音楽における「夢中」「ゾーン」「無意識」

超ざっくりで「夢中=ゾーン=無意識」と考えています。
音楽の創作・演奏において、大変重要な事象であると考えています。

大人はただの「夢中」では成長できない

無意識はPCでいうOSみたいなもので、子供はOSを作っている状況だと考えます。
だから見てるだけ聞いてるだけでも成長できます。 聞いているだけで言葉も喋れるようになりますが、大人が同じようにいくでしょうか?
完成されたOSを改変するのはとても難しいと考えています。
「新しい何か=アプリ」のインストールも難しい。
練習とはインストールなのです。
「夢中」は重要なのですが、子供みたいにはいかない、ということです。

音楽スキルは運動より言語と似てる

運動と音楽で覚える難易度が違うと感じています。
おそらく脳の使っている部分が違うからだと思われます。
言語というのは、その人の自我にも関わる部分なのです。
それが簡単に変わるのは困る、というわけです。
言語も会話は「音」です。 メロディも詩が載ることで強い力を発揮します。
インストよりも歌の方が好まれるのはそういうわけです。
練習も、運動よりも言語の勉強に似てくると思います。

DTM初心者に楽器をお薦めする理由

DTM初心者に楽器をお薦めすることにしているのですが、それには理由があります。
夢中は文字通り「夢の中」ですし、ゾーンに入ったアスリートはプレイを覚えてないこともざらです。
実はアーティストにとって、ゾーンに入るのは大事なスキルだと考えています。
競技ではない芸術の世界では当たり前すぎて見落とされているのです。
楽器の演奏は、無意識に取り込むためのツールとしてです。
無意識に取り込む、引き出す、はフィジカル連動が効率的なようです。
イチローさんのバッターボックスに入った時のルーチンや、完全記憶を持つ人が記憶を引き出す時に体の一部を動かすのもそれが理由です。
DAWというのは音楽ができる人のツールであり、それで音楽を学ぶのは非効率だと考えています。

音楽教育に足りないのはこの辺りの認識

以前から、「音楽ができる人」と「音楽ができない人」の断絶について語ってきました。
なぜか社会認識は、「音楽は誰でもできる」ということになっている気がしていますが、実際は違う、という話です。
それは、上記の認識が音楽教育界にないからだと思います。
理由は、以前も語った通り、音楽教育界を引っ張る「音楽ができる人」は、できることが当たり前すぎて、「できない人」を認識できないのです。「やっていればできるようになる」「ただの練習不足」だと捉えています。
なので、自分の子供時代の経験でしか指導できない、これが大きな問題だと考えています。


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