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片時も離さない

 13年前の3.11の夜、寝どこのそばには、図書館で借りた本があった。発災直後の日中は、ラジオから聴こえてくるのは、津波のことや街が壊滅状態ということばかりで、具体的にどうなっているのかがつかめない。一体何がどうなっているんだと思いながら、夜を迎えた。停電のままで、しかも寒い。家族寄り添って布団で床についたが、心配や不安で支配された私の心を落ち着かせてくれたのは、本だった。おかげで次第に眠りにつくことができた。本がそばにあるだけであれほど助けられたことはない。

 私の人生の大事な場面には、いつもそばに本があった。困った時や悩んだ時は、ネットも使うけど、本も読むようにしている。ネットは、情報量が豊富だけど、これだという的確な情報を探し出すのが大変。本は、書いている人の教えや思いがダイレクトに伝わってくるのが最大の強みだと思う。それだけ本は、私にとって頼れる存在だし、すごく身近な存在でもある。たぶんこれからも本に囲まれて日常を過ごしていくだろう。3.11の夜が来るたびに私は、本があることの大切さを噛み締めている。

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