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インタビュアー、「ライターさんです」って紹介されがち問題の解

どうするのが正解なのか分からなかった。
営業さんと同行して、営業さんのクライアント様取材などをするとき。

「こちらが本日担当していただくライターさんです」と紹介していただくことがほとんど。

自分はこの取材はインタビューだけで、ライティングは別の方がするんだよなーというとき。あなたは、何と言って返します…?


少し前までの私は、そのまま「はいよろしくお願いしますー」と、受け入れる形を取っていた。今日いただくお話は書かないけど、普段ライティングもしてるから、ライターで間違ってはないもんね。

でも徐々に、意識的に「お話お伺いします」とインタビューする部分強調して言いながら名刺交換させていただくようになった。でも、書きませんとは言えなかった。紹介してくれた営業さんの顔もつぶせないしね。

そして最近は取材前に「今回は別なライターさんにライティングをお任せするので、お話を録音して連携させていただきますね」と言うようにしている。「とても素敵な文章にまとてめくださるライターさんなんです」と付け加えて。


こう伝えるようになったのは、2024年になってから。きっかけは、忘年会。長くお付き合いしている、インタビュー音源のみで文字は1文字も納品したことがない企業の忘年会に混ぜていただいた。そこで、わたしの音源の受け取り手の方とおはなしすることができた。


わたしも音源から記事をつくる経験もしたことがあるけれど、どちらかというと苦手だなぁと感じている。動画ならまた別かもしれないけれど、声だけというのは本当に情報が限られる。何よりわたしは、自分が直接はなしを聞きたい欲がある。(ここ、もっと深堀たいなー)などと思っても、録音時ではそれもできない。いちばん楽しいごほうびを他の人に譲ってしまった感覚になる。これは寂しい。

何より、わたしはわたしの取材音源を何十本も何百本も聞いて文章にしていただくのに、申し訳ない思いが止まらない。自分は現場で納得したけれど、話は十分にいただけているか。取材時間が長引いた場合は、その分作業を多くしてしまう。すみません……加えて、わたしの声って聞き取りにくいんだと自覚している。自分の取材音源を聞いても音が聞き取れないことがある。メインで喋ることはないにせよ、おまかせするライターさんには負担になっているに違いない。

……と、いつもすみません直すところがあったら全部教えてくださいとお願いした。彼女は「いつも勉強になります、直すことろなんてありません!」と言ってくれた。女神なのかな。泣きそうになりながら、帰りの電車も、その後も時々思い出す。本当に、いつもいつもインタビューを綺麗にまとめてくださってありがとうございます。わたしのインタビューって記事化しやすいとは思わない進め方だから、綺麗にまとめてくださるの感謝しかありません。

音源の受け取り手が分かるようになったら、これまでの自分のライター/インタビュアー問題を曖昧にしておくのは良くないな、と考えるようになった。取材時に謙遜して「まとまらない話だけど、なんとか綺麗にまとめてください!」とおっしゃる方は多い。そこに「お預かりしたもので、魅力的に伝わるよう記事にまとめさせていただきます」と返していた。わたしがライティングまですると思ってくださっているのを否定するのは失礼だと思い、「社内で」のニュアンスを込めて返事していた。でもインタビュイーは「わたしが」と思って帰ったに違いない。その場だけうまく過ぎればいいというのは、各所に失礼だったと思い直す。


インタビューライターとまとめることも多いし、聞いた人が書くというのは多いので、インタビュアーとライターは同じものと捉えられることも多い。でも実際は、聴くスキルと書くスキルはまったくの別物。書くのが得意だからって、いいインタビューができるとは限らない。逆も然り。

そんなひとり葛藤を経て、最近のわたしは「インタビュアーです」と名乗っています。

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