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読書感想文、テレビ映画の感想

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記事一覧

書評 喋らなければ負けだよ 古舘伊知郎著

一般的なノウハウ本と違うところ。 古舘伊知郎さんの実体験をメインに会話術を紹介している点。 若かりし頃のエピソードトークが面白かった。 特に恋人との別れや口説き方など。 相手の女性のほうがつねに格上なのだが、著者はそれがわからずきざなセリフや自分を傷つけないための別れの切り出し方などをやってしまう。 失敗談が多いところが読んでて飽きないのかも。 喋るというのは相手ありきだという事実を、この本を読むことで改めて実感できる。 ポイントを要約してみた。 一対一の場面面接でも謝

書評 見抜く力 佐藤優著

雑誌プレジデントで掲載された対談を収録している。 独自の理念を持つ企業経営者、人材の育成に尽力する大学の学長、最先端分野に携わる研究者など、一級の人との対談をもとに彼らの独自の目、見抜く力が象徴的に現れた言葉を抜き出して紹介している。 対談の収録にとどまらず、著者の見解もふんだんに盛り込まれているため、読み応えがあった。 新聞では読めないであろう物事の見方を得ることができると感じた。 例えば、 電気自動車の普及が国際テロリズムとの戦いにおいて大きく貢献すると書かれてい

山口拓郎さんが書いた文章術系本を読んでのまとめ

山口拓郎さんの著書を合計4冊を読みました。 参考にしたいなーと思ったところを自分なりに例えを織り交ぜながら、紹介してみます。 切り口を工夫する。(独自の切り口があるからこそ、あなたが書く意味がある。)確かにそうですよね。 書く人によってそれぞれの切り口があるはず。 例えば、チャーハンについて記事を書く場合、どのような切り口があるかというと チャーハンについて ・お母さんが作ってくれたチャーハンについて ・餃子の王将とバーミヤンのチャーハンはどちらがおいしいか ・血糖値の

千利休-日本でイノベーションを起こした歴史上の偉大な人物

日本人なら多くの人がその名を聞いたことはあろう「千利休」 彼の一般的なイメージは、「お茶の人」、「禅の人」そんな感じであろうか。 千利休は、 日本でイノベーションを起こした歴史上の偉大な人物。 と思う。 この本は、利休の弟子からの伝聞や残された書物に基づいて、利休の思想、考えを解説している。 なお、利休自身が著した書は存在しない。 逸話として残されているエピソードで印象に残ったもの 路地の落ち葉拾いをすべてした後に、木を揺らし落ち葉を落とした。 その状態で掃除が終わっ

もうは、まだなり。まだは、もうなり。

相場の格言である。 是川銀蔵著「相場師一代」を読んで初めてこの格言を知った。 是川銀蔵とはどんな人物か。 「相場師一代」を読んでみた。 株で大儲けした人物。 だが、単に株で儲けただけの人ではない。 経営者としての一面もあり、才覚、貪欲さがずば抜けている。 若いころは単身満州へ出向き、商売をしていた。 また、徴兵されることは日本の国益を損なうと考えて、あらゆる手を尽くして、徴兵を逃れたりもしていた。 目的に向かって突き進む姿勢が半端じゃない。 やっていることがぶっ飛び

自分の頭で考えるとはどういうことなんだろう

自分の頭で考えるとはどういうことか。 ヤマト運輸の元社長小倉昌男著「経営学」にひとつの答えが書かれていた。 小倉昌男は、B toB事業がメインだったヤマト運輸をBtoCである宅配便事業へ一大転換し成功させた人物。 転換を図ったのは、決して前向きな理由ではなかった。 そうせざるを得ないほど、経営が圧迫されていたためである。 長距離幹線輸送に乗り遅れ、商業宅配では、荷主から散々な目にあわされ、 そんなときに、アメリカにってFedexの事業を見て、日本でもおなじようなことができ

仕事をつくる 安藤忠雄著

タイトルに惹かれてAmazonで購入。 仕事をつくるってどんなことをされてきたのだろうと思って読んでみた。 仕事をつくるとは、応募すること が数ある答えの中のひとつとして本書では記されている。 応募する例としてこんなエピソードが掲載されている。 そもそも公募すらされていない大坂の中央公会堂の改修案を出した。 応募のきっかけは、改修する計画が湧き上がっているという噂を聞いただけ。 相手にもされなかったが、それを見た企業の重役が訪ねてきて、別の仕事を依頼してきた。 とい

読書感想文 損する結婚 儲かる離婚

結婚をする理由は?と問われれば何と答える方が多いだろうか。 愛、経済面、世間体、子供がほしい、精神的な安定・・・・。 経済的な安定を手に入れたいから結婚しました。と大っぴらに語る人は少ないかもしれない。 本書は結婚と離婚について、主に経済的な観点から解説した本。 以下のような結婚と離婚にまつわるからくり、原因、仕組みを知ることができる。 ・フェイスブックCEOのマークザッカーバーグが会社を上場してから、結婚した理由(著者の推測)。 ・同居と別居は、法律上大きく違う。 ・

読書感想文 人間における勝負の研究 米長邦雄著

米長邦雄さんはきっと柔軟性があり、器の大きい人。 本書を読んでそう思った。 この本を読もうと思ったきっかけは、 困難な局面で勝負師はどのような決断を下しているのか、 普段の意思決定をするうえで参考になる部分があるのではないかと思ったから。 内容は将棋の世界での勝負だけでなく、 人生全般について書かれており、 将棋に詳しかろうが、疎かろうが読む人を選ばないはず。 タイトルに「人間における」というフレーズがつけられているのもそういう所以であろう。 実際、わたしもはさみ将棋

読書感想文 光媒の花 道尾秀介著

数年ぶりに読み返した。 やっぱし面白い。 この作品もは第23回(2010年)山本周五郎賞受賞作品。 山本周五郎賞を受賞した作品ははずれが少ないと勝手に感じている。 短編であり群像劇的な物語構成で作られている。 一番印象に残ってる作品は、「隠れ鬼」。 母親の認知症に対して、なんの感情も抱いておらず、淡々と介護をしながら生活をしている息子。 だが、息子は過去に起こした凄惨な事件をずっと胸に抱えて生きており、過去の出来事が徐々に明らかになってくる構成は素晴らしい。 読むに

読書感想文 10倍速く書ける 超スピード文章術

人生で一度も締め切りを遅らせたことがない著者がメソッドを紹介。 わたし自身は文章術の本は何冊も購入してきた。 だが、一向に上達しない。 しかし、この本の内容が一番腑に落ちる。 要約をしてみた。 書くためには準備が非常に大切である準備とは素材集めのことで、日頃からなにかネタになることがないか探しておくこと。 例えば、授業参観の感想を書くことが決まっている場合、学校に到着した瞬間から校舎の環境や生徒の雰囲気、子供の体調など事前にチェック、目に入ったことを書き留めておくこと。

読書感想文 勝てる脳、負ける脳 一流アスリートの脳内で起きていること

いつ読んでもすばらしい。 示唆に富む内容だ。 一流アスリートの脳を分析した知見をまとめた書。 興味深い実験結果が数多く紹介されている。 一例として、好調時の選手がしばしば口にする「道具が身体の一部のように感じる」という感覚を神経レベルで解明しようとした実験を紹介してみたい。 受容野(ペリパーソナルスペース)の拡大について 受容野(ペリパーソナルスペース)とは、 一個体の外界で生じた刺激に対し、感覚処理系の細胞が反応できる空間範囲を指す。 それはあたかも、身体がシャボン

TSUTAYAで漫画を借りる

久々にTSUTAYAに行った。 以前は、CDをレンタルするために定期的に通っていたが、ストリーミングサービスが主流になってからは、通う回数がめっきり減った。 なんとなくふらーっと立ち寄ってみた。 漫画のレンタルコーナーを見る。 ドラゴン桜がドラマ化されるらしい。 漫画10巻をまとめてレンタル。 10巻で550円。 安いな。 TSUTAYAは安い。 早速読んでみる。 主人公桜木は弁護士だったんだーと初めて知る。 生徒を東大に合格させる目的は、自分の弁護士事務所のブランド

読書感想文 裸でも生きる 山口絵理子著

マザーハウス代表 山口絵理子さんの自伝。幼少時代からマザーハウス直営店を建てるまでが書かれている。 ゴーストライターは存在せず、まぎれもなく山口さん本人が書いた。 読んだ感想は、常人では考えられないバイタリティだなと思った。 いくつかのエピソードを紹介すると、 名門女子柔道校を倒すために、あえて男子柔道部しかない高校へ入学し、3年間身体がずたぼろになりながらも励んできた。毎日つけていた柔道日記は、悔し涙ではっきり見えなくなっていたほど。 途上国の現実を知るために、バング