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令和 4 年、高校 GIGA スクール構想はどうなる?実態と 1 人 1 台端末の整備状況は?
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令和 4 年、高校 GIGA スクール構想はどうなる?実態と 1 人 1 台端末の整備状況は?

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1 人 1 台端末と高速大容量の通信ネットワークの一体的な整備を中心とした「 GIGA スクール構想」は、2019 年度の補正予算を皮切りに、小・中学校の1 人 1 台端末環境をおおむね実現したといえる。

しかし高等学校においては、「GIGAスクール構想」が掲げる教育環境が十分に整っていない状況にあることをご存知だろうか。

令和 4 年 2 月に文部科学省が公開した「高等学校における学習者用コンピュータの整備状況について(令和 2 年度見込み)」には、公立高校における端末の整備状況が記載されている。その調査結果では、令和 4 年度の当初見込みで 1 人 1 台端末を実現している自治体が、21 都道府県に留まっていることが読み取れる。

引用元:『高等学校における学習者用コンピュータの整備状況について(令和4年度見込み)』令和4年2月 文部科学省初等中等教育局 修学支援・教材課(p2)


各自治体における公立高校学習用端末の整備が進んでいない状況を早期に解決すべく文部科学省は、2021 年 12 月 27 日、文部科学省初等中等教育局長から各都道府県教育委員会教育長などに通知を発出している。この通知には、令和 4 年度入学生から「情報Ⅰ」が必修になることも踏まえ、高等学校において 1 人 1 台端末を早急に整備することの必要性や、令和 3 年度補正予算に計上された「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の拡充 」を端末の調達に活用可能である点が示されている。

「 GIGA スクール構想における高等学校の学習者用コンピュータ端末の整備の促進について(通知)」

先の通知とともに、高校における1 人 1 台端末の早期実現が、国として必要であるというメッセージが、2022 年 1 月 11 日、文部科学大臣・デジタル大臣の連名で、発出されている。

「高等学校における 1 人 1 台端末の環境整備について(文部科学大臣・デジタル大臣からのメッセージ)」

このメッセージには、自治体レベルで端末導入のばらつきがある状態を是正すべきという教育関係者からの意見を踏まえ、1 人 1 台端末の環境整備に向けて、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用も含め国がフォローアップしていることなど、高校における1 人 1 台端末の早期実現に向けた国の対応が記載されている。

「GIGAスクール構想」で小・中学校の学習用端末の整備が進んだ一方で、高校での端末導入にばらつきが生じている要因とは何か。
その要因の一つとして、「GIGAスクール構想」には、高校における学習用端末 1 人 1 台の予算が計上されていないことにあると考えられる。新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用も示されている中で、高校における 1 人 1 台環境への今後の見込みはどうなるのか確認していきたい。

前出の「『高等学校における学習者用コンピュータの整備状況について(令和 4 年度見込み)』令和 4 年 2 月 文部科学省初等中等教育局 修学支援・教材課」を見ると、「令和 4 年度中に、すべての都道府県(政令指定都市含む)において、令和 4 年度 1 年生の 1 人 1 台環境整備が完了予定」と記載がある。つまり、今年度末2023 年 3 月まで)には、公立の高等学校の 1 年生は 1 人 1 台端末の整備が完了する見込みなのだ。

また、この調査結果には「令和 6 年度までに、学年進行による整備を進める自治体も含め、全学年の 1 人 1 台環境整備が完了予定」とも記載がある。これは令和 4 年度から令和 6 年度までと自治体ごとに 1 人 1 台の整備までの期間に幅はあるが、全学年、高校生1 人 1 台環境が整備されることを示すものであり、これまでの状況に比べれば大きな進歩と言えるだろう。

新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用は認められているものの、学習用端末の直接的な国からの予算対策が講じられていない状況において、今年度末(2022 年 3 月末)までに高校 1 年生の 1 人 1 台端末整備をどのように進めるのか。

こちらも前出の「『高等学校における学習者用コンピュータの整備状況について(令和 4 年度見込み)』令和 4 年 2 月 文部科学省初等中等教育局 修学支援・教材課」にある下記図表を見ると、令和 4 年( 2022 年)3 月までに整備見込みとしている自治体は、全てが設置者負担(公費整備分含む)で整備している。そういった状況に対し、令和 4 年( 2022 年)3 月までに整備見込みでないとする 28 自治体のうち 23 自治体は、保護者負担を原則とした自治体となっている。

引用元:『高等学校における学習者用コンピュータの整備状況について(令和4年度見込み)』令和4年2月 文部科学省初等中等教育局 修学支援・教材課(p3)


GIGAスクール構想 」での学習用端末の更新も含めて設置者負担ではなく、保護者負担という選択をしている自治体も少なくない。保護者負担という整備方針ではあるが、一部自治体の補助を含む 1 人 1 台整備に取り組んでいる自治体の例を見てみよう。

東京都は、全生徒数の 62.5%にあたる学習用端末を整備している。それらの端末の半分以上が「 BOYD 端末」と呼ばれる端末である。「 BOYD 端末」とは、「 Bring Your Own Device 」の略で、家庭から自分の端末を学校に持ち込み、教育活動に用いることを意味するものであるが、言い換えれば、保護者負担での端末整備のことである。ここで 2022 年 1 月に発行された2022年度の東京都の予算の内訳「令和 4 年度主要事業」を見てみたい。

東京都「令和 4 年度主要事業」
令和 4 年度都立高等学校及び都立中等教育学校後期課程入学者へのる端末購入支援金補助申請のご案内

予算資料 P252 の「 1 学力向上(1)給付型奨学金 」の項目の事業予算15 億 5,100 万円に「 都立高等学校等における 1 人 1 台端末整備に係る経費 」が含まれていることが分かる。この給付型奨学金によって、学習用端末の購入に際し、最大 3 万円の補助が得られる。

上記は東京都の例だが、広島県などにおいても自治体が学習用端末の導入に向けた支援制度を設けている。
小・中学校では、令和 4 年度が学習用端末の活用元年とも言われている中、多くの自治体では端末整備の財源等を含めた検討、整備が進むことを鑑みると、高校においては、まだまだ 1 人 1 台の導入元年という状況にあるのかもしれない。

広島県学びの変革環境充実奨学金について

このように公立高校における1 人 1 台端末整備の実態は、自治体ごとに異なる状況にあるが、「多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育 ICT 環境を実現する」という GIGA スクール構想の目的達成に向け、早期の対応が必要であることは間違いない。

株式会社エデュテクノロジーでは、ネットワーク構築支援や ICT ツール・備品の選定など ICT 環境の最適化を計る「環境デザイン」、実証事業や教員研修など指導力向上の支援を含めた「授業デザイン」、運用やセキュリティに対する「マニュアル設計」など、教育現場で ICT 機器が利活用されるためのサポートを提供している。高校 GIGA スクール構想についても、ICT 導入の支援はもちろん、働き方改革、業務・校務の効率化、教育 DX など幅広い分野で全国の自治体や学校をサポートしていきたいと考えている。


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