こだわりの”丸み”で描くキャラクター イラストレーター misato
こんにちは!note更新担当のたぬ子です。
まずは、こちらをご覧ください。
缶ジュースを一心不乱に振っているネコ
容赦なく目薬をさしてくるネコ
今回は、この可愛くてシュールで、クスっと笑ってしまうイラストを描かれている、イラストレーターのmisatoさんにお話を伺いました。
独特な動きはどこから生まれるのか、何かを訴えかけくる表情のポイントはどこかなど、misatoさんの魅力に迫るインタビューです。
絵を描くことが好きな少女時代
― どのようなきっかけで、イラストレーターの活動を始められたんですか。
最初は、働きながら趣味で漫画やイラストを描いてました。
それを、デザインの仕事をしている姉が見ていて「昔から絵が得意なんやし、せっかくならイラストの仕事やってみんけん」って、いろんなところと繋いでくれました。
― 昔から、今のような絵柄だったんですか。
もっと尖っていて、抽象的な人の絵とか、めちゃくちゃに崩した動物の絵が多かったです。
ネコのキャラクターも、ツンとして話を聞いてくれなさそうな子ばかりで。ブラックユーモアっぽい、アングラ系のとっつきにくい絵ばっかり描いてました(笑)
― 趣味でずっと絵を描かれていたとのことですが、ちいさい頃から、絵を描くのが好きでしたか。
そうですね!もう大好きで、幼稚園の時からずっと描いてます。
小学生の頃は、休み時間も帰ってからもずっと絵を描いていたので、自由帳が1日で無くなってました(笑)
丸くて、ゆるくて、シュールなキャラクターたち
― キャラクターづくりで、どんなことを大切にされていますか。
パッと見た時の可愛らしさや、丸み、見た人の印象に残ることですね。
太ももやおなかのラインは、特にこだわっています。
納得できる線が引けるまで、何回も書き直しますよ。
― 納得できるまで何回もですか!
SNSで投稿されているイラストは、完成までにどのぐらい時間がかかるんですか。
平均で1時間ぐらいかかってますね。動画は、始めて間もないのですが、動きに凝りだすと2時間半とかかかっちゃいます。
案外少ない枚数で動かした方が、滑らかに動いてくれて。逆に、手をかけて何枚も描いちゃうと、不自然な動きになってしまったり。
動画の世界は、深いです…。
― とてもシュールな動きの投稿が多いですが、あの動きはどうやって考えられていますか。
単純に、私が好きな動きですね。
ちょっと変だけど、可愛くて、印象に残るポーズが昔から好きで。
特に、腰をキュッとさせたポーズがお気に入りです。
― 描かれる時は、家族の方に踊ってもらったり、何か参考にされますか。
家族は毎日見てるんで、無意識のうちに参考にしてると思います(笑)
足の長さや丸み、あと普段の動きも勝手に頭の中に入ってるから、たぶんイラストに反映されてるでしょうね。
― 特に写真などを参考にして、描かれているわけではないんですね。
見る時もあるんですけど、ネコのイラストは私の想像で描くことが多いです。
私の場合、何かを参考にしたり真面目に考えて描いたら、勢いがなくなって、あまりおもしろくない絵になっちゃうんですよ。
個人的に、ゆるくて、可愛くて、シュールで笑えるのが好きなんで。そういうのを描いてます。
実は、イヌを飼ってました
― ネコのキャラクターが多いですが、おうちで飼われているんですか。
みんなに言われるんですけど、飼ってないんですよ。むしろ、イヌを飼ってました(笑)
逆に飼ってないからこそ、キャラクターに特化した発想ができるのかもしれないですね。
― ネコを描かれているのは、動物の中で1番好きだからですか。
そうですね。1番好きかもしれません。
ネコって可愛いだけじゃなく、美しかったり、時に不気味で何を考えているか分からない表情をしていますよね。
動きにもいろんなバリエーションがあって、ついつい絵に描きたくなってしまうんです。
すらすらと描いたキャラクターが採用
― 愛媛トヨタの“にゃんと”は、どうやって誕生したんですか。
最初は、愛媛トヨタさんがイベントで配るパンフレットの漫画用に、ささっと描いたキャラクターだったんですけど、それをトヨタさんが気に入ってくださって、公式イメージキャラクターとして採用いただきました。
― そうなんですね⁉
企業さんと打ち合わせを重ねて誕生したのかと思っていたので、驚きです。
他にもキャラクターを作って、提案させてもらったんですけど、”にゃんと”を選んでくださいました。
私の場合は、力を抜いてすらすらっと描いたキャラクターの方がいいみたいです。
― では、NHK松山ひめDON!の“ど~にゃん”は、どうやって誕生したんですか。
愛媛らしい特産物を身に着けたキャラがいいかなと思い、みかんのアイテムを装備したキャラクターを6種類ほど提案させていだきました。
その中で「この、みかんを被ってる子が可愛い」と、選ばれたのが”ど~にゃん”です。
キャラクター1体だけというお話だったんですが、”ど~にゃん”の横にちょこっと描いていた”みっけちゃん(みかん)”も気に入ってくださり、”ど~にゃん”とコンビで採用していただきました。
ひめDON!が地域に根差した番組なので、ひと目で”みかん=愛媛”と分かるキャラクターが、ぴったりだったんじゃないですかね。
ミリ単位で調整された表情に注目!
― misatoさんが描かれるキャラクターは、表情で訴えかけてくる子たちばかりですが、表情を決めるのに大事なパーツはどこですか。
えー、どれやろ。眉毛、目、口、全部大事なんですよ。
全体のバランスを見て描いてるんで、1ヵ所直したら、他も全部直さないといけなくて。だから、”これ”って1つには決めれないですね。
― 眉毛、目、口、3つで1つという感じなんですね。
シンプルな線で描いているので、ミリ単位での調整が必要なんですよ。
SNSに毎日投稿してるイラストは、ゆるく描いてるんで、そこまで微調整はしてないんですけど、お仕事のイラストはかなり調整しています。
ずっと描き続けてきたから、今がある
― イラストレーターになってすぐのmisatoさんにアドバイスをするなら、何と声をかけますか。
「なりたい自分になれるけん、頑張って続けてね。諦めるな!」って言いたいです。
― と言うことは、現在のmisatoさんが当時思い描いていた自分に近いということですか。
NHKさんやトヨタさんに、キャラクターづくりを任せてもらえるなんて、思ってもいなかったので「夢にまで見た!」という感じです。
当時は、こんな大きなお仕事をいただけるなんて、まったく予想をしていなかったので、「頑張って、続けてきてよかったな」と思っています。
夢は、ミュージアムの館長⁉
― 今後、愛媛でやっていきたいことを教えてください。
愛媛を代表するイラストレーターになりたいです。
夢はでっかく!愛媛に、misatoミュージアムを作りたい!(笑)
私のキャラがいっぱい居て、お土産コーナーや銅像があって、グッズも販売して、記念撮影用の被りものもあって!そんなミュージアムがいいですね。
あとは「一緒に仕事したいな」って、思ってもらえるイラストレーターになりたいです。
新しいことにチャレンジして、どんどん活動範囲を広げていきたいと思っているので、いろんな方とお仕事してみたいです。
他に、全部自分が監修したフィギュアも出したいですね。
「ここから見た角度のおなかを、もっと丸くなだらかに!」とか、「この太ももの曲線ラインはもう少し細く!メリハリをつけて!」など、こだわりの丸みやラインを3Dで再現したいです(笑)
絵しりとり ルーペ ⇒ ○
「マッキーの”描いてる”って感じが好きなんで」と、愛用のマッキーで描いていただきました。
すらすらとペンが動いている様子は、さすがイラストレーターさんだなと感激です!
主役のキャラクターを描き終えたあとも、細かな描きこみや文章を書いていただいて、とても可愛い1枚に仕上がりました。
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