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【中級】DAOをチンパンジーでもわかるように解説します。

こんにちは、だいしょうです。

今回は、DAOをチンパンジーでもわかるように説明する試みです。

  • web3と今までのインターネットって何が違うの?

  • DAOと中央集権組織って何が違うの?

  • DAOの基本的な仕組みは?

上の質問になんとなくフワッと答えられる方を想定しています。

「DAOをもう一歩踏み込んで知りたい!」という方はぜひ読み進めてみてください。

「全くわからなかったよー😭」って方は先にこちらを読むと理解しやすくなります↓

「何個かわからなかった😭」って方は先にこちらを読むと理解しやすくなります↓

このnoteで解決できること

  • DAOとは何か?が一歩踏み込んでわかる

  • DAOの歴史がわかる

  • DAOは結局何がすごいのか?がわかる


DAOとは?

DAOとはDecentralized Autonomous Organizationの略で、日本語では「分散型自律組織」と言います。

DAOのざっくりした全体のイメージ

DAOは、インターネット上で運営される組織で、ブロックチェーン技術を使って管理されます。そのためDAOは、普通の会社とは違って、中央の管理者がいません。

というのがよくある説明です。

このnoteではもう少し深掘りしていきます。

DAO は、イーサリアム創設者ヴィタリックブテリンによって作られた言葉で、

DAOは、インターネット上で自律的に存在しながらも、人間の貢献が必要なタスクを遂行する組織

参考:https://vitalik.eth.limo/general/2022/09/20/daos.html

として定義しています。

また、DAOは内部資本を持ち、その資本を活動に対する報酬として使用し、事前に設定されたプロトコル(ルール、スマートコントラクト)に基づいて最小限の人間の介入で運営される点が特徴です。

プロトコル
コンピュータやスマートフォンなどの機械が「どうやって話すか」を決めたルールや約束事のことです。人間同士でも会話するためには共通の言語やルールが必要なのと同じように、機械同士がデータをやりとりするためには、決まり事が必要です。そのルールのことをコンピュータの世界ではプロトコルと言います。

DAOのイメージ

つまり、DAOは、スマートコントラクトやアルゴリズムによって特定の条件を満たすと自動での意思決定が行われ、人の手を介さず自動で実行されるような組織です。

DAOの歴史

2013年:DAOのはじまり

DAOは、イーサリアムの創始者であるヴィタリック・ブテリンによって2013年頃に提唱されました。しかし、それ以前にもダニエル・ラリマーが提唱した分散型自律企業(DAC)の概念や、ビットコインそのものがDAOの起源であると主張する人もいます。

2016年:The DAO事件

2016年、イーサリアム上で最初の大規模なDAOであるThe DAOが立ち上げられました。The DAOは約7,620,000 ETH(当時の価値で約1.5億ドル)を集めましたが、コードのバグを悪用したハッキングにより、その約1/3が盗まれました。この事件はイーサリアムコミュニティに大きな衝撃を与えました。

2017年-2018年:DAO暗黒期

The DAO事件の後、DAOの人気は一時的に低下しましたが、ICOブームにより多くのプロジェクトが資金を調達し、その中にはいくつかのDAOプロジェクトも含まれていました。代表的なものとして、Colony、Aragon、DAOStackなどです。

2019年:MolochDAOと新しいDAOの台頭

2019年、MolochDAOが登場し、Ethereum 2.0の開発資金を提供する目的で注目を集めました。MolochDAOはシンプルな設計と「RageQuit」という機能で、DAOの透明性と参加者の自由を高めました。これをきっかけに、MetacartelDAOなどの新しいDAOが次々と生まれました。

2020年:DeFi Summerとガバナンストークン

2020年のDeFiのブームにより、多くのDeFiプロジェクトがDAO化し、ガバナンストークンを発行しました。CompoundのCOMPトークン、YearnのYFIトークン、UniswapのUNIトークンなどが代表的です。これらのプロジェクトは、ガバナンストークンを用いてコミュニティの参加者にプロトコルの運営を委ねることで、分散型のガバナンスを実現しました。

2021年:Jpeg SummerとNFT DAO

2021年にはNFT(Non-Fungible Token)が急速に普及し、NFTを中心としたDAOが登場しました。代表的なものに、PleasrDAOやFlamingoDAOがあります。これらのDAOは、高額なNFTの共同所有や新しいアートの収集を目的としています。

2022年:ウクライナDAOとTRON DAO

2022年2月に、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、UkraineDAOが設立されました。このDAOは、ウクライナ支援のために数十億円もの資金を集め、イベントの開催やファクトチェック、執筆・翻訳など多岐にわたる活動を行いました。

また、TRONネットワークが完全な分散化を達成し、TRON DAOとして再編成されました。これは、DAOがDeFi、NFT、Web3、クロスチェーンコミュニケーション、ステーブルコイン、GameFiなどの主要分野で多くの可能性を持っていることを示しました。

2023年:クリプト市場の「冬の時代」

2023年は「冬の時代」とも称され、多くのクリプト関連プロジェクトが困難に直面しました。特に、TerraやFTXの崩壊に続き、多くのプロジェクトがシリコンバレー銀行の破綻に影響を受けました。

2024年:合同会社型DAOの施行とDEXの成長

2024年4月22日、日本で合同会社型DAOが正式に施行されました。これにより、日本国内でDAOが法人格として認められるようになりました。

また2024年は、分散型取引所(DEX)の年になると予想されています。dYdXなどのDAOが、パーミッションレス・マーケットを通じた許可なしのトークン上場の仕組みを進めており、DEXの取引量は今後大きな影響を及ぼすと見られています。

DAOは結局何がすごいのか?

たくさんの意見があった方がいい意思決定をする場合に強い

DAOは、たくさんの人の意見を取り入れることに長けているため、たくさんの意見があった方がいい意思決定と非常に相性が良いです。

たくさんの意見が反映されることで、よりバランスの取れた意思決定ができるからです。

例えば、

DAOに合っているのは、

・司法判断
・公共財の資金提供
・税率

のようなたくさんの意見によっていいとこ取りができる場合です。

逆にDAOの意思決定が合っていない場合は、

・パンデミック対応
・軍事戦略の決定
・暗号プロトコルにおける技術選択

のような0か100かで決めたほうがいい場合です。

つまり、DAOはたくさんの意見があった方がいい意思決定をする場合に強いとされています。

外からの強い攻撃に対する耐性が高い

DAOは、外部からの強力な攻撃に対する耐性が高いとされています。

国家や大企業の技術的ではない何らかの意思によって差別的に制限されずに機能し続けることができるためです。

具体的には、仮にある国がBitcoinの取引を禁止しても、Bitcoinのネットワークは世界中の無数のノードによって維持されているため、その国で禁止してもネットワーク全体が停止することはありません。

このように、DAOは国家や大企業の干渉を避けながら、システムを安定して運営し続けることができるため、外部からの強力な攻撃に対する耐性が高いとみなされています。

ポッドによって分散化と自律性を両立させることができる

「みんなで決めるって効率悪くない?」

このDAOの課題を改善する仕組みを、ヴィタリック・ブテリンが提案しています。

その仕組みがポッドです

ポッドとは、DAO内で特定のタスクやテーマに集中して活動する独立した小さなグループを言います。

例えば、DAOの中で、

・化学物質で長寿にしたい研究グループ
・運動によって長寿にしたい研究グループ

などの研究グループがポッドにあたります。

このポッド構造を導入することで、DAOは大規模な組織でありながらも、細かく分けられた自律的なグループを持つことで、柔軟かつ効率的な運営を実現できるとされています。

より詳しく知りたい方はこちらをお読みください↓

まとめ

  • DAOは、スマートコントラクトやアルゴリズムによって特定の条件を満たすと自動での意思決定が行われ、人の手を介さず自動で実行されるような組織

  • DAOは、以下の3つの強みを持っている。
    ・たくさんの意見があった方がいい意思決定をする場合に強い
    ・外からの強い攻撃に対する耐性が高い
    ・ポッドによって分散化と自律性を両立させることができる

また、他にも、DAOを構成する要素として、スマートコントラクトによる「運営コスト」の削減やブロックチェーンによる「資本形成」と「資金調達」の効率化、インセンティブ革命としてのメリットもあります。

AIの普及のもっと先の未来に実現する自律した組織「DAO」を学んで、いずれ来る「人間が働く必要がない世界」にぜひ備えておきましょう!

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参考文献

https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/Web3/index.html

免責事項

本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。具体的な法律問題については、専門の弁護士等の法的アドバイスを受けることを強くお勧めします。本記事の情報は執筆時点のものであり、その後の法改正や判例の変更等により内容が変更される可能性があります。著者および本記事の発行者は、本記事の内容に基づいて行われた行動に対して一切の責任を負いません。

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