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鬼菱


鬼菱 (オニビシ)


フトモモ目、ミソハギ科、ヒシ属の一年生の
水生植物であり、浮葉植物となる。


この植物の実は冒頭の写真を見てお分かりの
通り、鋭い棘があり武器に使われてきたもの。


日本では忍者が追っ手からの追撃を逃れる為
地面へとばら撒いた撒菱(マキビシ)として
有名である。文字通りこの実を撒いただけで
一端の武器になったもの。


四方に飛び出た鋭い棘は、鋭く尖ってとても
固いものであり、戦国時代当時の国内の履物
では到底、この棘に対抗できるものではなく
これを踏んでしまった追っ手は追跡どころで
なかったであろう。


現在のスニーカーやマリンブーツやウレタン
発泡シューズと薄底や素材の柔らかい履物は
この棘は貫通するやも知れず、これの群生地
では気をつけなければである。


学名につくラテン語の『トラパ ナタンス』
も『敵兵の追撃を阻む棘のある鉄製の武器』
の意味が、その語源となっている。


原産となる中国は、その実の形が菱型である
事から、この植物に『菱』と名付けた。


川などの流水ではなく、沼や池や湖と流れの
ない水場に自生する植物で、葉柄の根元には
膨らみがあってこの部分はスポンジ状にエア
を含んでおり水面に浮く構造となっている。




葉柄はセンターから放射状に拡がり、互いに
干渉し合わない配置となっていてその配列は
とても美しい。


武器にもなる実だが、これは食料にもなる。
生食でも食べる事ができ、味は栗(クリ)の
それに似ているのだそうである。



例年は、毎年訪れる福井県三方郡の三方湖に
この植物がわんさかと生えているのだが今年
は一本も生えていなかった。旅館の人も何故
かしらねと首を傾げておられた。


実だけの掲載の理由はその為なのである。




和名 鬼菱 (オニビシ)
洋名 ウォーターチェストナット
   (WATER CHESTNUT)
学名 トラパ ナタンス
   (TRAPA NATANS)
分類 フトモモ目、ミソハギ科、ヒシ属
種類 一年生水草
   浮葉植物
草丈 350〜450cm
開花 夏〜秋
原産 中国、インド
言葉 夢の様な出来事
   秘めた思い
撮影 彩かさね
   福井県三方郡、三方湖前の温泉旅館




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