見出し画像

ショコラティエや和菓子職人が作る、一風変わったチョコレート(のおやつ)

チョコレートハイシーズン目前の今。様々なチョコレートイベントがデジタルカタログを公開したりと今年も賑わいを予感させています。かくいう私も封切りとなるチョコレートの祭典サロンデュショコラへの予習に燃えております。


催事会場で列を為す有名どころや、話題になる海外のショコラティエのチョコレートももちろん気になるけど、最近私が気になるのは、もっぱら日本のショコラティエ。またはめずらしい国産素材を使ったチョコレートや、チョコレートを扱う本職以外の人間の和菓子職人が手がけたもの。


そういう従来のチョコレート菓子からは少し逸れたちょっと風変わりなものに目がいきます。チョコレート×地酒、お餅、その土地で採れた果物……。

今日は、そんな私が最近おお!となったチョコレート菓子の話をしていきたいと思います。


チョコの世界が気になるけど、催事は何を買えば良いかわからない。専門店に行くのは敷居が高い。今年のバレンタインはいつもと違うものを食べてみたいと思っている人に読んでほしいです。もちろん既にチョコレートマニアな同士にも!

思わず一瞬目を止めてしまうような、そんなチョコレート菓子のはなし。こんなチョコレートもあるのだと知ってもらいたいので、気になる方はちょっと聞いていって〜!ください!


過去にも国内ブランドのチョコレートを紹介する記事を書いています。よろしければこちらもどうぞ〜。




チョコ×国産食材、和菓子職人etc……ちょっと風変わりなチョコレート菓子たち


東京在住の人間が実店舗を訪れたり、催事などのイベントごとで購入した商品です。オンライン通販をしている商品もありますが、現在の販売状況はご確認くださいませ。




◯京都 亀屋良長 チョコレート小餅


亀屋良長のチョコレート小餅。これギモーブに例えられているのよく分かるんですが、これは完全に餅です。餅、です……!

ホワイトチョコとフランボワーズチョコの2種類入り

ゴツゴツしているし最初の噛み口カリッで半信半疑になるんだけど、伸び具合や舌へのまとわりつき方は完全に餅。メレンゲ配合の餅生地をチョコレートでコーティングした最高の和洋のコンビネーション。これどうにか通年で食べられませんか。食べたいよ……。(1月末に都内の全国銘菓を扱う百貨店で購入。通販もあり)



◯東京 suminoza マドレーヌ

チョコレートの祭典 サロンデュショコラにも出店しているnel craft chocolateから生まれたチョコレートを使った焼き菓子のお店。

使用しているチョコレートはnel craft chocolateでbean to bar(カカオ豆からチョコレートを作ること)で作られたもの。

チョコレートの焼き菓子屋というだけでもめずらしいけど、ここのマドレーヌも一風変わっている。というか、今までマドレーヌを自ら買うことがなかった私が、食べてるそばからまた食べたい!と思ったマドレーヌがある。

ほろっとしているのに、口の中ではしとーっと溶ける。チョコレート菓子屋だからチョコレート生地のおいしさもすごいのだけど、個人的には豊かなショコラの香りとともに、ずっとレモンの香りが浮遊してるのもすごく好きで。酸味とか強い香りを発しているわけではなく、レモンの精が舞っている感じ。

タブレットチョコ(板チョコ)やボンボンショコラ(中にソースやゼリーが入り2層構造となっているようなもの)は食べ慣れないという人はこういった焼き菓子から入るのも良いかもしれない。



◯沖縄 okinawa cacao 沖縄チョコレート(泡盛まるた、カラキ)

近年流行っていると言いますか、ユニークなフレーバーも増えてきたなという印象のタブレットチョコレート(板チョコ)

私もまだあまり馴染みがないタブレットだけど、面白い味のものや気になる味の掛け合わせのものは買うようにしています。


カラキの裏面。ブランドや食材のストーリーはいくらでも聞きたいので、こういう風に説明書きがあると嬉しくなります

okinawa cacaoは沖縄のbean to barチョコレートブランド。オンラインショップを見てもらえるとわかると思うのですが、青マンゴーや今帰仁スイカという東京じゃあまり見かけない沖縄の食材を使ったチョコレートが多いのです。

そう!せっかくの地方のチョコレートブランド。その土地の食材が食べたいのよ!と見つけた瞬間私は大興奮。一般的なタブレットとは違いチョコレートは片手でも割れるくらいの極薄で、気軽に食べられるのがうれしい。


泡盛まるたの試食をもらった時、お酒に弱い私は大丈夫だろうかと心配していたのだけど、チョコレートにする前のカカオ豆を泡盛に漬け込んでいて、アルコールは焙煎するときには飛んでいるそう。

お酒特有の喉にくる感じは全くなく、花をブーケで束ねたような華やかな発酵感。甘酒にも少し近いかもしれません。


カラキ=ニッケイ(シナモン)の一種であるオキナワニッケイ。個人的主観でいうと、イメージするシナモンの風味とはかなり離れていて、香りは野性的な官能さ、食べるとシナモン特有の風味に力強いハーブを足したような味わい。

好みは分かれそうだけど、ハーブやお酒の香りとひと癖ある味が好みな人はきっとすごくハマる味。私はすごく好きです。夜の一息つく時間に食べたいような、心がすーっと落ち着く味わい。

泡盛まるたもカラキもなかなかこれ!という味に例えるのが難しく、だからこそ好みが近そうであればぜひとも食べてみてほしい一品です。なかなか他では味わえ無さそうなフレーバー。

私はデコとボコのピースがハマるように、一口食べて購入を即決意しました。



◯北海道 SATURDAYS パンプキン&ニブス、レーズン

試食でいただいて一気ににんまり笑顔になったかぼちゃのチョコレート。

こういうフレーバーものって勝手に描いていた自分の理想の味とは違ったり、風味程度だったり……と中々食べてみないとわからないなあと思うのですが、SATURDAYSのこのチョコレートは言うなればかぼちゃサラダ。

北海道佐呂間町産のかぼちゃ(えびす、栗ゆたか、雪化粧)を使っているらしく、納得のかぼちゃのコクの深さ。

うーんこれはストレートなおいしさだ。うんま〜い。そこに香ばしさのカカオニブ、レーズンも入る。北海道のブランドならではの道産の食材を使っているのも推せますね。

こういう想像がしやすいストレートな味のものはコアなチョコレートに慣れていない人にもお勧めしやすそう。



◯東京 LA BASE de Chez Lui ましゅまろかかお

固めのチョココーティングを噛むと、ぷるしゅわのチョコマシュマロのお出ましだ〜!

パリッとしたチョコからのマシュマロたまにザクッとしたカカオニブ(カカオ豆を砕いたもの)その対比がクセになるのです。

量販店からチョコレート専門店までチョコがけマシュマロを製造するお店はあれど、中々シェリュイのような楕円形の形で作っているところはあまりないように思うのですが、この形状も私的にはヒットなのです。

薄かったり小粒だったりすると、もっとマシュマロ感を楽しみたいと思うこともあったのですが、楕円形だと口に頬張ることができる。満たされるのです。

甘さは控えめでカカオの風味が立つので、ちょっと特別なチョコマシュマロを食べてみたい大人の方に、ぜひ。


◯トモエサヴール 山椒を使ったカカオのメレンゲ

百貨店の催事販売や通販などを舞台にチョコレートの輸入販売をしているトモエサヴール。

毎回売り場に行くと壮観で、パッケージとフレーバー共に個性的な様々な国のタヴレットが並んでいます(私はついこの間ここの売り場からレモンオリーブオイルホワイトチョコを選びました)

ここのブランドがプロデュースした山椒とカカオのメレンゲ。和歌山県のフレンチレストラン、ナチュラルガーデンのブランド〈ラトリエナチュラル〉で製造されていて、同じく和歌山県のぶどう山椒とベトナムのカカオパウダー、カカオニブ(カカオ豆を砕いたもの)が使われたメレンゲです。

口に入れると山椒の爽やかな風がふわっと通り抜けていく。山椒のあのピリリとした刺激感はなく、爽やかさだけを残していくから不思議なものです。

合間にカカオニブを噛むと香ばしさもある。私自身お酒を飲まないから適当なことは言えないのですが、お酒を嗜む方なんかへの贈り物にも相性が良さそうだなと考えてみたり。袋がジップロックになって簡単に閉じられるのもかなり嬉しいポイントです。



◯静岡 菓子舗 間瀬 夏柑チョコ(ホワイト)

一口かじったら夏みかんの爽やかさ、心地いい苦味、それらが混ざり合ってひいては夏みかんの木と伊豆の海とー……と風土さえも感じるような風がきてそのあまりの鮮明さに泣きそうになった(風邪で療養中に開封したため本当にぴかぴかに光って見えたし、このおいしさは希望だと思った)

菓子舗 間瀬のお店があるのは静岡県。その伊豆の夏みかんを使っているというのだから、思わず買いたくなってしまう。

夏みかんピールの半分にはホワイトチョコがかかっていて、ホワイトチョコ越しの夏みかんを味わえるのもまた発見がある。普通のチョコ掛けがピールとのコントラストを楽しむものなら、ホワイトチョコだと段差なしに滑らかに移行する感じ。

ちなみにこの夏柑チョコはチョコ、ホワイトチョコの二種類がありますよ。

余談なのですが、この夏柑チョコは一箱に二袋分入っているんですよね(下の写真のもの×2つ)これ一袋に全部を入れることだってできるだろうに、適量を分けるという配慮が素敵だなあと思いまして……。しかもどちらにも商品名、賞味期限のシールが貼られているんですよね。

夏柑チョコのピールも含めて丁寧なお仕事をされるお店なのだなと一気に惚れこみました。次は絶対ぜったいに生菓子を食べたい。次に東京で生菓子の販売があるのは銀座三越の本若衆なのかなあ。


バレンタインシーズンにプッシュされるようなチョコレートもいいけど、ちょっと目線をずらすと個性が突出していてついつい気になってしまうチョコレート(菓子)がある。

中には和菓子屋だったり、あまり出回らない北海道や沖縄のお店だったり……と少し気がつきにくいものもあると思う。そんなチョコレート菓子に出会うたび、発見したぞ!巡り合うことができたぞ!とひとり静かに喜んでいたので、今回はそのお話を聞いてもらえてうれしいです。

バレンタインシーズンにのみ作られている期間限定のもの。通年置いてあるもの。まだまだ私の知らないお店も、知っているお店の知らないお菓子もあるのだと思うとその可能性に心が踊る。

これからも思考を固めず、手を伸ばし足を伸ばし!自分の目から見た光るチョコレート(菓子)と出会いたい。


この季節は世の未開拓のチョコレート菓子に出会える確率が最大に上がるとき。みなさまにとっての心躍るチョコレート(菓子)に巡り会えますように!


いいなと思ったら応援しよう!

eguchi
いただいたサポートは、大好きな街京都に再訪できるよう京都資金として貯えさせていただきます。その際はぜひ京都来訪noteを執筆したいと思います!