見出し画像

レイジクイッティング(Rage Quitting)とは?次世代のDAOの投票方式をわかりやすく解説!

こんにちは、Daishoです。

今回は次世代のDAOの投票方式である「レイジクイッティング」についてわかりやすく解説します!

このnoteで解決できる課題

  • レイジクイッティングとはなにか?がわかる

  • DAOの投票方式を決めるヒントになる

レイジクイッティングとは?

レイジクイッティングは、投票の結果に不満があるメンバーが、自分のお金を持ってグループから抜け出せる投票方式です。

分かりやすくいうと、投票結果に納得できないメンバーが、自分の資金を持ってコミュニティやグループから退出する仕組みです。

このとき、投票後に一定の猶予期間を設け、その期間内に退出することができる仕組みになっています。

例えば、10人のグループがあるとします。

9人が自分たちにたくさんの報酬を与えるように投票し、残り1人にほとんど何も与えないという提案をしたとします。

この1人は「レイジクイッティング」を使って、提案が実行される前に自分のお金と共にグループを抜ける(レイジクイットする)ことができます。

こうすることで、不公平な提案から自分のお金を守ることができます。

さらに提案が可決された後、反対票を投じたメンバーだけが抜けられる(レイジクイットできる)ようになっています。

これにより、賛成したメンバーがその提案のコスト全てを負担することになります。

つまり、不正な提案をすると、自分たちがそのコストを負担することになるので、慎重に提案を行うようになります。

しかしメンバーが提案が実行される前にグループを抜け、提案が実行された後にグループに戻ったりすることで、簡単にコストを回避できてしまう可能性があります。

これを防ぐために、抜ける時には全ての持ち分(トークン)を現金化してから抜けなければなりません。

また、再びグループに戻るには、既存のメンバーの許可が必要です。これにより、レイジクイットの乱用が抑制されます。

レイジクイッティングの問題点

一見優れた方法に見えるかもしれませんが、レイジクイッティングにはいくつか問題点もあります。

1.意図的にメンバー脱退を誘発してしまう

メンバーを意図的にレイジクイットさせるために、そのメンバーに不利な提案を行うことが考えられます。

例えば、Aさんがグループにとって「邪魔」と感じるメンバーだとします。

他のメンバーがAさんに不利な提案を出すことで意図的に、Aさんがレイジクイットを使ってコミュニティを自主的に抜けることを誘導できてしまいます。

つまり、特定のメンバーにとって不利な提案をわざと出して、そのメンバーを自主的に脱退させようとする行動が起こる可能性があります。

2.グループに残るために、反対した提案にコストを払う必要が出てくる

ある提案に反対しても、それ以外の提案には賛成できる場合、

  • コミュニティを抜けるか?(レイジクイットするか?)

  • 反対の提案に仕方なくコストを払ってコミュニティに残るか?

という2択が発生します。

仮にコミュニティに価値を感じていた場合、仕方なく反対の提案にコストを払う必要があります。

例えば、提案Bが不公平だと感じるメンバーがいます。

しかし、そのメンバーは他の提案には賛成です。

このときコミュニティに残るために、提案Bにかかるコストを仕方なく支払うという無駄が発生します。

ただしこの問題は、コミュニティに対するレイジクイットではなく、提案ごとのレイジクイットにすれば解決できる可能性があります。

例えば、そのメンバーは提案Bのみ反対。他の提案には賛成だとします。

このとき提案Bに対してのみレイジクイットを行い、他の提案に対しては投票グループに残る。

つまり反対提案の投票グループのみレイジクイットするため、コミュニティ自体を脱退する必要がなく、無駄なコストを支払わずに済みます。

DAOのどんな課題を解決できる?

レイジクイッティングは、以下の課題を解決する可能性があります。

1. 少数派を守ることができる

DAO内での決定は多くの場合、投票によって行われます。この場合、少数派は、常に多数派の意思に従わなければならないことがあり、不利です。

レイジクイッティンでは、少数派が自分の資産を守るために、投票結果に同意できない場合にグループを離れることを可能にしています。

これにより、不公平な決定や多数派による理不尽な提案から逃げることができます。

2. 共謀や悪意のある提案を抑える

グループ内で共謀が発生し、一部のメンバーが自分たちに有利な提案を通そうとするリスクがあります。

これにより、他のメンバーに不利益がもたらされる可能性があります。

レイジクイッティングでは、メンバーが悪意のある提案を行う動機を減らします。

仮に提案が可決されたとしても、多くのメンバーがレイジクイットを選択し、グループを離れることで、提案の影響を無効化する可能性があります。

3. 提案の質の向上

質の低い提案や無責任な提案が多く提出されると、グループ全体の効率と効果が下がってしまいます。

レイジクイッティングでは、無責任な提案が行われた場合、多くのメンバーがレイジクイットするリスクがあるため、提案の質が自然と向上します。

参考文献


免責事項

本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。具体的な法律問題については、専門の弁護士等の法的アドバイスを受けることを強くお勧めします。本記事の情報は執筆時点のものであり、その後の法改正や判例の変更等により内容が変更される可能性があります。著者および本記事の発行者は、本記事の内容に基づいて行われた行動に対して一切の責任を負いません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?