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地域の宿泊観光客数の推移を活用して売上UPを!(飲食店編)【地方の観光事業者が取り組むべきこと#012】

DMO職員の私が地方の観光事業者向けに、売上UPのためのおすすめ情報を連載しています。第12回のテーマは、前々回の宿泊施設編、前回のお土産屋編に続き、「地域の観光客数の推移を活用して売上UPを!(飲食店編)」です。



1.観光客が多い時期のメニューの準備

宿泊観光客数の予報や過去の売上実績等をもとに、多い時期は、観光客向けのメニューの充実を図ることが重要です。地域の日別の宿泊観光客数の予報のデータが取得できる場合は、多くなる曜日やイベントの開催日を参考に準備すると良いでしょう。


鹿児島市の日別の宿泊観光客数の実績と予報

観光客は、その地域でしか味わえない料理に惹かれることが多いため、地元産の季節の食材を使ったメニューで訴求することが重要です。
キーワードは「今だけ、ここだけ、あなただけ」。桜島大根(2月)などの季節限定の食材を使った、お店オリジナルの、数量限定メニューを提供できれば強いでしょう。

地元産食材は、県外から仕入れるよりも、仕入れ値が上がる場合がありますが、観光客からすると、そこが付加価値となるため、価格に反映させる必要があります。

また、観光客向けのメニューの充実により、地元客が離れるのが、怖い場合は、松竹梅の価格設定をし、地元客向けには梅、せっかく遠くから来たので、良いものを食べたい方には、松、一般の観光客には竹を選んでもらう方法もあります。

2.観光客にお店の情報を届ける

①来店前
観光客向けのメニューの準備ができたら、観光客にその情報を伝達する必要があります。
最初に取り組むべきは、ユーザー数世界一のGoogleやGoogleMap上での正確な情報の発信。いまやGoogleとGoogleマップの店舗情報は、SNSより見られています。しかも、観光客は、地元客よりも地域のお店の情報がないので、Googleで検索し、お店の評価や口コミをもとに、お店選びをすることが多いです。
まずは、Google上でお店の正確な情報掲載するとともに、観光客向けのメニューがあることを発信することが重要です。

②地域のDMO・観光協会のWEBサイトへの掲載
地域DMO等は、地域のおすすめのグルメやモデルコースを集約した公式WEBサイトを持っています。また、WEBサイトはGoogleのSEO上も上位検索されるものが多く、そこに掲載されれば、観光客の目に留まる確率も上がります。DMOや観光協会によっては、団体の賛助会員になることを条件に、掲載できる場合があります。まずは、問い合わせてみられてはいかがでしょうか。

2.閑散期対策

1月・2月の閑散期は、観光地を訪れる観光客数が減少するため、観光客の誘客が難しくなります。ここでは、閑散期の効果的な取組をご紹介します。

①お店の顧客リストの整備・既存顧客への情報伝達
地域のDMOが運営している観光アプリのCRMの仕組みやLINEの活用により、顧客リストを整備し、お店のおすすめ情報を伝達することで、既存顧客の再訪を促すことが可能になります。特に閑散期は、お店の混雑も緩和され、一人ひとりのゲストに丁寧な接客できるので、ゲストの満足度向上にもつながります。
また、顧客リストは閑散期の資産になります。ぜひ、積極的にゲストに声掛けをして、アプリやLINEの会員の獲得に努めていただきたいと思います。
②地元客へのアプローチ
地元客のアプローチにより閑散期の誘客を図ることも効果的です。地元客限定の割引や地元客限定メニューの提供し、ポスティング等をすることで、単価は下がるものの、安定した収入を確保することが可能になります。

3.まとめ

宿泊観光客数の予報や過去の実績を見ることで、地域の繁忙期と閑散期を把握することが可能になります。繁忙期には、地元産の食材を活用した限定メニューの提供やGoogleMap等を活用した観光客への情報伝達により、売上増を狙うことができます。

一方、閑散期には、既存顧客へお店のおすすめ情報を伝達することで、再訪を促したり、地元客へアプローチをすることにより、安定した収入の確保が可能になります。

近年、DMOや行政から宿泊の動向や観光客の興味・関心を示したマーケティングレポートがWEB上で公開されています。ただ、レポートは、飲食店が、A・B・Cのどの料理を提供するか、何人の従業員で回すか、など、ビジネスにおける意思決定に使われないと意味がありません。

ぜひ、レポートを活用して、「お店の課題を見つけ、課題の解決をデータから読み解き、ご自身のビジネスに活用する。」サイクルを回していただければと考えております。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。



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