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読書感想文 誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命 森岡毅著

リーダーシップは先天的なスキルか?

著者曰く、リーダーシップは持って生まれた資質ではない。誰もが後天的に身に着けることのできるスキルだ。
リーダーシップを身に着けることによって、あなたが望んでいるいろいろなことが実現できるようになる。
著者の実体験を交えながら紹介されている。


以下は、わたしの完全に恣意的な解釈となるが、本書で著者がなによりも伝えたかったのは、後半部分に書かれていたコロナ禍における国や自治体の取り組み方、姿勢、そして、思考停止に陥ってしまうことへの危険性をわたしたちに伝えたかったのではないかと思った。


コロナ禍当初、休業しないパチンコ店が槍玉に挙げられた。
世間やマスコミ、自治体はパチンコ店を糾弾したものの、ほんとうに感染リスクが高い場所だったのであろうか。
検証が必要であるにも関わらず、だれも反省しないし、振り返らない。


また、こんなエピソードも紹介されている。
著者がUSJに在籍していた当時、JRとのやり取りだ。
JRは大雨や台風になると、すぐに運休を発表する。
どうして、すぐに運休するのか。
人々の安全を守るため。
安全は大切。その点に関しては、テーマパークの運営に携わっていた著者だからこそ、当然ながら大いに賛同している。

しかしながら運休を発表する前に、やるべきことがあったのではないか。
取り組むべきは、大雨や災害に耐えうる環境づくり、例えば、土砂崩れが起きると線路が寸断される場所の災害対策、風で停電しない電線づくりなど、やるべきことはいくらでもある。

単に運休を発表することは思考停止に陥っているだけ。

対して、著者が在籍していた当時のUSJでは、一度も休館をしなかった。
なぜなら、来園してくれるお客さんからすれば、その一日が一生に一度だったかもしれないから。
USJの目的は、楽しさをみんなに届けること。
第一の目的達成のために考え抜き、出来る限りの対策をして運営してきた。

オリンピックだってそう。
コロナ禍だから短絡的に中止に傾くのではなく、開催できる方法はないか、全員で考え妥協点や解決策を探すことが大切なのではないか。

0か100かという画一的な二元論ではない、考え抜いた解決策を探ることが大切だと

私は、この本を読んで、そんなメッセージを受け取った。

森岡氏らしく熱意のこもった本だった。

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