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読書感想文 Third Way(サードウェイ) 第3の道のつくり方 山口絵理子著

本書を読んだのは、1年以上前だ。
とても感銘を受けて、山口さんが出していた過去の書籍はすべて読んだ。

そして、2か月ほど前にはマザーハウスでバッグを購入した。
この本を読んでから、新しいバッグを買うときは絶対マザーハウスで買おうと決めていた。

この本を読んだ当時、他サイトでレビューもしたが、
読んだ感想は、素晴らしいの一言。
今まで読んできた経営者によって書かれた本のなかでベストじゃないかと思わせるくらい読み応えがあった。


経営をしていくなかで心がけていること「二項対立を越えてお互いの良さをどう掛け合わせるか(=サードウェイ)」が、五つのテーマごとに書かれている。
思考法自体は真新しいものではないのだが、著者が現場を回り経営を行いながら実践してきたという事実と、心に訴えかける文章が非常に強いメッセージ性を持たせている。

サードウェイが実践できているのは、「途上国から世界に通用するブランドを作る」という壮大なビジョンがこの会社に根付いてるからだろうと感じた。
意見の対立があったときに、核となる優先事項を再確認することの大切さがわかる。

まさにそれが現れているなと感じた文章がこちら。
2019年の入社式での訓示で語ったもの。

働き始めてしばらくすると、きっと人間関係で悩むと思う。そう、100%、人間関係で悩むと断言します(笑)。でも、やっぱり最終的に仕事で何が大事かって、"ヒト"じゃないと私は思っています。

こんなことを経営者が言っちゃうのはちょっとまずいかもしれないけれど、私は悩んだときにはいつも"コト"に向き合ってきました。
店舗販売に配属されたのだとしたら、こういう"コト"。お店をどうしようか。サービスをどうしようか。今度のイベントではこんなことをやってみよう。

ヒトからコトへ目線を移して、アクションに意識を向けていくことがとても大事です。
私の経験を振り返っても、工場で少しでもいいものをつくろうと格闘しているときに、ヒトにとらわれると迷いが生まれる。『この素材を扱うことは、工場の皆にとって負担にならないかな。誰か不機嫌になっていないかな』なんて考え始めると、何もつくれなくなっちゃうんだよね

そして、こう続けた。

最終的に強い結束でみんなをまとめてくれるのは、コトです。
「美しいかどうか。つくりたいものをつくれているか」
というゴールです。
みんなの気持ちがコトに向かったときに、いろいろな部署を超えて、同じ夢を見られるようになる。


こういうことを言えるのは、理念・ビジョンがしっかりしているからこそだと思う。

応援したくなる方であり会社です。


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