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# 植物図鑑 『実種編』

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この実、何の実、気になる実 実、種、の調査リポートです。
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2023年9月の記事一覧

鬼菱

鬼菱

鬼菱 (オニビシ)

フトモモ目、ミソハギ科、ヒシ属の一年生の
水生植物であり、浮葉植物となる。

この植物の実は冒頭の写真を見てお分かりの
通り、鋭い棘があり武器に使われてきたもの。

日本では忍者が追っ手からの追撃を逃れる為
地面へとばら撒いた撒菱(マキビシ)として
有名である。文字通りこの実を撒いただけで
一端の武器になったもの。

四方に飛び出た鋭い棘は、鋭く尖ってとても
固いものであり、

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酸模

酸模

酸模 (スカンポ)

ナデシコ目、タデ科、イタドリ属の多年生植物。

酸模 (スカンポ)の名前は、虎杖(イタドリ)の
別名である。その葉は口に含むととても酸っぱく
そこからの別称となっているもの。この葉っぱに
含まれるポリフェノールはダイエット効果があり
イタドリ茶は健康茶として流通している。

虎杖(イタドリ)の名称は、以前の記事にてこの
植物に含まれる薬効成分により、身体の痛み等を
とってくれ

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力芝

力芝

力芝 (チカラシバ)

イネ目、イネ科、サンキュラス属の多年生植物。

力芝の名の由来は、これを抜くのに労力を要する
事からのもので、地下に株を作ってこれが抜く時
すごい抵抗力となるからである。

穂先を近付き観察すると、単独で種が付いており
これが連なった形で形成され、種には複数の針状
の毛が多数生える。動物の毛などに付着して範囲
を広げるもので、人の衣服においてはセーター類
の目の荒いものに付

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大葈耳

大葈耳

大葈耳 (オオオナモミ)

キク目、キク科、オナモミ属の一年生植物。

引っ付き虫の名で呼ばれる植物の中では最も
普通に思い浮かぶのがこの植物となる。

この実に付いている無数の棘、この先端部分
がキュッと釣り針の様に曲がっている事から
我々の洋服や動物の体毛に取り憑いては遠方
へと運ばれる事によって、生息範囲を拡げる
戦略を持つ植物となる。

この種の引っ付く機構部分を分析、研究して
面ファスナ

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珊瑚樹

珊瑚樹

珊瑚樹 (サンゴジュ)

マツムシソウ目、ガマズミ科、ガマズミ属の
常緑高木である。

夏の真っ只中から秋にかけ、真っ赤で小さい
可愛らしい実が沢山なる。この実姿を珊瑚に
見立てて珊瑚樹(サンゴジュ)の名がつく。

私としては昔から南国のイメージがあったが
最近になって何処にでも生えている印象へと
変わった。実際にこの樹木の生息地域は本州
は関東以西の全域の海辺であり、近所の公園
や結婚式場などの

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蔓蟻通

蔓蟻通

蔓蟻通 (ツルアリドオシ)

リンドウ目、アカネ科、ツルアリドオシ属
多年生の蔓性植物であり山間部に自生する。

蔓性ではあるものだが、上へ伸びるパワーは
なく、地面を横に匍匐(ホフク)、もしくは
崖から吊り下がったカタチにとどまる。

開花時期は、6〜7月で花径は8mm程度の
白い花を必ず2個のセットで咲かせるもので
その基部は繋がっている。

夏の終わりには、その実が真っ赤に熟す姿は
目にも鮮

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いけばな 日本いけばな芸術展 2022

いけばな 日本いけばな芸術展 2022

いけばな展

昨年は、関西で行われたいけばな展に足を運んだ
のは、二回だけとなった。

その中でも、公益財団法人日本いけばな芸術協会
主催で行われた『日本いけばな芸術展 2022』
は、協会創立55周年を記念して行われたもので
参加している数は94流派、総勢で600名もの
作品が所狭しと並ぶ大規模展示ともなり、コロナ
真っ只中にも関わらず、もの凄い人だかりの会場
となったのであった。

そんな94

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PURPLE BEAUTY BERRY

PURPLE BEAUTY BERRY

小紫 (コムラサキ)

美しい紫の実から、パープル ビューティ ベリー
の洋名がついている。

夏も終わりを告げ、これからいよいよ色んな実や
種が見られる様になる。

このコムラサキはまだまだ、その実は熟しては
おらずに、紫色がまだ浅い。

私のは季節外れの記事もバンバン書くが、季節を
感じさせる記事も時折り、混ぜてのお届け。

和名 小紫 (コムラサキ)
洋名 パープル ビューティ ベリー
  

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荒地盗人萩

荒地盗人萩

荒地盗人萩 (アレチヌスビトハギ)

マメ目、マメ科、ヌスビトハギ属の多年生植物

この植物と私の出会いは、サバイバルゲームの
現場である。大人の遊びで実際にフィールド内
で、BB弾を撃ち合って敵兵総てを殲滅するか
敵陣のフラッグを倒すかで勝敗を決めるゲーム
であり、これには現役の自衛隊員や警察関連の
者もゲリラ動向のデータ収集の為に大規模大会
になら参加するものである。

フィールドのセーフティ

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加加阿

加加阿

加加阿 (カカオ)

アオイ目、アオイ科、カカオ属の常緑樹。

これの実から採れる種子はチョコレートや
ココアの原料となるもの。

ユニークな事に幹から花が直接生える事から
植物園の中でも人気が高く、子供達も大人も
この樹木を前にして、大いに盛り上がる。

学名テオプロマは『神の食べ物』の意味
チョコレートの原材料となるのがカカオであり
その樹高は4〜8mにもなる。上の方にも結構
いっぱい実が成る

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唐胡麻

唐胡麻

唐胡麻 (トウゴマ)

キントラノオ目、トウダイグサ科、トウゴマ属
の一年生、二年生、多年生植物となる。

第二次世界大戦下に於いて、有効な工業油抽出
の目的で、日本本土でも多くが植えられた歴史
を持つ植物である。

このトウゴマの実は、その楕円形状を覆う斑の
模様から学名、リシナス(RICINUS)が付き
これの意味は『ダニの様な』の意味である。

ダニに似たこのトウゴマの種にはアルカロイド

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LANTANA STANDARD

LANTANA STANDARD

ランタナ スタンダード
(LANTANA STANDARD)

和名、七変化 (シチヘンゲ)の名で呼ばれる
植物の中、一番スタンダードな混色の種類と
して可愛らしい印象を与えてくれるもの。

初めてこれを見た記憶は定かではなく、その
紫陽花にも似た花序の美しさに見惚れた記憶
がある。紫陽花と違うのは蕾の形が真四角で
ある事と、花が終わると美しい輝きを放った
ブルーメタリックの実が成る事である。

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