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夫婦インタビューで、パートナーをもっと知っていく

まもなく妻と僕の5回目の結婚記念日がやってきます。地元の喫茶店で出会い、交際4か月で入籍。その後は僕の仕事がうまくいかなくてお金がピンチになったり、産後にゴタゴタしたりとジェットコースターのような結婚生活を送ってきました。妻と一緒にいるのは楽しいし、ずっと一緒にいたい。そう思える素敵な女性です。

いまでも思うけど、生まれも育ちも何もかも違う人間と一緒に暮らすって、とてもハード。自分の当たり前が、相手にとってそうじゃない。同じ景色を見ているのに、感じ方が全然違っていて驚くことばかりです。

そんな2人が仲良くいるためには、「自分は何を思い」「何を感じ」「どんなことに快・不快を感じるのか」について話し合うことが大切だと妻も僕も信じています。

なんだ、たかが話し合いかと思うかもしれませんが、夫婦に限らず友人でも職場の人でも、異なる考えや価値観を持った人同士が協調するには、相手を知ることは必要だと思うんです。

妻と僕が普段からやっている、話し合い方ついてnoteに書いてみます。

衛生観念に金銭感覚、時間の使い方、なんでこんなに違うの?

交際後1か月経って、僕らは同棲をスタートしました。大好きな人との生活は楽しい反面、予想もしない面倒くささもありました。

僕らで顕著だったのは、衛生観念の違いでした。僕は布団以外は足の踏み場もない汚部屋で暮らしていたので、雑然とした空間でも平気なタイプでした。一方で妻はホテルのように整った住空間が好み。初めて妻の部屋に行ったときには、室内にモノが少なく整然としていて驚きました。僕の汚部屋と違って、空気が澄んでいました。

僕は綺麗に使っているつもりでも、妻からは「なんでそんなに汚すの?」と突っ込まれてしまう。そう言われても、僕にはどこが汚いのはさっぱりわからなかった。同棲当初は、ずいぶんとぶつかりました。

ほかにも驚いたのが、距離感覚でした。僕にとって片道30分は「近い」と感じるのですが、妻にとっての「近い」は歩いて1分。同じ「近い」という言葉なのに、こんなにも感覚がずれている。

特に記憶に残っているものとして衛生観念と距離感覚を挙げましたが、ほかにも時間の使い方、洗濯機を回すタイミング、トイレに専用スリッパを置くかどうか、料理の温度、休日の過ごし方、服装選びなどたくさんのぶつかりポイントがありました。

違いに直面するたびにイライラすると一緒に生活するのが嫌になってきます。そんな毎日が続いたらストレスですからね。最初は大好きで共同生活をスタートしたのに、だんだんと不仲になる要因って、自分の常識と相手の常識が違うことを腹落ちできていないからではないかと思うんです。

正面衝突はありだけど、メンタルがやられる

当時は価値観の違いを「正面衝突」でわかり合おうとしていました。

「僕はこう思わない!」
「私はそう思わない!」
「僕はこれが嫌いだから、こうして!」
「私はそれが嫌いだから、やめて!」

こんなやりとりが続きました。

すっごくポジティブにとらえればですが、「もうこの人には何を言ってもしかたない」と諦めてしまうより、正面衝突した方がましでした。一応は話し合っているわけですから。入籍直後は妻と一日中一緒に過ごしていて、この時期にたくさんぶつかり合ったのは現在の話し合い体質の礎になった面はあります。

とはいえ、メンタルが消耗するやり方でした。相手の好みや反応の傾向を衝突を繰り返すことによって知るって、つらい。もっと建設的なアプローチをとる方がいいですよね。

雨を嫌と感じる人もいれば、嬉しく思う人もいる

僕らは不器用でかなりぶつかり合ったけど、妻の考え方に触れてから話し合いのストレスがなくなってきました。

妻は日頃から、「人って、みんな違う辞書を持っている」とよく言います。どういうことかというと、育ってきた環境によって人はある事象についての解釈を固定化してしまい、それ以外の理解を示しにくくなる、という意味です。

わかりやすいように「雨」を例にとります。ある人にとっては、雨はうっとうしいもの、不快なものと感じると思います。濡れるし、傘が必要で荷物は増えます。でも別の人にとっては、嬉しいものだと感じることもありますよね。タクシー運転手さんだったら、売上が伸びるかも!と前向きになるかもしれません。

つまり、その人の辞書で雨を引くと、「嫌なもの」と書かれている人もいれば、「嬉しいもの」と書かれている人がいる、ということ。何が正解か、不正解かではなくて、解釈の仕方が違うだけなんです。

僕もそうなんですが、どうも自分の辞書に書かれたことを揺るぎない正解とか常識に感じてしまい、相手に押し付けてしまうことがあります。前述の「近さ」の感覚の違いもそうですね。

毎日一緒に暮らすパートナーだと、ついつい「言わなくてもわかってくれる」「相手は自分と同じように感じているだろう」と思い込んでしまい、価値観を押し付けてしまいかねません。「自分の考えは正しいんだ!!」と言われて、快く思う人は少ないはず。これが続くと、夫婦仲が悪くなってしまいます。

「どう思うの?」とシンプルに問いかける

そこで僕らがしているのは、夫婦インタビューです。

僕はライターという仕事柄たくさんの人に取材をします。インタビューでは相手の発言に対して、「それはどういう意味ですか?「なぜそう思われるのですか?」というふうに、深掘りをしていきます。同じことを夫婦でしようという試みです。

「よし、やるぞ!」と身構えるのではなくて、価値観が違うなと感じたときに軽く聞いてみる感じです。たとえば、僕は「近い」と思って片道30分の場所にあるカフェに妻を誘ったけど、妻は「遠い」と感じて別のお店にしたいと言われたケース。

「僕は片道30分は近いと思っているんだ。最寄駅までバスで20分かかる場所に住んでいたから、通学も通勤も1時間は当たり前だったからね。あなたにとっての近いは何分くらいか教えて欲しいな」

と聞くだけ。

妻の場合は、目的地が「目の前」だと近いですが、徒歩5分は「ちょっと歩くなぁ」と感じることがわかりました。ちょっとしたことですが、この質問のおかげでお互いの距離感覚がわかりました。僕はできるだけ近場のお店を提案するようになったし、所要時間を伝えるときには「歩いて10分」「バスで15分」のように数字で言うようにしました。

夫婦インタビュー大切なのは、責めないことと理解できなくてもいいと思うこと。「なんでそうなの?」「なんでこうしてくれなかったの?」と聞いてしまうと、相手のアクションを否定したように聞こえてしまう。それに、これまで過ごした環境が違うわけですから、自分と違う感覚を持っていて当たり前です。自分と同じ価値観を持っているはずだ、持っているべきだと期待するとイライラしてしまう。

相手がどう思っているのかを知れれば、それで目的は達成です!

シンプルだけど、すっごく役立つ夫婦インタビュー。人生のパートナーとして、息子を育てていくチームメンバーとして、これからもお互いに質問をしていこうと思います。

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