マガジンのカバー画像

観藝記

235
観賞、鑑賞、観戦、自他混合。映画、ドラマ、スポーツ、小説、落語、音楽、などなど。
運営しているクリエイター

記事一覧

これぞ大大どんでん返し!恐怖 (1961) 英

セス・ホルト監督 これは怖い! でも、絶対面白い! どんでん返しという言葉は よく使われますが これほどの どんでん返しは そうそう あるもんじゃ ありませんぜ。 そのため 当時、監督さんは 細かいショットから あれこれ想像されないようにと ポスターも 一種類しか作らず もちろん、 映画館の途中入場も「絶対、お断り」にした。 日本もそうだったけれど この当時は 入れ替え制ではない 映画館が多く 途中で入って来る人も 出て行く人もいたんですよ。 ジャスミン (←私よ

フィールド・オブ・ドリームス(1989)

のどかな野球場が見せてくれる夢 穏やかでファンタジックな野球映画 野球界の最高峰アメリカ・メジャーリーグをめざし、日本の多くのプロ野球選手たちが海を渡りました。心身ともに屈強な外国人選手たちの中で切磋琢磨する日本人選手たちの姿は胸に響くものがあります。 中でも、けた外れの成功を成し遂げた大谷翔平選手は、自分を信じて好きなことにとことん打ち込み、たゆまぬ努力を続けることの素晴らしさに改めて気づかせてくれました。 野球はアメリカンドリームの象徴の一つと言えるでしょう。アメリ

北野武監督『首』は面白かったけど誰か解説を!/真野愛子

北野武監督の映画『首』を観てきました。 客席はほぼ埋まってました。 おじさまがいっぱいでしたけど、若い男女も結構いました。 わたしは北野映画をすべて観ていますので、ここで唐突に、わたしの好きな北野映画ベスト3の発表です。   第1位『あの夏、いちばん静かな海。』(1991年) あ、これ、下位から発表する“盛り上げスタイル”ではありません。サラッと行きたいので1位からです(笑)。すみません。 第2位『菊次郎の夏』(1999年) 第3位『監督・ばんざい!』(2007年) た

真田広之さんがあんなにカッコイイのはなぜだ!/真野愛子

米テレビ界最高の栄誉とされる第76回エミー賞で、日本の戦国時代を描いた米配信ドラマ『SHOGUN 将軍』が連続ドラマ部門の18冠に輝きました。 主演の真田広之さんは主演男優賞、さらにプロデューサーとして作品賞も獲得しました。 スゴイっ!!!!! じつはわたし、以前のnoteの記事で真田広之さんについて書いています。 たった一行ですけど、「真田広之さんもそうですが、米国は俳優さんが映画づくりに積極的に関わってますよね」と。以下の記事です。 ずっと真田さんの裏方としての動きが

本気で選んだ最も偉大なアーティストランキング 〖後編〗50~1位

後編です‼️ 前編は淡々とアーティストを紹介してたんだけれども、流石に後半になってくると、その偉大さとともに熱量を帯びてきてかなり文量が多くなってしまった。別にマニアを唸らせるような豆知識などなく、むしろミーハーっぽい文章なのだが、それでも読んでくれるとありがたい。 ちなみに前回(前編)の記事はこちら↓↓ 50位 ミッシーエリオット(+ティンバランド) R&Bの持つ前衛さを極限まで煮詰めた存在が彼らなのかもしれない。 元々、2人はソングライターとしてアリーヤやSWVに楽

本気で選んだ最も偉大なアーティスト ランキング 〖前編〗TOP100~51

○傍若無人なローリング・ストーン誌ここ数年ローリング・ストーン誌はかつて自分たちが定めてランキングを改訂しているが、その選定基準は疑問に思うばかりだ。なにせ、バランスがグチャグチャなのだ。今まで保守派を貫いた反動で、過度に伝統的な名盤やアーティストを下げ、その空いた枠をこれまで過小評価を受けてきたミュージシャンが埋める形になっているため、「エリック・クラプトンが偉大なギタリストTOP30に入らない」「Hey judeが偉大な曲TOP50に入らない」という流石にやりすぎじゃない

奇跡の人 (1962) 米

アーサー・ペン監督 幼い頃の高熱により 視力、聴力、言葉さえ失ってしまったヘレン・ケラーが 家庭教師アン・サリバンの 厳しい教えによって 人生の光を見出すまでの物語。 ジャスミン(←私よ) は15歳。 公開当時、劇場に観に行きました。 学校の推奨映画であり 感想文も提出させられましたよ。 感想文なんて そのときはただ面倒で チェッという感じですが 後で思うと 書かされて良かったなと思う。 この映画はその時の一度と 数十年後にテレビで一度、観ただけだと思うけど 実によく

大洪水の最中のタイで世界戦~2011年11月4日・WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ、スリヤン対名城信男

これまでタイで世界タイトルマッチを何試合も観戦してきたが、初めての観戦は、2011年11月4日にバンコクの国立競技場で行われた、WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ、王者スリヤン・ソールンビサイ対挑戦者5位名城信男戦だった。今回は、この試合のことを当時の写真と共に振り返ってみたい。 王者スリヤンに挑戦する名城信男の試合は、それまでに一度、大阪で見たことがあった。2004年8月7日に大阪府立体育館で行われたプロボクシングアジア大会という興行だったと思う。関西の有名ボクサー

人生で観るべき映画にランクインされる不朽の名作: カサブランカ〜市民ケーン〜わが谷は緑なりき〜自転車泥棒〜逢びき〜道〜アラビアのロレンス〜ローマの休日〜誰が為に鐘は鳴る〜雨に唄えば

この記事はメンバーシップに加入すると読めます

スター不在の舞台、されど輝きを放つ者たち

 俺は凄えものを目にしてきた。  夏休みに遠方へ旅行に行くにはちょっと財布が寂しいからと後楽園ホールに足を運んでみたのだが、そこでは壮絶な闘いが繰り広げられていた。  その闘いとはプロレスリング・ノアのリーグ戦「N-1 VICTORY 2024」だ。  同時期に行われている新日本プロレスのリーグ戦「G1 CLIMAX34」と比べるとまだ認知度は物足りないものの、会場の熱気や試合の白熱ぶりは決して負けていない。プロレスリング・ノアの選手たちも業界トップの座を狙わんとその炎

【五輪】パリ2024・超個人的名場面集5選

みなさんお疲れ様です。 深夜の酒を解禁した夏木です。 18日振りに飲んだ結果「あれ?ウイスキーってこんな味だったっけ?」てなってます。 やっぱnoteは飲みながらのほうが筆が進むってもんですわ。 さてオリンピックの名場面集を書こうと思ったのですが、メダル獲得シーンはすでにテレビやネットの動画なんかで散々紹介されているので、それじゃ面白くないなと。 そこで今回はパリオリンピックを172時間視聴したオリンピック狂が選ぶ超個人的名場面集をお届けします。 【スケートボード女子パ

【五輪】パリ2024 大会10日目・お茶の間観戦記

陸上が始まるとオリンピックも後半戦です。 みなさんそろそろ疲れてくる頃かと思いますが、まだまだ面白い競技は沢山控えています。 一緒に最後まで楽しみましょう! では大会10日目のハイライトです。 ゴルフ男子最終日松山英樹が日本男子ゴルフ初のメダルを獲得! ちなみに女子は東京大会での稲見萌寧ちゃんの銀メダルが初でした。 正直「あのパッドが入っていれば…」と思うようなシーンが多かったですが、それでも単独での銅メダルは素晴らしい結果です。 もしもプレーオフになっていたら厳しかっ

【五輪】パリ2024 大会6日目・お茶の間観戦記

今大会の日本チームの傾向として、グループリーグ戦の初戦を落とす競技が多いなと感じます。 無敗で勝ち上がったのは、おそらくサッカー男子だけではないかと。 勢いをつけるためにも白星スタートが望ましいですが、まぁ2戦目以降を全部勝てば結果オーライです。 では大会6日目のハイライトをお届けします。 バレーボール男子・アルゼンチン戦バレーボールの戦術は時代によって進化してきました。 高さこそが正義、という概念を打ち壊した「速攻」や「時間差攻撃」が生まれ、さらに「ブロード」「パイプ」

読書記録R6-102『うろんな客』

エドワード・ゴーリー著 柴田元幸訳 河出書房新社2000年11月初版 エドワード・ゴーリー 1925年、シカゴ生まれ。独特の韻を踏んだ文章と、独自のモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表している。また他の作家の作品の挿画や劇場の舞台美術なども手掛けた。その幻想的な作風とアナグラムを用いたペンネームを使い分け、たくさんの私家版も出版したために多くの熱狂的コレクターを生み出した。 2000年4月15日、心臓発作のため死去。享年75歳。 柴田元幸 1954年、東京生まれ。