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[書評]雨の休日は読書のチャンス。家が愛おしくなる一冊を

こんにちは。エディマートの須崎です。
4月にスタートした『エディマート読書部』のブックレビューは、部員が週替わりに投稿し始めて、2週目のターンがまわってきました。

今週末には全国で続々と梅雨入りする模様ですね。雨の休日はどうしても外にでかけるのが面倒になりますが、おうち時間が長くなるので読書チャンスの到来です!

そこで今回は、『家が好きな人』という本をご紹介します。
イラストレーターの井田千秋さんによるオールカラーコミック&イラスト集で、『このマンガがすごい!2024』オンナ編 第7位にも選ばれました。

さまざまな家とそこに住む人の生活が、やさしく温かいタッチで描かれていて、雨の休日にのんびりと過ごすおうち時間のお供にもおすすめしたい一冊です。


書籍情報

家が好きな人
著者:井田千秋
出版社:実業之日本社
発行:2023年2月

この本を手に取ったきっかけ

実はここ最近は、長編ストーリーや活字ばかりの本を開くのはしんどいな~という気分が続いていたので、気付くとイラストエッセイやマンガなど絵が多めの本を手に取ることが増えていました。そんなときに出会ったのがこの本。

ほっこりやさしいイラストと、帯にある「自分の家が一番好き。」というコピーに惹かれました。

子どもの頃から“家”というものに興味を惹かれ、それにしてはいまだに理想の家には近づけていないのですが、その分、物語の中で描かれる架空の家を、あこがれの念を抱きながら見るのがとても好きです。

こちらの本は、まずイラストに一目ぼれ。さらに登場人物たちの家の中が描かれているとあって、きっと眺めているだけで満足できそうだなと思い、私の本棚へと仲間入りさせていただきました。

どんな本?

書籍の装画や挿絵などを手がけるイラストレーターの井田千秋さんによる初のコミック&イラスト集です。イラストをメインとした内容になっていて、疲れているときやベッドに入って眠りにつくまでの間などにも、気軽にパラパラとめくるだけで楽しめます。

物語としては、一人暮らしをする5人の登場人物とその家での生活の様子が、オムニバス形式で描かれています。
早起きに成功したらお気に入りの朝食を用意して食べたり、雨の日には部屋を暗くして映画にどっぷりと浸ったり、夜更かしして深夜に生クリームを入れたココアを飲んだり。大きな事件が起きることもなく、家の中での何気ない日常が続きます。

5人の家の中の細かい部分まで描き込まれたイラストは、オールカラーという贅沢感。家の間取りや置かれている家具、小物や食器、食事やおやつのラインアップなど、それぞれの人物像に合わせたものが登場し、その設定やイラストの緻密さもすばらしく、見ていると気分が上がります。

今回描いた5軒の住人は、自分の家が好きで、そこに流れる時間が好きで、そこで過ごす自分もきっと好きな人達です。

本書・あとがきより

こんなふうに書かれた作者のあとがきを読むと、登場人物たちの日常がさらに愛おしく感じられるはず。

わたしの感想

本書で描かれる家には、到底手が届かないといった豪華なものや非現実的な空間は出てきません。なんとなく自分の生活にも近く、身近に感じられます。

自分のルールやこだわりでおうち時間を過ごす住人たちの楽しそうな姿、日常に散りばめられた小さな幸せが垣間見え、自分自身の家や生活も愛おしいものに思えてくる、そんな一冊だなと感じました。

眺めているだけで、とっても幸せな気持ちになれる読書体験でした!

家や間取りのイラストが好きな方、日々の生活を丁寧に楽しみたい方はぜひチェックしてみてくださいね。自分の家があまり好きになれないけど好きになりたいという方も、発見があるかもしれません。

そして、次にほしいなと思っているのが『ものがたりの家-吉田誠治 美術設定集-』。物語に出てくるような空想の家をさまざまに描いた画集で、これまた緻密な設定もすばらしいのです。

先日、文喫 栄の店長さんを取材させていただき、そのときにおすすめしてもらった『本のある空間採集』もねらっています。書店を実測採集したイラストがふんだんに登場する内容で、本屋好きにはたまらない一冊でしょう。

活字に疲れてきたら、これらのように眺めて楽しむ本という選択肢もあります。今回のブックレビューもぜひ参考に、梅雨を迎えるにあたっておうち時間のお供を探してみてくださいね!


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