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シルクスクリーンプリントの楽しさをみんなに なつ茶印刷店 村井奈津代
こんにちは!note更新担当のたぬ子です。
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生クリームに苺シロップ、オレンジシロップ、青いシロップは何味かな?
と美味しそうに見えるこの写真ですが、実は調合中のインクなんです。
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現代アートのように見えるこの写真は、製作中に付いた汚れや残ったインク。
今回は、普段見ることのないインクの可愛さ、美しさをInstagramで発信されている、シルクスクリーンプリントスタジオ「なつ茶印刷店」村井奈津代さんに、お話をお伺いしました。
[プロフィール]
■氏名
なつ茶印刷店 村井 奈津代(むらい なつよ)
■ジャンル
印刷(シルクスクリーンプリント)
■連絡先
Mail:natsucha.printstudio@gmail.com
■経歴
愛媛県松山市出身。
2002年よりシルクスクリーンプリントTシャツの仕事に携わる。
2007年、製造現場において製版、刷りで独り立ち。同時に様々な分野の仕事にも従事し、企業にてシルクスクリーン製造部門責任者経て、2020年8月、松山市内にて「なつ茶印刷店」開業。
広報営業から納品まですべて店主ひとりで運営。小回りの利く規模でお客さまに向き合いたいとの想いから、お客さまと直接やりとりすることで細かなご希望に添えるよう、丁寧な対応をこころがけている。
繊維へのプリントがメインで、プリントTシャツのほか、ブランドタグの製作、特殊印刷製造請負など。裏方の立場でありながらも、日々、ものづくりの現場で自分なりの美学を見出している。
インク調合の様子は好評で、今後ワークショップにて体験していただくことを検討中。なつ茶印刷店の日々の様子はInstagram、LINE公式アカウントにて発信中。
■SNS
Instagram(@natsucha.printstudio)
LINE(@188qrlqt)
プライベートでのお手伝いから、一生の仕事に
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― シルクスクリーンと出会ったきっかけを教えてください。
20代の頃に、オリジナルTシャツを製作している方と知り合いまして、その方のお仕事をプライベートでお手伝いするようになったのが始まりですね。
ところがある日、シルクスクリーンの刷り担当の方が辞めることになって。「引き継ぐ人がいないのでやってみないか」というお話をきっかけに、当時の仕事を辞めて私が引き継ぐことになりました。
― お手伝い期間中に、刷ったことはあるのですか。
ないですね。お手伝いの間は、Tシャツを刷り台に着せたり、畳んだり、版を洗浄するなど主に雑用をしていました。
― そこからいきなり刷り担当に⁉
納期があるので、一定のクオリティで大量に、かつ早く作らないといけないんですが、引き継いで最初のころは技術がなくて、何回もプリントを失敗していました。不良品の山ができてしまって、毎日落ち込みましたね。
インクの調合も刷り担当がするんですけど、調合するインクの分量が分からなくて失敗してしまうんです。もう最初の3年はつらかったですね。
― 色づくりの教科書などはあるのですか。
ないので本当に分からないんですよ。なので、料理みたいに自分なりのレシピ本を作っていました。
― 現在、レシピでは何色作れるのですか。
レシピは30~40色あるんですけど、最近は慣れてきたので勘で作れるようになりましたね。
挑戦、工夫、経験
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※インタビュー内容のTシャツとは異なります
― 1番難しかったご依頼を教えてください。
去年かな。私の中でちょっとしたチャレンジだったんですけど、「ものすごく細かなデザインのTシャツを作りたい」というご依頼がありまして、それがうちでは扱ったことがないレベルの細かさだったんですよ。
2色のドットを重ねて中間色を表現するデザインなんですけどね。白地に色のつかないドットの部分と、色(水色)がつくドットの部分を組み合わせるんです。そうすると、近くで見ると地の白色と、インクの水色のドットに見えるんだけれど、離れて見ると目の錯覚で全体が刷った色より白っぽい水色に見えるんですね。
刷り方にも工夫をして、通常は刷りを重ねてくっきりとしたデザインに仕上げるんですけど、今回のように細かいと、重ねているうちにドットが潰れてしまうので、薄刷りで通常とは違う雰囲気で仕上げました。ちょうど和風のデザインだったので、インクの薄い盛り具合が合っていて、ちょうどよかったです。
― 刷り方をデザインによって変えられるのですね。
外国っぽい大きなフォントのデザインだと、プリント部分に厚みがある方がかっこいいので、何度もインクを重ねて立体感を出すんですけど、柔らかいデザインの場合は少し薄めの方が、しなやかな感じが出ていいですね。
― それは村井さんの力加減によるのですか。
力加減だけではなくて、スキージーの角度によるんです。角度を立てるとインクが下に落ちなくて、斜めにするとよく落ちるんですよ。ただ、落とすインクの量が増えると滲みやすくて、失敗するので加減が難しいんですけど説明は難しいですね(笑)「こんなものかな?」と言いながらやっています。
大変さは、初刷りの感動でリセット
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― Tシャツ1枚に、どのぐらいの時間がかかりますか。
Tシャツを刷り台にセットして、インクを乗せて、乾燥させます。そして、乾燥させた上にまたインクを1~2回重ねるんですよ。なので、刷る時間だけなら早くて1分ほどでできますね。
― 好きな工程を教えてください。
1番楽しいなと思うのは、初めてデザインをプリントする時ですね。「どんなのが仕上がるかな」と緊張しながら、インクを乗せて、刷って、版を上げた時に「いいのができた!」と、毎回感動します。その楽しみのために、大変な前準備をやっているんだなと思いますね。
刷っている本人だからかもしれませんけど、デザイン画より実物のほうがより良く見えるんですよ。
ひとり占めしていた楽しさをおすそ分け
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― Instagramに投稿されている、調合途中のインクをいつも美味しそうだなと見ています。
一人で仕事をしているので、これまでは一人だけの楽しみだったんですけど、SNSを始めてからは、皆さんに私の楽しみをおすそ分けする気持ちで投稿しています。
― 色を完成させるために、もっと混ぜないといけないとは知っているのですが、このままで留めておきたいぐらい綺麗な色ですよね。
だから写真に収めるんですよ。そうそう、今回インタビュー用の写真を選んでいるうちに、ふと「この写真集でも作ろうかな」と思ったんですよ。
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― 1色を作るのに、こんなに色を混ぜないといけないのかということも分かっておもしろいです。
基本、青・黄色・ピンクを混ぜて作るんですけど、たまにラメやメタリックの粉も混ぜるんですよ。それが特に綺麗なんですよね。
そういう調合は、あまり見る機会がないと思うので「いい機会だな」と動画に撮って、お見せするようにしています。
ハンドプリントの楽しさを体験してほしい
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― 今後愛媛でやりたいことを教えてください。
ワークショップですね。シルクスクリーンというハンドプリントの楽しさを、ぜひ皆さまに体験していただきたいと思っています。
シルクスクリーンは、版の洗浄や掃除が大変なので、ワークショップでできるか少し不安はありますけど、デザインを小さくすれば大部分が解決するので、工夫しながら開催していきたいですね。
絵しりとり しり ⇒ リ○○
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