卒業って思いました。(オーディオのお話)
クルマをね、買ったのです。
2年前に自分用の仕事クルマを手放して、それでも困ることなく働いていたのですが、ここ数ヶ月で『やっぱもうムリー』ってなりまして。
びーえむさんとカブちゃんで仕事の移動も貫徹と思っていたのですが『今日は雨だから仕事に行けません』って、そんなことも言っていられなくなり。
そしたらカーオーディオな記憶もイロイロと蘇ってきて。
*いつか装着しようと思って保管しといた。
このスピーカーメーカーに在籍していた時、いくつかのモデルの開発に関わりました。その中でも最も思い入れがあるというか責任重大だった製品がコレ。カーオーディオ用のスピーカーです。
2009年にリリースしたモデル。いつかソノ気になった時、自分の車に装着しようかなと思って、当時社販で新品を購入して保管しておいたのです。
久しぶりに自分専用のクルマを入手したので『嗚呼、ソノ時が来たかな?』って、なんとなく思いましてね。前のクルマを購入した時にはそんな心持ちにならなかったのですが、なんでだろ。ちょっと不思議。
*でも、不安になって。
2009年って言ったらもう15年も前のことです。当時のワタシはどんな聴覚だったのかちょっと不安になってきました。
なので懇意にしているカーオーディオ専門店にこのスピーカーを持ち込んで試聴させてもらったのです。
試聴をお願いしたお店はココ。
ココの店主、釣りばっかりやってるダメなおじさんだけど、カーオーディオの施工に関しては良い腕をもっています。ま、用もないのにお邪魔して、店先で葉巻をプカプカやってるワタシもどうかと思うので、ダメ具合はお互いさまだな。
で、試聴。
15年も寝かしていたユニットだから事前に簡単な身体検査はしておいたけど、通電直後は『ぐぇ、やかましい音だなオイ』って思いました。そのあと1時間くらい聴いていたら、まぁそうか、そうだったなって落ち着いてきた。
試聴前、バッフルボードにスピーカーを取付てもらっている時、42歳のワタシは一体どんな音を『良き』としたのか、もうなんか怖くなってきていたのだけど、実際に出てきた音を聴いたら納得した。したように思います。
俗に言う『ポン付けスピーカー』です。車両純正のスピーカーを外して、最低限の加工で装着できるように規格されたエントリーモデル。当然開発コストの制約もありました。定価は確か3万円ちょっとだったような記憶。
うん、まぁ、あのコストで作ったスピーカーとして考えたら、うん、まぁ、こんなモンだろうって思えてきたら、なんかね、急に泣けてきました。
おかしいよね、かつての仕事を顧みて泣けてたって。でも『あ、コレで自分はこのブランドから卒業できる』って、試聴して突然思ったのであります。
JBLというスピーカーメーカーは、今もマーケットにおいて不変強大な存在感を放っていると思います。良いところもダメなところも商売のネタという観点においても、やっぱり老舗な巨人です。
ワタシはこのブランドに育ててもらったし今でも変わらず大好きです。愛情は変わらないけど、今回の試聴をもってやっと距離を置いて客観的にこのブランドを観察できるようになったような、そんな気持ちになりました。
と言うことで、このスピーカーを自分のクルマに取付するのは、やっぱりやめようかな?なんて。昔の出来事をいつまでも引きずるのはよくないから。
自分が関わっていない時代のJBL、たとえば4301Bなんてスピーカーはずっと大切に保有していきますよ。
さてこのPJ62C、どうしようかしら。
*買ったといってもまだ納車されていません。
と、おセンチな話はココまで。
唐突ですが買ったクルマはコレ、VWのUP!ちゃん。もちろん中古車です。
所有8台目のVW車にして自分史上最小なクルマ。バイク(BMW)と排気量が同じというかわいいヤツです。タイヤを変えてくれとかガラスにフィルムを貼ってくれとかイロイロとお願いをしてしまっているので、まだ納車されていません。
おじさんが乗るクルマとしてこの色ってのはどうなんだ?と思ったけど、逆にこういう色のクルマに乗っていられるおじさんであるよう、努力しようと決意した次第。はやく来ないかなー。納車されたらちゃんと紹介します。
*オマケ。(音源紹介)
もう時効だよな。書いてしまえ。
さっきのスピーカーの音質を決める時、最後まで鳴り方に納得できず聴きまくった音源。とくにボンゾさんのスネアに悩まされた。スタジオライブ収録盤で録音が突出して優れているワケではないけど、なんかエネルギーがタギっております。よかったら聴いてみてください。Immigrant song輪廻だったなぁ、あの時は。
ロックおじさんという立ち方はずっと卒業できないな、きっと。
だから今週のユニオンさん試聴会も、ボカーンといっちゃおうかと思っております。
ではまた。
2024.11.20