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今日も東京は晴れ。3 カラダダイスキ

3.健康志向

2030年5月11日午後3時半。家に帰ってきた。外出から戻るとまずシャワーを浴びるのが習慣となった。

髪を乾かしながら、日本人もずいぶんと変わったものだなあと思う。今の日本人はオーストラリア人と同じぐらい健康・運動オタクである。

十数年前にオーストラリアに駐在していたことがあるのだが、当時、オーストラリア人があまりに体を鍛えることに熱心であることに驚いた。彼ら彼女らは仕事を引けるとランニング、自転車、ボート、カイトサーフィンなどアウトドアスポーツで肉体をきたえまくる超運動オタクであった。

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そのうえ、健康のためと称してサプリやプロテインやマヌカハニーを摂取しまくる健康オタクでもあった。シドニーやメルボルンなどの都会にはゴービタやグレートアースというサプリ屋が沢山あった。ほどなく、私も彼ら彼女らに負けないほどの運動オタク・健康オタクになった。ランニングしまくり、自転車しまくり、グレートアースで高価なマヌカハニーを購入して健康目的で毎日摂取するようになった。

コロナショック後、日本の社会全体でアウトドアスポーツが盛んとなった。免疫力を高めることもブームとなり、健康志向が強まった。私は少し先んじていたことになる。以前のように、シェイプアップや若作りを目的とした見かけの健康志向は邪道とされ、真に屈強な肉体と究極の健康と高い免疫力を求めて体を鍛えることが盛んとなった。

日本が健康運動オタク先進国のオーストラリアに追い付いてきたということなのか。

慢性疾患を抱えないための継続的なトレーニングや、免疫力を増すための食事を含めた本質的な健康増進の取り組みが「良し」とされるようになった。昔のスポーツジム関係の方々やヨガ教室の事業者はこぞって、総合健康コンサル事業や健康関連物販に衣替えした。健康コンサルタントは人気で割の良い職業である。また、物販でも健康関連のサプリは利益率が高いといわれる。健康ユーチューバーとして人気の最大手サプリ通販の有名社長は元ヨガ講師である。今時の人気の情報サイトやnoteサークルは、健康か自然かスポーツをテーマにしたものではないかと思う。一方、糖質ダイエットやシェイプアップは下火となった。

女性も昔のような細身よりも、筋肉質で屈強な人が魅力的とされる風潮になった。ネットのバラエティー番組や健康関連の広告では、元金メダリストの吉田沙保里が一番人気だ。明るくて筋肉質で屈強な女性、まさに女性の理想のイメージだ。アスリートタレントが引っ張りだこである。女優ではアクションもこなせて今や世界的大女優の長澤まさみだろう。大昔、映画「キングダム」でその逞しくも美しい肢体が大評判となった女優だが、背が高くて40を越えても相変わらず筋肉質で健康的だ。一方、細身のタレントは男女ともに減ったように思う。不健康をイメージしてしまうからだと思う。

スポーツでは、自転車、ランニングなどがポピュラーだ。若者層ではマリンスポーツも人気だ。高齢層にはゴルフやハイキングが相変わらず人気だが、高齢者のランナーやサイクリストも増えている。そして10年前と比較して高齢者の屈強度がワンランク上がってきている気がする。そうそう、ゴルフは、昼食をはさまないスループレーになったことも、最近、幅広い世代に人気となってきた要因の一つと思う。

他方、スポーツジムは新型コロナ後、廃れた。球技では、テニスは人気だが、野球はまあまあ、サッカー、ラグビーは下火だ。皆、はっきりは言わないが、体の接触を伴ったり道具をシェアするスポーツを相変わらず避けている。登山は、コロナの年に山小屋で若者が感染源となり高齢登山者が複数名亡くなる事案があったことから、高齢者の間で日帰り以外は忌避されているようだ。

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私の場合、平日はたまに室内でローラートレーニング、週末は自転車でロングライドもしくは登山と秘湯。体脂肪率は10%未満をキープ、頭はともかく体は絶好調である。

喫煙者は激減した というよりまわりで全く見かけなくなった。新型コロナで亡くなった方に喫煙者が多かったことに恐れをなしてタバコをやめた人がいたことに加えて、たばこ税が医療目的税となって段階的に1000%まで引き上げられたことが背景だ。酒税についても医療目的税に区分を変更して大幅に引き上げられた。


Black Swanの独り言

お読みいただきありがとうございます。次回はゲーテッド・コミュニティーについて。貧富の格差の大きなフィリピンや南アでは一般的ですが、治安悪化に感染症の恐れが加わると、日本でも広がりかねないと考えています。次々回は接触経済の縮小で何がおきるか。


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