需要のない支援と美味しいカレー論争
みなさんはこんなサービスがあったらどう思うだろうか。
誰が利用するんだこんなサービス、と思ったのではないだろうか。
「特定の規格しか受け付けない鍋のほうを改良しろよ」
「美味しいカレーの作り方なんてこっちが決めるわ」
「材料の準備とか調理のような面倒臭いことを代行してくれないとお金を出す価値を感じない」
「100円の1回払いのみだったらいいよ」
などなど、ツッコミどころが大量に出てくるのではないだろうか。
鍋とか料理のような人々がイメージを持ちやすいものであれば、自身の持つ生活感覚で適切にジャッジすることができる。
しかし、提供しているものがもっと抽象的な〇〇コンサルとか〇〇アドバイザーのような分野だと、これと似たようなサービスを堂々と掲げている人が結構いる。
「いやいや、その鍋をどうしても使わなきゃいけないって人にしかニーズないし、そんな小さなマーケットにアプローチしても稼げないでしょ」という話。
「しんどいことをやりたくない」と思ってオプションから外しまくると、サービスは最終的にこのような形になる。私もやってしまったことがあるが、このしんどいことから逃れる行動は無意識のうちにやってしまいがちだ。
理想の美味しいカレーについて論争を繰り広げるのは楽しいし、実態を知らない人たちから見ると仕事をしてるように見えるのかもしれない。
一方で、内実を知っている人たちはサービス提供者のことを見限って離脱してゆく。売上が立たなくなり、その段階で何とかしろと慌てるのである。
もちろん、「あなたのサービスのこの点ががイマイチですよ」と伝えたりはしない。ライバル会社は欠点が残り続けることで得をするし、消費者は指摘したとしても角が立つ恐れを感じて率直な指摘を控えるようになる。
仮にお金をもらってアンケートを求められても、メリデメをシビアに比較して考えないので本質的な解決策に行き着く可能性は低い。
孤立している人間ほど「支援」という言葉の便利さで罠にハマる。「本当に自分って役に立ってるんだっけ?」というアンテナはビジネスマンとして必須のスキルである。
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