一マイノリティから観た「虎に翼」
朝の連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」が最終回を迎えた。最初は、「リーガルエンターテイメント」という触れ込みが気になりながら観ていったが、フタを開けてみれば、エンターテイメントの皮を被った社会派ドラマだった。
今までの朝ドラでもあった、「女性たちの生き方」を起点にして、物語が進むにつれて女性たちの生きづらさだけでなく、障害者や朝鮮の人々、同性愛者などの社会的弱者とされる人々が抱える生きづらさにもアプローチしていた。そういったマイノリティの人々に目をそむけることなく、しっかりとじっくりと生きづらさを描ききったのは「すごい」の一言である。
憲法第14条の「法の下の平等」が虎に翼全体のテーマであり、メッセージではないかと思う。それが核心として、物語に深みを与えている。
物語に度々出てきた「地獄」というパワーワード。「地獄」ってなんだろうと考えてみた。地位が低い…収入が低い…待遇が低い…社会的なもの、経済的なものなど様々な違いが世の中に存在する。そして、その違いによる差別も生まれてしまう。そんな世界が虎に翼が指し示す「地獄」なんだろうな、と。
私も女性であり、障害者のひとりだ。今、そんな「地獄」の真っ只中を歩んでいるひとりでもある。働いたり、勉強したり…生きづらさにへこたれることなく、自分のレベルを上げつつ突っ走っている最中だ。そんな中で、「虎に翼」と出会うことができた。
励まされたとか感動したとかそういうものではなく、世界をあらためて見つめ直し、自分の目を開くことができたような気がする。ドラマを通して、自分の人生観が一気に変わり、問題意識を高めることができた。人生のターニングポイント的な存在になったのは言うまでもない。5〜10年後くらいたったら、また観てみたいと思う。その時まで、マイノリティの生きづらさが少しでも改善される世の中になればいいな。
さよーなら、またいつか!
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