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WEリーグ取材は忘れられないだろう劇的ゲームから始まった WE Love 女子サッカーマガジン

昨日、2023年11月18日に開催された2023−24 WEリーグ 第2節はWE Love 女子サッカーマガジンとして初めての取材でした。WEリーグの試合会場で取材できるメディアは限られており、これまで、WE Love 女子サッカーマガジンは取材申請が可能なメディアとして認められていませんでした。これが、記念すべき、初取材の記事です。アディショナルタイムに決着する素晴らしい試合でした。

すでに、一年以上前からWE Love 女子サッカーマガジンはJFAの主催試合は取材することができました。なでしこジャパン(日本女子代表)の国際試合、皇后杯 JFA全日本女子サッカー選手権大会の取材を記者席、ミックスゾーンでしていたため、WEリーグの取材を「初取材でした」と書くと、意外に感じていただく方が多かったようです。
※2023−24 WEリーグカップ決勝は取材可能でした。(追記)

WE Love 女子サッカーマガジンでは、日頃から、JFAハウスや、WEリーグ各チームのクラブハウスを訪問してインタビュー取材を行い記事掲載してきました。その実績の積み重ねが、取材申請が可能なメディアの規制を緩和することにつながったのだと自負しています。また同時期に、WEリーグは地元メディア(各チームのホームタウンで活動する「ネットメディア」)の規制を緩和しています。これは、各地域で活動されていらっしゃる皆さんの実績が評価されたものだと思います。そして、WEリーグは目に見えて変化してきています。

取材を制限する理由も理解しなければならない

では、なぜ、WEリーグは取材申請が可能なメディアの制限を行うのでしょうか。そこには理由があると思います。サッカー界は、かつてJリーグブーム、なでしこブームという二つの空前のブームを経験しました。スポーツの範囲を遥かに超えた社会現象として記録されるほどの熱狂で多くのメディアが取材を希望しました。取材できるスペースは限られているため、当時、これを制限する必要が生じたのです。

また、サッカー界では、メディアやサポーターがクラブ、選手、協会等の団体を批判することが普通に行われています。それが、サッカー界の成長を促してきたのですが、中には「過度の批判や誹謗・中傷を売り物にしている」人物や個人レベルのサイトやブログも存在しています。ゴシップや女性アスリートの性的切り口のコンテンツで広告収益を上げているサイトやブログも存在しています。それゆえに「ネットメディア」を自称する発信者の取材を無制限に受け入れることが難しいというのも理解できるところです。

ただ、取材を制限することで生まれる弊害は大きい

ところが、取材の規制は、WEリーグの認知や理解の拡大を阻害することにもつながります。WE Love 女子サッカーマガジンが取材に至るまでに3年間の月日を要したことからわかるように、新たに誕生した「ネットメディア」が試合会場で取材するのは容易ではありません。そのため、どうしても、従来から存在する男性のスポーツを中心に報道するメディアへの露出の比重が高くなり、女子サッカーは小さく扱われる位置付けから抜け出すことができません。例えば、女性のキャリアや女性のスポーツをテーマにした「ネットメディア」が試合会場での取材を希望した際に、すんなりと取材申請をできるわけではありません。親子のお出かけ情報を掲載する「ネットメディア」の取材記事も見たことがありません。

WEリーグの皆さんには、とても良くしていただいています。スタジアム外での取材は、多くの取り計らいをいただいていますし、今年は、チェアの髙田春奈さんのトークステージのMCを努めさせていただきました。渋谷で夢を語り合う機会もあります。それでも、いざ「ネットメディア」のポジションで試合会場での取材申請となると、破れないガラスの壁がありました。大手出版社や新聞社と無関係な「ネットメディア」に携わる人に立ちはだかるガラスの壁です。ただ今回、その扉が開き、小さな「ネットメディア」が通過できたことは、とても大きな転機になると考えています。

制限緩和には「ネットメディア」側の努力も必要

WE Love 女子サッカーマガジンのみならず、多くの「ネットメディア」や取材者がWEリーグの取材をできるようになると、もっとWEリーグと女子サッカーの魅力や価値が広く知られるようになると思います。ただ、そのためには「ネットメディア」側も努力する必要があると感じます。

一次情報により記事のクオリティを向上させること。「ネットメディア」のビジネスモデルに対する理解を促すこと(広告モデルのみによるスポーツ報道の限界:NYタイムズはサブスクモデルのスポーツメディア『TheAthletics』を買収し収益を伸ばした)。その二つは不可欠です。そして、WEリーグの目指すところを「ネットメディア」側が深く理解することも必要です。そのため、私は、次のアクションを考えています。「ネットメディア」や取材者、そして、WEリーグや女子サッカー関係者が力を結集し、女子サッカーの価値を活かせる新しいマーケットを開拓していくために。

今後のWE Love 女子サッカーマガジンにご期待ください

まずは、その前に、WE Love 女子サッカーマガジンは、試合をレポートする無料記事と、女子サッカーを深く掘り下げた有料のインタビュー記事の二本立てで進めていきます。ご期待ください。

ありがとうございます。あなたのご支援に感謝申し上げます。