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遠隔オンライン授業vs授業動画配信、メリットとデメリット

緊急事態宣言が発令し、発令された都府県は、休校措置が取られ、約1ヶ月間学校での授業はできない状況になりました。そんな中、FacebookNewspicks、メディアなどでは、ZoomTeamsGoogle Hangouts meet等を使った遠隔オンライン授業の仕方などがバズっています。

みなさんも検討している人も多いのではないでしょうか。

また、ここ数年はよくCMでも流れているスタディサプリや塾では、東進ハイスクールなど、授業動画配信で学習を提供するオンラインプラットフォームも多数登場しています。

今日は、それぞれのメリットとデメリットについて、述べていきたいと思います。

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なんといってもライブ。 オンライン授業のよさ

最近では、ZoomTeamsを活用したオンライン授業の仕方などが対策として話題を呼んでいます。

英語科の先生のみなさんでしたら、なんとなくイメージつくのではないでしょうか。ここ数年はオンライン英会話が普及してきており、Skype等のオンライン電話サービスを活用して授業を提供するスタイルが増えてきています。

オンライン授業の良さはやはり「リアルタイム」にあるでしょう。
生徒の顔を見ることができますし、あたかもみんなとその場にいるかのような感覚を持つことができるところが最大のメリットです。

先生は、生徒の様子を見ることができる。理解しているかどうかの判断を即座にすることができます。一方、生徒は外出自粛で友達と会えない中、まずは授業で顔を合わせることができるのは生徒の学習に対するモチベーションには十分な効果を発揮するでしょう。

トラブル前提の授業設計。 オンライン授業

一方で、リスクはあります。クラス40人が同時にインターネットに接続しますので、「音が聞こえない」「画面が見えない」「フリーズした」など、通信トラブルは確実に起こるでしょう。そのような時にどう対応するか。ここはかなり苦労する部分かと思います。対応集については、また別の機会にまとめます。

授業前にあらゆる対応策を練っておく必要がありますし、なんといっても教師側にとっては、不安なことでしょう。また、生徒側からみても、家庭のwifi環境に応じてコントロールできない部分がありますので、リスクは大きいです。

事前に仕込める・自由度の高い学び方。 授業動画配信

授業動画配信に関しては、タイトルの通り、事前に仕込める・自由度の高い学びが最大の特徴です。

教師側は、本番に何が起こるのか、ドキドキしながら授業をしなくていい。しっかりと準備して、事前に撮っておけば、コントロール可能であり、どんなインプットを生徒に提供できるのかを見込むことができます。また、動画撮影方法もスライドを見せながら説明口調をベースにした動画や講義風景を見せる動画など様々な方法があります。

また、生徒側については、決められた期間までに与えられた動画をしっかり学習すればいいので、「いつでも」、「どこでも」自分の時間で学習することができ、わからないところは何度も戻って確認することができます。

生徒のモチベーションに依存モデルと動画撮影が大変な、授業動画配信。

授業動画配信のもっとも気をつけなければいけないところは、いつでもどこでも学習できる状況を用意しても、生徒は果たしてちゃんと勉強しているか、どうかである。

生徒自身の学習へのモチベーション管理やセルフマネジメントができない場合は、このモデルは難しい。先生がしっかりと見ているよという環境づくりやモチベーションを促進するような施策は不可欠である。

また、教師側としては、授業動画の撮影は大変である。授業だけでなく、上記に述べたような映り方や提供の仕方の工夫をしなければならない上、動画編集も必要になる。

オンライン授業vs授業動画配信、よりもオンライン授業+授業動画配信が正義な気がしてきた訳

少し整理すると、

オンライン授業には、「リアルタイム性」と、先生と生徒、生徒同士で、顔を合わせることで「モチベーション維持」ができるということ。
そして、授業動画配信については、「インプット学習の提供のしやすさ」、教師も生徒も「タイムマネジメントがしやすい」「リスクが低い」、が挙げられます。

これらを総括すると、実は、どちらをやったほうがいいというよりも、できるならどちらもやったほうがいいという結論に至るのではないかなと考えました。

なぜなら、最低限の学習の質を担保できるのは間違いなく、授業動画の配信である訳です。しかし、生徒のモチベーションに委ねるところがリスクとして挙げられるので、そのタイミングでオンライン授業を実施する。そうすることで、生徒が顔を合わせることで、動画をしっかりとインプットしたかどうかを確かめあうことができます。

また、オンライン授業では、インプット型の講義提供モデルではなく、動画学習の内容を踏まえてディスカッションをする/質問をするなどにフォーカスした授業設計をしておけば、万が一通信トラブルにより生徒の誰かが参加できなかったとしても、最低限の質は動画で担保できているから、多少はカバーできるのではないかと思います。(以下の図イメージ)

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参加できなかった生徒に対しては、Google Formsのようなもので、ディスカッションのテーマについてエッセイを書かせるとかでもいいかもしれません。

つまり、反転学習をオンライン上で全て完結させるモデルができれば、かなり深い学びを提供できるのではないかと思います。

これからも多様な学習の提供方法があると思います。
学校の環境は様々で、できること、できないこと、がどうしても発生すると思います。

それらの制約の中で、まずは

① 客観的に分析をする
② 何ができるのかを考える
③ 実行に移す

という順番になると思います。

何をするにしてもデメリットやリスクは存在します。多くの先生はそこを見て、諦めてしまう様子を見てきましたが、そのデメリットをどう補っていくか、メリットを最大限活かすためにどう工夫していくのか。これからはこの考え方ができるかできないかで、大きな教育格差が生まれるだろうと思っています。

私としても何を手伝うことができるのかを日々考えながら、行動したいと思います。

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