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父母の記録

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父母の覚悟を見届けた。記録しておかなければ。
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#後悔

記憶を失っていく、それでいい

記憶を失っていく、それでいい

≪失っていく過程≫

施設に何年もいることになった母は自宅に帰りたがった。父は「帰ってどうするだ」といさめていたが、父だって帰りたかった。母は「おじゃんぼん(葬式の方言)で帰れる」と言って諦めていった。その後、父に言われたのか帰りたいと言わなくなったのが却って哀れであった。
遠方で働いていた私は医師を辞めて帰ることも考えたが、地元にいた兄が亡くなったばかりであり、兄の妻もがんで入退院を繰り返してい

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食べない母に食べさせようとした後悔

食べない母に食べさせようとした後悔

母はだんだん衰弱し、ついに軽い脳梗塞で入院した。入院後、だんだんしゃべらなくなり、食事もとれなかった。そのうち、発熱し、誤嚥性肺炎と診断された。経鼻胃管を提示されたが、拘束が必要になるため、断った。いわんや胃瘻は母の意思に反する。
とろみのついた水、おそろしくまずいゼリーが供された。リハビリ専門職員が口元までスプーンを運ぶが、口をつぐんでいる。食べなきゃと言って、私も試みるが唇は閉じたままである。

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「幸せな老後」はうさんくさい

「幸せな老後」はうさんくさい

父母が介護施設に入ることを決定づけた出来事があった。母はベッドに寝ていたが、夜間トイレまで歩いていくことが困難となり、寝室にポータブルトイレを置いていた。朝その処理をするのが父の役割になっていた。
ある夜、母はベッドと壁の隙間にはまり込んでしまった。私の夢を見て、ねぼけて、子供の私に布団をかけようとしたという。私は、こたつでも、廊下でも、畑でも、どこでもすぐ寝てしまう子供であった。
母ははまり込ん

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