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読書感想文、テレビ映画の感想

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2021年1月の記事一覧

読書感想文 Third Way(サードウェイ) 第3の道のつくり方 山口絵理子著

本書を読んだのは、1年以上前だ。 とても感銘を受けて、山口さんが出していた過去の書籍はすべて読んだ。 そして、2か月ほど前にはマザーハウスでバッグを購入した。 この本を読んでから、新しいバッグを買うときは絶対マザーハウスで買おうと決めていた。 この本を読んだ当時、他サイトでレビューもしたが、 読んだ感想は、素晴らしいの一言。 今まで読んできた経営者によって書かれた本のなかでベストじゃないかと思わせるくらい読み応えがあった。 経営をしていくなかで心がけていること「二項対立

アニマルスピリット

分からないことは誰に聞くのがベストなのだろうか。 以前、読んだ本の中に興味深い実験結果が紹介されていた。 アニマルスピリット アカロフ/シラー著 本書の内容は、マクロ経済学では取り上げられることのない人間の心理状態などを加味することで、現実の経済の変動を解明しようと試みた本。 タイトルのアニマルスピリットはケインズが自著の中で使った言葉。 本書では、合理的ではない人間の行動・性向をアニマルスピリットと呼んでいる。 安心感、公平感、腐敗、物語性、貨幣錯覚などがそれに該当する

読書感想文 論語と算盤 渋沢栄一

「渋沢栄一」 名前はよく聞くが、何を成し遂げた人なのかほとんど知らなかった。 江戸時代から明治維新へと至る経済成長まっしぐらの怒涛の時代を生き抜いた実業家である。 タイトルにある「論語」は中国の思想家である孔子の著書。 「論語」は道徳論について書かれた本である。 「論語と算盤」本書のタイトルの由来は、以下のようなもの。 🔹経済成長を目指し、私利私欲のために己の利己心だけで動く人間が多かった当時の日本(=算盤)では、道徳意識を大切にし(=論語)、人格を磨くことが大切ではな

読書感想文 ビジネスの未来 山口周著

山口周氏の本は、相変わらず論旨がしっかりしているため、読み進めやすく、分かりやすい。 備忘録的に以下要約をしてみた。 資本主義は終焉する。 物質を求める資本主義は限界に近づきつつある。 戦後圧倒的な高度経済成長を達成した日本は、資本主義の限界に直面する早い国の一つ。 途上国を含めても、世界的な経済成長が続くことは考えられない。 直近の過去数十年が異常な状態であった。 IT革命によって、イノベーションは起きたが、GDPは増加していない。 なぜなら、パイを奪い合っただけだか

読書感想文 誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命 森岡毅著

リーダーシップは先天的なスキルか? 著者曰く、リーダーシップは持って生まれた資質ではない。誰もが後天的に身に着けることのできるスキルだ。 リーダーシップを身に着けることによって、あなたが望んでいるいろいろなことが実現できるようになる。 著者の実体験を交えながら紹介されている。 以下は、わたしの完全に恣意的な解釈となるが、本書で著者がなによりも伝えたかったのは、後半部分に書かれていたコロナ禍における国や自治体の取り組み方、姿勢、そして、思考停止に陥ってしまうことへの危険性を

読書感想文 コロナと潜水服 奥田英朗著

奥田英朗の本はすべて読んでいると思う。 彼の作品のどういった部分が、魅力なのだろうか。 彼の小説は時間を忘れて読んでしまうことが多いのだ。 つまり、それほど面白いということ。 わたしは、月に1冊程度小説を読むが、読んで面白かったなーと思える小説は、正直言ってあんまりない。 これは、おそらく自分自身の問題で、感情移入が苦手だからだと思う。 そんなわたしが読んだ「コロナと潜水服」の感想。 面白かった! もっと正確に言うと、声を出して笑えるくらいに面白かった。 笑える。そ

読書感想文 罪の轍

奥田英朗さんの長編小説。 「吉展(よしのぶ)ちゃん事件」という実際に起きた事件をモチーフにして作られているようだ。 小説の舞台は、東京オリンピックを目前に控えた日本。 主人公は貧しい生活を強いられながら北海道で育った青年。 この青年が東京に上京し、いろいろな出来事に巻き込まれ、事件を起こすことによって、日本全国を揺るがすニュース犯罪へと展開が広がっていく。 読んで感じたことは、小説の舞台は約50年前の出来事だが、人間模様やマスコミ、国民の反応などが現在となんら変わってな

読書感想文 スマホ脳

スマホが私たちを夢中にさせる理由 スマホは人間の欲望、原始的な性質をうまく利用して中毒にさせる装置である。 スマホを使い続けると、私たちの脳にどのような影響が出るのか。 本書では、多くの科学的研究結果が紹介され、恐ろしき弊害が指摘されている。 なんとなく、スマホに依存しすぎることはよくないのだろうなーとは思っていたが、本書を読むと真剣にスマホの使い方を改めようと思った。 古来から人間は、危険予知能力を磨いてきた。なぜなら、原始時代では、いつ敵が襲ってくるかも分からないか