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# 植物図鑑 『花姿編』

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開花の写真をセレクトし、ここに掲載しています。
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雲居鶴

雲居鶴

雲居鶴 (クモイヅル)

アジサイ科、アジサイ属、ヤマアジサイ種

伊豆半島を原産とするヤマアジサイをベースと
して生まれた品種で、園芸品種ではなく自然が
生み出した美しいもの。

元々は、伊豆ノ紫風(イズノシフウ)という名
だったが、農林水産省に正式品種登録された
名がタイトルにした名称である。

大型ながら風通しの良い姿の淡青色の装飾花が
とても涼しげで美しく、両性花の青との対比も
素敵な紫陽

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宮城ノ萩

宮城ノ萩

宮城ノ萩 (ミヤギノハギ)

マメ目、マメ科、ハギ属、ミヤギノハギ種

アジサイの季節がそろそろ終わる頃になり
小さな蝶形の花を、紫紅色に咲かせるのが
この宮城ノ萩(ミヤギノハギ)で、秋の七草
のひとつに数えられているもの。

宮城ノ萩という名には、宮城県に最も多く
咲くものだからという説があり、宮城県の
県花にもなっている。

大阪の豊中市には、東光院という萩の花の
名所があり、今年はそのリポー

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トテモ 美味ナル蜜 此処ニアリ〼

トテモ 美味ナル蜜 此処ニアリ〼

トテモ 美味ナル蜜 此処ニアリ〼

紫陽花(アジサイ)から、花蜜を求めてくる
虫達に向け、当たり前に文字ではない乍らも
広告宣伝する為のメッセージこそが額紫陽花
(ガクアジサイ)となる訳で、その広告塔が
装飾花(ソウショクカ)と呼ばれるもの。

この装飾花は虫寄せの広告塔の役割を果たす
だけのもので、花蜜もなければ、受粉機能も
持っていない中性花となっている。

紫陽花の受粉が可能な花は、真ん中に

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祇園祭、天神祭に飾られる花

祇園祭、天神祭に飾られる花

檜扇 (ヒオウギ)

キジカクシ目、アヤメ科、アヤメ属、

多年生植物

本州、四国、九州の地域の山間部に自生する
もので、六枚花弁のその花は、黄、橙、赤の
混色に彩られたとても美しい花である。

派手なこの花は特に関西にて人気があるもので
切花などで流通する他には、大阪では天神祭に
京都では祇園祭の期間中には、床の間や玄関に
魔除け、厄除け、としてこの花を飾るものと
されてきた。

では、なんで

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糊空木

糊空木

糊空木 (ノリウツギ)

ミズキ目、アジサイ科、アジサイ属、

アジサイの仲間に数えられる中で最も高い位置
に花を咲かせるのが糊空木(ノリウツギ)。

その高さは最大で7mの高さまでになるもの。
今回の神戸市立森林植物園にて撮影したもので
高さは4〜5m程になる。

この植物の樹皮から採れる粘液成分から製紙用
の糊として利用されてきた事や、この植物の
茎と根が空洞の構造となっているのを利用し
煙管

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姥百合

姥百合

姥百合(ウバユリ)

ユリ目、ユリ科、ウバユリ属、ウバユリ種

日本では本州は関東以西から九州までの地域
の山林部に自生する植物である。

草丈は1m程になり、7〜8月に淡緑色の花
を咲かせる。開花時期を前に『葉』が次々と
抜け落ちる様を、『歯』が落ちてく喩えとし
姥(ウバ)を持ってきているのは、今の時代
には合っていないネーミングセンスである。

片や、洋名では落ちてしまう『葉の形』から
ハート

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DARK ANGEL

DARK ANGEL

ダークエンジェル
(DARK ANGEL)

欧米など海外で人気の高い園芸品種のアジサイ
が、ブラックダイヤモンドシリーズのもの。

その葉は日本のものと大きく違うのは外周部が
黒く縁取られていて、ブラックダイヤモンドの
園芸品種の特徴となっている。

撮影した花は、桃色と紫色が絶妙な混色編成と
なっているもので、欧米諸国好みなカラフルさ
がありながらも、全体にまとまり上品な印象も
受けるものとな

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蜜柑葉額紫陽花

蜜柑葉額紫陽花

蜜柑葉額紫陽花
(ミカンバガクアジサイ)

額紫陽花(ガクアジサイ)の品種の仲間。
伊豆半島で見つかったものである。

この品種の葉は、一般的なアジサイの葉に特有
の鋸歯がなく、そのエッジは真っ直ぐに仕上り
葉の表面には光沢が見られ、蜜柑(ミカン)の
葉にその特徴が似る事からこの名が付く。

アジサイの仲間にも、リーフデザインが色々と
ありコレクターにも人気がある。

ただ、花季以外にはこれが何

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星組

星組

星組 (ホシグミ)

三室戸寺の中、多くある紫陽花の中にあって
際立って美しかった紫陽花のひとつ。

お寺の中の紫陽花ゆえ、品種を示す札はなく
それでは勿体無いと品種を調べての掲載。

八重咲の花弁の多さから、星咲となる事から
この園芸品種名が付いた紫陽花となる。

赤み掛かった紫色に、白い覆輪が入っており
上品な佇まいを見せる。

和名 八重咲紫陽花
   (ヤエザキアジサイ)
洋名 ハイドラン

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HYDRANGEA ARBORESCENS

HYDRANGEA ARBORESCENS

アナベルの原種のアジサイ

ハイドランジア アルボレッセンス
(HYDRANGEA ARBORESCENS)

ミズキ目、アジサイ科、アジサイ属

紫陽花の中、純白の花を咲かせる事で人気の
高いアナベルの原種となるのがこの紫陽花。

アメリカを原産とし、周囲を装飾花が囲んで
その真ん中には小さな両性花が沢山並ぶ清楚
な印象を与えてくれるアジサイとなっている。

これをベースとして交配を重ねて作られ

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御多福紫陽花

御多福紫陽花

御多福紫陽花
(オタフクアジサイ)

ミズキ目、アジサイ科、アジサイ属

花が器状にそり返った形が可愛らしい紫陽花の
品種のひとつ。一般に渦紫陽花(ウズアジサイ)
と呼ばれるものとなる。

このウズアジサイの中でも花の色が青色傾向の
これらは御多福紫陽花(オタフクアジサイ)の
名前でも呼ばれている。

花弁の弾けた様子の見た目からポップコーンの
名称もある。

この紫陽花の色は、昭和時代の赤ん坊向

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正木

正木

正木 (マサキ)

ニシキギ目、ニシキギ科、ニシキギ属

日本固有種の常緑低木で、葉の美しさから
公共施設や公園の垣根などにも利用される。

家の近所の高校の植木として植っていたのを
花が咲いていたのを撮影。

3タテで、ニシキギの系列なのを再認識する。
地味な花の雰囲気は確かに似ている。

和名 柾 (マサキ)
   正木 (マサキ)
洋名 ジャパニーズ スピンドル
   (JAPANESE S

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蟻ノ火吹

蟻ノ火吹

蟻ノ火吹(アリノヒフキ)

キク目、キキョウ科、キキョウ属

梅雨の時期辺りから長く秋まで咲く植物で
秋の七草にも数えられるキキョウである。

以前の記事でも書いた通り、雄蕊についている
花粉が枯渇したのを見届けてから、ゆっくりと
雌蕊が開いて五裂し、受粉体制が整うもの。

同じ花の雄蕊と雌蕊による受粉には成らぬ為に
花粉放散時期と、受粉体制時期とを完全に分け
自己受粉を避けたこの植物の知恵と呼べ

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白鳥

白鳥

白鳥 (ハクチョウ)

山紫陽花(ヤマアジサイ)の品種の中で純白
の花をつけるもの。

装飾花(中性花)の八重咲が美しく、両性花
にも八重咲が混じる特徴をもっている。

八重咲のその段数を数えてみると、七段に
近いものもあり、その名の付く七段花より
七段花の名に近いヤマアジサイである。

花弁が幾重にも重なり、星型八重咲の純白
の花は清楚さと華やかさ両方を兼ね備えた
逸品と云えるものである。

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