見出し画像

カンケーを楽しむ、カンケーから育つ①

前回のコラムで
「私たちは『関係』を生きている」というお話をしました。

学校現場であれば、
そこには教師と生徒の関係、生徒同士の関係、先輩後輩の関係、
同僚との関係、保護者との関係、家族の関係、などなど、
多くの関係性のるつぼの中に、私達は身を置いています。

一人の生徒の背後には、
多くの人間関係のつながりがあります。
生徒を単体で見ていては大切な要素を見失いますから、
その生徒の親や友人関係、
可能ならば、
それまでの生育歴なども含めて
総合的に見てあげるといいですね。
その生徒の理解が深まります。

とはいえ、
そんな途方もない人間関係の網目を、
くまなく理解しようとするのはタイヘン!
多くの人間関係に巻き込まれてしまうので、
気を遣う人・繊細な人であれば、気疲れもするでしょう。
改めて教員の仕事ってタイヘンだと思います。
大卒の初任23歳がいきなり飛び込んで担任が務まるのは、
実は奇跡に近いレアケースなのかもしれません。

もう少し、教員としての専門性を
段階的にじっくり育てていこうとする
社会的な理解が深まるといいと思うのですが・・・。
それはさておき・・、

繰り返しになりますが、
私たちは『関係』を生きています。

で、この『関係』って、
イメージとして例えるなら僕は「土」だと思うのです。

クラスや部活動、
人が二人以上になって
『関係」の生じる集団になったとき、
その集団の雰囲気・ムードは「土」と一緒。

その集団の雰囲気、ムードがよく肥えた栄養たっぷりの土壌であれば、
良い作物がすくすく育ちます。
その逆で、その集団の雰囲気、ムードが劣悪なものであれば、
どんな良い種を撒いても枯れて、終わりです。

私たちが生きる関係性の質、
これをよくすることは、
そのグループの中のメンバーが
やる気元気本気で、いきいき育つ必要条件。

ここに教員は、もっともっと意識を置き、注力するべきです。

そして、良い土壌さえこしらえて、
定期的な手入れを怠らなければ、
作物そのものに下手な介入をせずとも、
作物はもともと種の中にプログラミングされていた
本来の在り方通りに育っていきます。

下手に説教しなくて済みますし、
生徒たちが自ら育とうとする姿勢をそばで見られるのは
教師としてこの上ない喜びです。

そこで、今回のコラムからしばらくは、
「関係性」ーその集団の雰囲気・ムードを手入れするーという視点で
連載記事を書いてみたいと思います。

読んでいただいて、
あなたの気づきのタネになり、あなたの行動が変わるきっかけになれば、
自分にとってこれほど嬉しいことはありません。
どうぞ、よろしくお願いします。

詳しい内容は次回以降に書いていくことにして、
概要を少しだけお伝えすると、
関係性をよくする秘訣は
「約束事」と「関わり」です。

まず、なによりも大事なことは、
そのグループの中で目的を共有すること。
すなわち、「どんな関係性でいたいのか?」を
裏表なく本音で話し合い、
お互いに納得し、約束を交わすことです。

家族でも、
クラスでも、
部活でも、
ありとあらゆるグループ活動のスタートは「目的の共有」であるべき。

でも、どうでしょう?
たぶん、9割以上は
リーダーの所信表明演説で終わります。
「僕は、◯◯したい。◯◯の関係を目指していく!」と宣言して、
以上おわり。
これでは、一方通行・・・ですよね。

ここに大きな問題があります。

続きは、また次回。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?