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大葈耳


大葈耳 (オオオナモミ)


キク目、キク科、オナモミ属の一年生植物。


引っ付き虫の名で呼ばれる植物の中では最も
普通に思い浮かぶのがこの植物となる。


この実に付いている無数の棘、この先端部分
がキュッと釣り針の様に曲がっている事から
我々の洋服や動物の体毛に取り憑いては遠方
へと運ばれる事によって、生息範囲を拡げる
戦略を持つ植物となる。


この種の引っ付く機構部分を分析、研究して
面ファスナーと呼ばれる発明品を生み出した
スイスの発明家のジョルジュ ド メストラル
氏は、たった一代で巨万の富を産み出した。
発明家はただそれを産み出しただけではダメ
であり、それをどうやったら上手く金儲けが
出来るかまでをきっちりシミュレーションを
する事が大切である。彼の場合は1948年
研究開始、1951年特許出願、1952年
スイスにベルクロ社を設立、1955年特許
認定がなされ、世界にこれを売って出た。



特許の種類は国内特許と、海外特許とがあり
世界に打って出る為には後者を展開しないと
あっという間に偽物が出回り、その国で先に
特許出願され認定されるとそこの国の販売権
を失ってしまう。でも、そんなもの各国特許
を取得するというのはとても難しい事となる。


では、発明家メストラル氏はどうやって世界
の各国に特許出願を成し得たかであるのだが
各国にそれぞれにライセンス契約を結んだ。
日本ではクラレが日本でのマジックテープの
販売権を得ると同時に、日本国内の特許出願
を代行して行った事になる。発明家の中には
このプロセスを誤ってしまうと、むざむざと
その技術を勝手に利用されてしまうのである。


私も3点ほど、特許出願が認定されているが
これは日本国内のマーケット向けに絞ってて
国内特許だけである。この発明は所属してる
企業に帰属するものであり、スズメの涙程度
の銭がチャリンと振り込まれる程度となる。


だが、これら特許というものを含め知的財産
と呼ばれるこれは発明そのものの権利を保護
してくれるものであり、的確なエリア特許を
押さえる事は企業としては重要なのである。


さて、植物に話を戻すとしよう。


オオオナモミは、北米を原産とする外来種で
あり、昭和初期に渡来したのを皮切りにして
全国にその勢力を広めた。その当時は野生の
生物も多くてオオオナモミが爆発的に拡がる
のを助けてくれたのである。日本には中国を
原産とするオナモミという小型植物があった
のだが、完全に勢力を北米のこれにより絶滅
危惧種へと追い込まれてしまったもの。私は
このオナモミは未だに未見となっている。


さてオオオナモミの方はどうなのかと言うと
大阪の一級河川である淀川、ここで季節毎に
定期的に刈りとられるゾーンには流石に見る
事は、全く出来ない。刈られた後に再び自生
するのは、刈られても刈られてもへこたれず
生えてくる強靭な植物ばかりで、強者だけが
生き残る。オオオナモミですらもこんなにも
頻繁に刈り込まれる防波堤フィールドの上に
生える元気はない。


ただ、河川敷の中の一画のフィールドだけは
草刈りが行われないゾーンがある。河川敷の
植物の生態系調査を行う為に手付かずのまま
に置いたままにしているものである。


オオオナモミは、ここにいけば必ず逢えると
いう場所を3箇所、私は確保している。もう
昔みたいにこれをばら撒いてくれる動物など
もういないのである。




和名 大葈耳 (オオオナモミ)
   大巻耳 (オオオナモミ)
洋名 クックルバー (COCKLEBUR)
学名 キサンチウム オリエンタレ
   (XANTHIUM ORIENTALE)
分類 キク目、キク科、オナモミ属
種類 一年生植物
草丈 60〜120cm
開花 晩夏〜初秋
花色 緑、
原産 北米
渡来 昭和初期
言葉 怠惰
   頑固
   粗暴
撮影 淀川河川敷

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