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ライターの社会性が、単価アップに欠かせない理由

こんにちは。エディマート代表の鬼頭です。

フリーのライターを経て、編プロの経営者となった私が、自ら経験から体感した「こうしたら、仕事が増えた!」について、僭越ながら記事にまとめさせていただいています。

以前の記事で、ライターには「人間力」が必要であり、その第一歩が「身だしなみを整えること」だと書きました。

今回は、大きな意味では身だしなみも含まれる「社会性」について。私の実体験として、ライターが社会性を身につけ、磨いていくことで、受注する仕事の単価は上がると考えています。

どういうことでしょうか?これから説明していきますね。

1.なぜライターに社会性が必要なのか

「社会性」を辞書で引いてみると、「他人や集団と交わって社会生活を営むための素質や能力」と出てきます。

では、なぜライターに社会性が必要なのでしょう。

私は理由の一つに、ライティングがビジネスであることを挙げます。
基本的にビジネスは、他人や集団と交わって成立しますよね。そうである以上、相手と上手に交わるための素質や能力を、最低限持ち合わせる必要があります。

理由の二つ目が、クライアントや発注者がビジネスマンであること。
みなさんの発注者のほとんどが、組織に所属し、社会や組織のルールのもと仕事をしている方ではないでしょうか。
一般的なビジネスマンが、社会や組織の慣習や決まりごとに従って業務にあたっている以上、お付き合いする相手に最低限の社会性を求めるのは当然です。

まれに発注者の中に、「細かいことは抜きにして、ライターとしてのベストなクリエイティブを発揮してくれればいいから」という感じの方もいます。

この言葉や雰囲気を真に受けて、社会性を無視したままクリエイティブに集中すると、確実に痛い目に合います。「細かいことは抜きにして」は、「細かいことはできていて当たり前」と同義。私が若い頃に学んだことでもあります。

2.押さえておきたい最低限の社会性とは

ライターの仕事がビジネスであって、発注者がビジネスマンである限り、社会性は必要だと書きました。

次に、ライターが押さえておきたい社会性について、私見をまとめてみます。私自身の過去のフリーランス時代(受注者)、そして制作会社の経営者兼ディレクターとなった今(発注者)の実体験に基づき、「最低限」必要だと思う5つです。

1つ目:身だしなみ

これは以前の記事をお読みください。


2つ目:挨拶と応対

クライアントやインタビューイーに会った際に、きちんと挨拶できないライターさんが本当に多いです。
体育会系のように大声の挨拶は求めていません。ただし、声が小さくてもごもごしているのは絶対にNG。
私も声は大きい方ではありませんが、だからこそ挨拶の時は相手の目を見て、丁寧に言葉を発するように心がけています。

返事も同じです。うなずくだけではなく、「はい」「そうですね」「なるほど」など適切な相槌を。わからなければ、「もう一度お願いします」「それはどういう意味でしょうか」など、相手が不快にならないよう注意して聞き返しましょう。

3つ目:笑顔

これもまた、苦手なライターさんが多い印象です。取材やインタビューの基本は、やはり笑顔のコミュニケーションではないでしょうか。「この取材者ならこんなことも話したい」と思わせたら勝ちです。

たまに現場で、しかめっ面のライターさんに対してクライアント側が気を遣うなんてことも。間に入るディレクターが一番凍りつくシーンです……。

4つ目:約束を守る

ライティングにおける約束と言えば、仕様、スケジュール、ギャランティあたりでしょうか。発注時の仕様を守るのは当然のことですが、なかには勝手な解釈を加えてしまい、発注者が意図したものと違う原稿が納品されることも。

納品されるならまだしも、スケジュールを守れないライターさんも散見されます。ビジネスはすべてが約束で成り立っているため、守らなければ話になりません。

5つ目:一般常識を持つ

取材やインタビュー中に、本題からそれて話が広がることってありますよね。
最近のトレンドやその日に起こったニュースについて、「知っていますか?」「どう思いますか?」など聞かれた時に、詰まってしまっては相手と親密度を高める機会を逃してしまいます。

ライターである以上、新聞は読むべきでしょう。ケチっている場合ではありません。

3.単価アップのためにも社会性は必要

ここまで口酸っぱく「社会性」と言ってきましたが、なかには社会性を意識しなくてもできる仕事もあるでしょう。
でもおそらくそういう仕事は、発注者やクライアント側にも社会性がないかもしれません。

身だしなみは適当で、挨拶や応対が悪く無愛想、約束は守らず一般常識もない。そんな発注者やクライアントと仕事をしたいですか?
きっとギャランティは破格で、下手したら入金さえ危ういでしょう。

逆に、ギャランティ(単価)が良かった仕事を振り返ってみてください。

私で言えば、

◯執筆テーマの専門性が高かった
◯執筆だけでなく、企画や構成の部分から携わった
◯クライアントが大手だった
◯取材対象がVIPだった
◯打ち合わせ回数が多く、意見を求められた

といった感じでしょうか。みなさんとも大きく違わないと思います。
いずれも「社会性」がなければできませんよね。

ライティングがビジネスである以上、最低限の社会性は必要。
そして社会性を磨いていけば、仕事の単価も上がっていく。

今回の話、ベテランのライターさんこそ知っていただきたいです。
社会性を身につけないまま、プライドだけ高くなってしまうと本当に厄介ですから。

老害と言われることなく、いつまでも現役で仕事を!
1973年生まれの私も、自分を棚に上げることなく、あらためて社会性に注意していこうと思います。


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