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【教育】リアルの良さとは?

 夏休みが9月いっぱいまで延長され、本日新学期が始まりました。コロナ対策に重点を置き、密の回避や消毒の徹底など、生徒たちにも伝えています。また1クラスを半分にし2クラスに分け、分散授業を行っています。授業では、やはりグループ活動はなしで、仲間同士の相談も十分な距離を取って行うということになっています。

 一方で、生徒下校後、Microsoft teamsを使ったクラスオンライン会議を行いました。万が一また休校になり、学びが止まってしまうことを防ぐために、オンラインでの授業ができるかどうかの実験の1つです。
 オンライン会議をやってみた結果としては…
・話す言葉のコミュニケーションだけでなく、スタンプなどでの意思表示や、文字でのやり取りなどもできる。
・画像や動画などの資料の提示はもちろん、ホワイトボード上で共同編集をしたり、エクセルファイルの共同編集をしたりすることで、全員の考えをまとめたり、1つの作品を作ることができる。
・マスクを外しているので、(その機器の解像度にもよるが)表情から何を考えているのかが分かる。

 今日の実験は、ほんの15分程度であり、お試しの域を出ないですが、出来ることは多いと感じました。1クラスをさらなる少人数のグループに分け、作業を行うこともできそうです。

 今のリアルでの授業は、グループワークができない、個々での話し合いもしにくい、マスクで表情が見えにくい、などの要素があります。しかし、オンラインとなるとそのすべてが成立してしまう。

 もちろんリアルの良さもデジタルの良さも取り入れて、主体的対話的で深い学びを追求していくべきことは分かっています。その上で、リアルの良さって何だろうということを考えています。

 リアルでなければできないことは、触れ合えることです。今はコロナ禍であり人との物理的な接触は避けていますし、そもそも性別の差もある中で、肉体的に触れ合う必要性があまりないという実感もあります。
 肉体的でない、気持ちの面での人との触れ合いという意味ではどうか。学校行事は確かにそうかもしれません。例えば運動会。みんなでリレーや様々な種目の練習をし、目標をもち、作戦を立てていく。その過程でトラブルがあるかもしれないが、それも1つの教育材料として乗り越えていく。結果はどうあれ、共に頑張ったプロセスの喜びを仲間と共有し合う。このような経験はオンラインでは成立しないでしょう。
 通常の授業ではどうか。人とその場で居合わせるからこそ意見が深まる、と言う先生方もいらっしゃいますが、それは我々大人が対面でのコミュニケーションの経験しか積んでいないことが要因な気もします。むしろ感覚的には、教室で控えめな生徒が、オンラインでは何かしらの意思表示ができそうな気さえします。

 解像度はどうか。どれだけデジタル機器の解像度が上がっても、リアルの解像度には到底敵わないでしょう。生で見るからこその感覚というものはある。言葉だけでなく、仕草、表情などから総合的にメッセージを届け、受け取り、人間はコミュニケーションをとっているはずです。
 しかしこのコロナ禍では、マスクをしているため表情は読み取りづらいですし、対話もやりにくいです。解像度のメリットを生かしてはいないでしょう。

 決して今はリアルの授業は全廃止して、オールオンライン授業に移行すべきだ、という安直な意見を言いたいわけではありません。先述の通り、リアルの良さ、デジタルの良さを両輪として、授業をより一層駆動していくべきでしょう。

 人と人とが触れ合う中で、学力的にも情緒的にも肉体的にも成長していく場である学校。その学校において一番多くの時間を割いている授業。

 コロナ禍の今だからこそ、リアルの良さをしっかりと理解し、学校だからこそ出来る学びを実現していきたいと思い、これからも研修を積んでいきます。

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