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読書感想文 光媒の花 道尾秀介著

数年ぶりに読み返した。
やっぱし面白い。
この作品もは第23回(2010年)山本周五郎賞受賞作品。


山本周五郎賞を受賞した作品ははずれが少ないと勝手に感じている。


短編であり群像劇的な物語構成で作られている。

一番印象に残ってる作品は、「隠れ鬼」。

母親の認知症に対して、なんの感情も抱いておらず、淡々と介護をしながら生活をしている息子。
だが、息子は過去に起こした凄惨な事件をずっと胸に抱えて生きており、過去の出来事が徐々に明らかになってくる構成は素晴らしい。

読むにつれて、いたたまれなってくる。

物語全体を通して不思議な暗さに覆われている小説で、どの短編も素晴らしい出来だと思う。

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