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フリーランスの仕事は人との縁

【編集:古屋淳二/虹霓社】
ある士業の事務所の印刷物やWebサイトのメンテナンスを請け負っている。仕事は私が主にディレクション担当で、紙とWebの各デザイナーと3人でチームを組んでいる。私がフリーランスになってからのお付き合いだから9年ほどになるのだが、知り合ってからだともう13、14年くらいになる。所長一人だったその事務所は、一人増えまた一人増え、現在では9人の事務所となり、今また新たに加わるという1名の名刺とWebサイトの追加ページを作っているところだ。

私がフリーランスになる10年以上も前、企業の印刷物やWebサイトを作る制作会社で企画営業をしていた頃、慣れない新規営業で出会ったのが所長だった。所長もまだ独立前で大きな事務所に所属していた。その後、独立するというので声を掛けていただき、コーポレートツール一式を担当させてもらった。そして今度は私が独立してフリーランスとなり、もう縁はないと思っていた。ところが、程なくして一本の電話が鳴った。所長からだった。「今後もあなたに続けてもらえないか?」と。なんでも、私の後任とウマが合わなかったらしく、ぜひ今後もお願いしたいという相談だった。そこで、前職の社長に相談したところ、快くクライアントを譲ってもらえた。今でもこの社長には感謝している。

2014年、私は住み慣れた東京を離れて田舎暮らしすることを決意。所長にその旨の挨拶をし、今後は頻繁に打ち合わせも来られないので、ここで縁も切れることを覚悟していた。ところがその所長、「古屋さんらしい、選択ですね」と地方移住を面白がってくれた。以後、ミーティングはスカイプ(当時はZoomはなくスカイプくらいだった)でやり、ほぼリモートでの作業になったが、特に支障はなく(その後のリモート時代の良い実験になった)、全面的なWebサイトのリニューアルなども難なくこなせた。

最近、事務所の人数が増えたのでサイトのコンテンツも増えてきた。当初は所長一人の個人サイトで済んでいたのが、中規模くらいになりつつある。サーバーのセキュリティの問題もあった。変化のスピードが速いWebの世界、第一線にいない私は知らない知識も多く、Webの管理はそれなりの会社の方がいいのではないかと思い悩むこともある。でも、二度も選んでいただたいたという気持ちと、小回りが効くフリーランスのチームこそ向いているという思いもある。ほどよく開き直りつつ、今日もまた、Webデザイナーの仲間に電話してレクチャーしてもらう。

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