喜びが大きかったです。
― 音楽高校では、どのような勉強をされるんですか。
一応高校までは、理科、数学、社会、国語のような、普通科目の授業もあります。
もちろん音楽が中心なので、”視野を広げるための勉強”という捉え方が合ってるかなと思います。
― 大学になると、より専門的な講義になるんですか。
演奏の講義は、基本的に自分の付いてる先生に毎週教えてもらっていて。
座学の講義は、世界各国や様々な時代の音楽史や、和声の進行、曲の分析などを勉強しています。
季節を感じ、演奏に活かす

― 普段の生活で、演奏のために気をつけていることはありますか。
よく「ピアノを弾くから、常に手が傷つかないように気を張っているんでしょ」とか思われがちなんですけど、手について過剰に気をつかっていることはないです。
小さい頃からの習慣で、転びそうになっても手を着かないとか、よく爪を切っていたりとか、そういうことはあるんですけど。
「手を切る時は切るし」って思っているので、特に気にせず生活していますね(笑)
ただ、歩いていて感じる季節の表情や音、空気感を感じとるようにしています。
鍵盤に向かっているだけでは、いい音楽ができないと思っているので、普段の生活で感じることを大事にしていきたいですね。
準備あっての楽しいコンサート

― 1番思い出に残っているコンサートやコンクールを教えてください。
基本、ステージで弾くのを楽しみに演奏会場に行っているので、場所や心境によって思い入れが変わることはあまりないんですけど。
あえて選ぶとするなら、高校2年生の時に初めて地元の新居浜で行ったコンサートですね。
そのコンサートで皆さんに書いていただいたアンケートを読んだり、知り合い伝いに感想を聞いて「私の演奏で、こんなにもいろんなことを感じてくださる方がいるんだ」ということを、すごく肌で感じ「ピアニストとして歩んでいきたい」という気持ちが、より強くなりました。
― では、演奏会でヒヤッとしたことはありますか。
高校入学以降、ステージ上で失敗したと思ったことはないですね。
本番のピアノは普段より良い品質で、会場も練習室より広くて、響きも良いので、練習の時より楽しめることが多いんです(笑)
もちろん緊張しますが、その緊張感が生み出す音楽もありますし。
緊張していて練習と同じことができないかもしれない分「確実な準備をしよう」と思っています。
練習は時間より内容を重視

― 毎日、どのぐらい練習されるんですか。
日によって違いますね。
講義や課題がたくさんあって、3時間ぐらいしか弾けなかったって日もありますし、休みで朝から夜まで弾く日は10時間ぐらい弾いています。
ただ、少しの時間でも大きな成長があることもありますし、ピアノの前に座る時間は長かったけど、集中できずに能率が悪い時もあって。
「練習時間より、内容かな」と、最近よく感じますね。
― ピアノに触らない日は無いんですか。
基本的には無いです。
高校の時にフランスで開催されるセミナーに参加した時は、移動が飛行機だったので、その間は弾けなかったですけど、フランスに着いた翌朝からレッスンなんで着いたその日に練習を始めました(笑)
セミナーは10日間程度で、師事する先生がフランスに行ってしまうと、レッスンが受けられないので一緒に付いて行って、現地で他の先生からもレッスンを受けられるというものでしたね。
いろんな国の人が集まっていて、日本では感じられない空気を感じることができて、とても楽しかったです。
― 日本でクラシックは高尚なイメージですが、海外では身近な音楽でしたか。
セミナーの間は、ほぼ練習室とホテルの行き来だけだったので、街中の様子はそこまで分からないんですけど。
セミナーに参加している人を見ると、日本人はきちんとした服装でレッスンに向かう人が多かったんですが、海外の方はタンクトップに短パンで向かう人もいて、音楽が生活と切り離されてない印象を受けましたね。
私の周りの子たちは、韓国アイドルやジャニーズが好きで、服装もラフだったりするんですけど「レッスンの日は、きちんとした格好をしなきゃ」と、生活と音楽を分けてるように感じていたので、とても驚きました。
地元・新居浜で、どんな人でも楽しめるコンサートを

― 今後、愛媛でやりたいことを教えてください。
東京でコンサートをすると、多くの人口の中から音楽に興味と知識がある人たちが来てくださいますけど、愛媛だともっと幅広い客層の方が来られます。
それは、生のクラシック音楽に触れる機会が、東京に比べて少ないからだと思っていて。だから、クラシック音楽に興味が無くても「聴いてみようかな」と思っていただけるようなコンサートを、積極的に地元で行いたいです。
演奏活動を始めた頃は、コンサートのMCが苦手で、弾くだけのコンサートに憧れていたんですけど。
今は、皆さんが知っている曲と難しい曲を関連付けて解説したり、作曲家について身近に感じられるようなエピソードをお話して「クラシック音楽に興味をもっていただける方を、どんどん増やしていきたい」と思うようになりましたね。
絵しりとり まねきねこ ⇒ こ○

今回は、オンラインでインタビューを行ったため、イラストをメールで送っていただきました。
ゆらゆらと、優雅に泳いでいる音が聴こえてきそうですね。
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