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「令和のダラさん」妖怪を舐り回す令和最強ヒロインが超ヤバイ(ネタバレ有)

・はじめに


今一番面白いマンガというのは刻々と変わる。

もちろん日本の今を描き続ける解体屋ゲンや圧巻の作劇が続く国境のエミーリャ、もはや手の付けられない表現力のメダリストなど、もはや一番がどうのとか以上の高みにある作品もあるのだが。

そんな中で令和最新、今一番面白いかも知れないのが「令和のダラさん」(ともつか治臣・KADOKAWA)である。


・あらすじ


大雨の夜、山の祠の様子を見に行った祖父を追った三十木谷(みそぎや)日向(ひなた)と薫(かおる)のきょうだいは山に隠された秘密を知る。

はるか昔、巨大な大蛇(おろち)に襲われた村を救った巫女姉妹がいた。だがその妹は陰惨な死を遂げ、倒した大蛇である谷跨斑(ヤマタギマダラ)の半身と融合して屋跨斑(ヤマタギマダラ)と呼ばれる六本の腕と蛇の下半身を持つ妖怪…祟り神となっていた。

そして三十木谷家という山守を得て、屋跨斑は令和の今も山に棲んでいたのである。最強クラスの妖怪と遭遇した三十木谷きょうだいの運命は……運命は……きょうだいの胆力ヤベェ、どうする屋跨……ダラさん!!

各回、前半は屋跨斑誕生のガチホラー、残りは三十木谷きょうだいに振り回される逆居候日常コメディ?なんだこのマンガ……

・登場人物


◇屋跨斑(ヤマタギマダラ)

愛称ダラさん。またはオマタギサマ、最近はオマタギチャン。前述のとおり最強クラスの巫女と最恐の大蛇のハイブリッドであり、作内で現在までは圧倒的最強妖怪である。異界との行き来が可能で普段は異界に身を隠している。

ときたま姿を消して町に出没していたため昭和から平成初期くらいの文化にも理解がある。もともと有能な巫女であるため器用かつド真面目なのだが、そこを突かれて三十木谷きょうだいに色々と開発される

一緒に巫女をしていた姉は超美形であったがダラさんは基本薄い日本顔である。その差のコンプレックスはなかった様子。昔の生まれだが長身で、かなりのナイスボディである。腕六本で下半身は蛇であるが、巧妙に人間の形になる技もある。

◇三十木谷日向(みそぎやひなた)

屋跨斑の棲む山を管理してきた三十木谷家の長女で中学二年生。ハーフだが日本人の母の遺伝が強く、黒髪のボーイッシュな少女。ただし一部母の遺伝が薄く、そのためその一部は薄くなっている。

霊感が非常に高く、姿を消したダラさんや妖怪を見たりさわったり出来る。学力も高い。囲碁将棋所属。

◇三十木谷薫(みそぎやかおる)

三十木谷家の長男で小学五年生。オーストラリア人の父の遺伝が強く、ちょっとそばかすのある金髪碧眼美少女である。長男で美少女……ボーイッシュな姉である日向が着なかった服を普通に母に着せられていたため、女の子向けの服やリボンも気にせず着ており、見かけは完璧な美少女である。

ただし、本人の性格は男の娘ではなく「近所の巨乳のお姉さんが好き」というエロガキの魂の権化である。女装癖とかの意識はないが、自分が日本の小学生としては圧倒的に可愛いという自覚はあり、普通に生活しつつもダラさんに魔性と呼ばれる程度には関わる人々の心を手玉に取っている。もはや女装はそのための武器なのだが、クソ可愛いので誰も文句は言わない。どこまで進む気だこのガキは!!

姉程の霊感はないが普通の人よりは上のよう。ダラさんの前ではエロガキの魂をフルオープンにしてダラさんのアレやコレをねぶったり嗅いだり咥えたりとやり放題(いや、髪とか手だけ……あ!)。まあ、最初に全裸を見せて〇〇させたダラさんも悪かったのだ。お姉さんがしてはいけないやらかしもしたし。

あと、謎の工作センスと画力もある。妖怪知識も小学男子としてある。そして当然現代の小学生としてのエロ知識とそれを得るためのデジタルスキルも……


・逆居候コメディと令和最強ヒロイン


各回前半のガチホラーはもうストレートに大蛇との対決や陰惨なダラさんの死と再生、そしてその後が描かれる。村を襲う大蛇、護った人々に裏切られる巫女。圧巻の筆力で上質な劇画、日本画のごとく描かれるそれは、1巻あとがきに脳梗塞の影響で今も満足に動かない右手などと書かれても「いやいや何それ」と思ってしまうのだ。いや、大変すぎるのだが!ベタの配分が実にうまい。

そして中盤からの日常コメディ(回によってはたまに現代ホラーの場合もある)。ダラさんに令和を食わせ、飲ませ、芸を仕込み、異界へお宅訪問して宅内に秘密基地を作る姉弟の胆力。もはや敬意もなさそう……でも、姉弟なりの誠意はあるのでノリでつきあい、努力し、成長して、たまには妖怪の手から守るダラさん。

もはやオバQを彷彿とする藤子不二雄先生な居候ギャグなのだが、作者の硬軟自由自在の画力とギャグセンスが異なるマンガとして読ませるのである。逆居候のごとくダラさんの家でやりたい放題の姉弟。

特に少年の欲望を全てダラさんに向ける(他にも近所の巨乳のお姉さんは用意されている。なお姉弟の母が一番……)薫の顔は超絶美少女から欲望まるだしの変顔まで恐るべき振り幅に。もうね、最強妖怪。

ギッシリ詰め込まれた性癖の汁が小学5年生の金髪碧眼美少女という皮でくるんでも完璧な小籠包のようにジュワっと溢れ出るヤバさ。でも誰も止められない。ここに令和最新最強ヒロイン(男)が誕生してしまったのである


・おわりに


2巻まで存在を知らなかったのだが、手に取るともう止まらない。単行本が待てず電子書籍で毎月販売される単話にも手を出すくらいには面白い。ネタのため三十木谷薫の話に終始したが、実際はホラーの設定にもしっかりと厚みがあり、読み飛ばすコトなく二作としても堪能できる。

話が進み、キャラも増加するのだが、家族や同級生たちもしっかりとキャラが立っており、話が薄まったり散漫になるコトもない。新たな近所の巨乳のお姉さんも、新たなコメディリリーフ(?)も素晴らしい働きをしている。

全話神回すぎる「令和のダラさん」とてもアニメに相性がいいと思われる。作内と現実のスキマでは劇場版もゲーム化も……なので、是非テレビやスクリーンで動くダラさんたちが見たいものである。

現在3巻まで。ニコニコ静画でも読める!!




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