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地域の宿泊観光客数の推移を活用して売上UPを!(お土産屋編)【地方の観光事業者が取り組むべきこと#011】

DMOの職員の私が地方の観光事業者向けに、売上UPのためのおすすめ情報を連載しています。第11回のテーマは、前回の宿泊施設編に引き続き「地域の宿泊観光客数の推移を活用して売上UPを!(お土産屋編)」です。


1.来訪が予想されるターゲット顧客に合わせた商品の準備

宿泊観光客数の実績や予報を基に、どの時期にどのような人が訪れているか分析します。地域のDMOが配信するマーケティングレポートや行政がまとめた観光統計をみるといいでしょう。

鹿児島市の宿泊観光客数の推移
鹿児島市の外国人宿泊観光客数の推移

例えば、鹿児島市の外国人宿泊観光客数の推移によると、12月は香港の宿泊者が多く、2月・3月はゴルフを楽しむ韓国の宿泊者が多くなっています。香港の宿泊者が多い時期は、お菓子や季節の果物を準備することが重要で、韓国の宿泊者が多い時期は、お酒の充実が欠かせません。市場ごとにゲストが多い時期を分析し、対応していくことが重要です。

2.宿泊観光客数の予報に基づく在庫管理

宿泊観光客数の予報をもとに、どの商品がどれぐらい売れるか予測し、在庫の適正化を図れます。売れ筋商品の欠品を防ぎ、不要な在庫を減らすことにで、利益の最大化を図ることができます。

3.閑散期対策

お土産屋さんも宿泊の閑散期に入ると、当然売上は落ちることとなります。鹿児島市でいうと、梅雨時期の6月、冬場の1月・2月が閑散期で、この時期に、しっかり対策を打ち、将来の誘客につなげる準備や売上の平準化を行うことが重要になります。

① 近隣の観光施設やホテルスタッフの誘客
将来の誘客につなげる準備として、近隣の観光施設やホテルのスタッフ向けのお店紹介キャンペーンを実施することも有効です。例えば、キャンペーン情報等を掲載したビラを郵送し、来店を促進します。観光施設やホテルは観光客からお土産屋も含め、おすすめのお店を聞かれるもの。閑散期で、時間がある時に、地元の観光施設やホテルスタッフに、お店や看板商品の特徴・強みを丁寧に説明することで、観光客に紹介してもらえる確率を高めることができます。

具体的には、どんなゲスト(香港人、アメリカ人、ビーガン、日本人の高齢者、修学旅行生)に喜ばれる店か、宅配便サービス対応、免税対応、英語対応、キャッシュレス対応、試食の充実など。ホテルスタッフ等が観光客に紹介したくなるポイントを知ってもらうことが重要になります。場合によっては、ホテルスタッフ等からのフィードバックもあるかもしれません。
ただ、受入環境整備が脆弱な状態で、これをやると、逆効果になる場合がありますのでご注意ください。

②地元住民向けのプロモーション
閑散期は観光客の需要が減ってしまうため、地元住民向けのプロモーションを展開し、売上を補完することも重要になります。地元住民限定特典として、新商品のサンプルプレゼントなどが考えられます。また、閑散期は接客に時間を使えるため、試食をしてもらうことで、地元のお土産を知ってもらう機会もつくれます。
特に県外からのゲストをもてなす機会が多い地元の人に気に入ってもらえれば、県外客を送客してくれるかもしれません。

③オンライン販売
また、自社製造のお土産がある場合は、地元の団体等が運営するオンラインショップで販売することで、閑散期でも一定の売上を上げることが期待されます。

4.まとめ

地域の宿泊観光客数の推移を確認することで、どの時期にどんなお土産を充実させれば、売上アップを図れるか見えてきます。在庫の適正化にもつながるでしょう。

また、地域の閑散期には、近隣のホテルスタッフや地元住民へキャンペーンを実施することで、将来の顧客獲得や売上確保につなげることができます。
いずれにしても、まずは、自分のお店が、どのターゲットにどのような価値を提供しようとしているのか、しっかり考えてた上で、繁忙期対策・閑散期対策を進めることが重要です。

その上で、地域のデータを活用できれば、さらなる売上アップにつなげることができると思います。
さらに、お店のターゲット顧客が地域に来ていないのであれば、地域マーケティングをしているDMOに相談するのも有効かもしれません。ひっとしたら、DMOが誘客に動いてくれるかもしれませんし、お店のターゲット顧客が地域に来ていない理由を説明してくれるかもしれません。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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