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多くのサポーターはJリーグの早期再開を「希望」。しかし、同時に「現実」の難しさも認識していることがわかった523人の調査結果。

あなたはJリーグ再開をどのように希望しますか?「過半数が早期の再開を希望している。」と聞けば「あぁやっぱりそうか。」と感じるだろう。ただ、もう少しばかりサポーターの気持ちを理解してほしい。現実は、そう簡単ではないことを、多くのサポーターは感じているのだ。

調査結果の詳細(回答者数や属性等)はこちらでご覧ください。

52%がJリーグの早期の再開を「希望」している。

過半数が6・7月の再開を希望していることになる。7月再開であれば、タイトなスケジュールであるがリーグ戦の全日程をこなすことが可能だ。

希望

52%が早急な再開決定を難しい「現実」と考えている。「希望」と「現実」は全く逆だ。

「希望」ではなく「現実的な方法」について質問すると回答は合わせ鏡になった。上の円グラフと比較すると、全く逆の結果になっているのだ。過半数が「状況を見て再開を検討する」もしくは「中止」と回答している。
「現実」の難しさをサポーターも理解している。

現実的

この調査は、緊急事態宣言の範囲が全国に拡大される直前に行われたものだ。

緊急事態宣言の範囲が全国に拡大された今、同じアンケート調査を行えば、おそらく「現実」の難しさを、さらに多くのサポーターが感じているはずだ。

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何がなんでもJリーグを再開させようとしなければならないのだろうか。大きなジレンマが存在する。

クラブの経営面やスポンサーとの契約条件、選手の雇用を守るため等の理由もあり、Jリーグを再開できれば再開した方が良いに決まっている。サポーターの立場から見れば「早く試合を見たい!」楽しみたい。しかし、人と人との接触を大幅に減らさなければ新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐことができない「現実」がある。

楽しみたい、しかし、社会システムを維持することを優先しなければならない。「Jリーグ百年構想 〜スポーツで、もっと、幸せな国へ。~」というJリーグ百年構想を理解しているサポーターにとっては「自分の楽しみとJリーグの社会貢献の両天秤」が大きなジレンマとなる。

無観客試合の導入を支持する回答が多い。

先のアンケート調査では「Jリーグ再開のために無観客試合の導入やむなしという回答が多数」という集計結果が出ている。

無観客試合

ここまでがアンケート調査結果の話だ。ここからは、どうすれば良いのかの話に移る。

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無観客試合を導入するのも簡単ではない。都道府県をまたがる移動をすることは果たして社会の理解を得られるのだろうか。

緊急事態宣言下では都道府県をまたがるような中長距離の移動を自粛するように要請が出る。無観客試合とはいえ、選手・関係者の全国各地への移動が広く社会から理解を得られるかどうか疑問がある。もし、仮に緊急事態を脱したとしても、引き続き、出来る限り中長距離の移動を回避することが新型コロナウイルスの感染拡大に役立つことに変わりはないからだ。

例えば、1箇所に集合して無観客試合を行う場合でも中長距離の移動を伴う。そして集合したら、絶対に感染者を出すことは許されない。

例えば、Jヴィレッジで全試合を開催するとしても、試合開催のために、全国から選手・関係者がJヴィレッジに移動する必要がある。そして、絶対に感染者を出すことは許されない。なぜならJリーグがクラスターになれば、Jリーグの再開は社会から袋叩きに合う可能性が高いからだ。そして、集合した全クラブの選手が集団感染の危機にさらされることになるからだ。Jヴィレッジに移動し、まずクラブ毎に2週間の完全隔離。すべての選手・関係者がPCR検査で陰性であることを確認した後に試合を開催したとしても、どこからか新型コロナウイルスに感染するリスクは存在する。果たして、リスクを背負ってJリーグを再開する価値はあるのだろうか。

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難しい決断を迫られるJリーグ。

私は、できればJリーグの再開を希望する気持ちがある。早期再開のために外出を極力控え感染拡大を防ぎたいと考えている。一方で、客観的に見れば、後半で書かせていただいたように、無観客試合を導入しても拭いきれないリスクは、この先、余程のことが起きない限りは存在し続ける。

緊急事態終了のその日まで、Jリーグの冷静な判断を待ちたい。

前半で紹介したアンケート調査結果を見れば、もし、仮にJリーグがリーグ再開を断念したとしても「サポーターから猛反発を一方的に食らう」という場面に遭遇する可能性は、多くの人が想像するよりも高くないようにも思える。

再開か?再開断念か?いずれの決断をも受け入れる心の準備を、多くのサポーターは持ちつつあることも、Jリーグ関係者には理解しておいていただきたい。


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