看護師国家試験(終末期)

みなさんこんばんは、えび丸です!
本格的に差有無くなってきましたね。
勉強、仕事も大切ですが、体調管理もお大切です。

今回は国家試験(終末期看護)の過去問を掲載します。


1問目


第103回 午後48問

Aさん(56歳、男性)は、進行結腸癌の術後に両側の多発肺転移が進行し、終末期で在宅療養中であったが呼吸困難が増悪したため入院した。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は95%であるが、安静時でも呼吸困難を訴え、浅い頻呼吸となっている。発熱はなく、咳嗽はあるが肺炎の併発はない。

Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

  • 1. 仰臥位を保つ。

  • 2. 酸素投与は行わない。

  • 3. モルヒネ塩酸塩の投与を検討する。

  • 4. 安静を保つため訪室は最低限とする。

解答


×1. 仰臥位を保つ。
呼吸困難が増悪しているということから仰臥位よりは起座位のほうが呼吸がしやすくなる。起座位をとるのが困難であれば、ファウラー位などの上体を起こした姿勢をとることで呼吸がしやすくなる。

×2. 酸素投与は行わない。
経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は95%であるが、呼吸困難が増悪した状態であれば酸素投与は必要である。

〇3. モルヒネ塩酸塩の投与を検討する。
モルヒネ塩酸塩の呼吸抑制効果により、呼吸数を減らし呼吸困難を緩和することができるため、投与の検討は適切である。

×4. 安静を保つため訪室は最低限とする。
呼吸困難が増悪しているため、頻回の観察が必要な状態である。

Aさんは浅い頻呼吸となっているため、呼吸回数を減らすことで呼吸困難感を軽減することを検討する。


2問目

第98回 午後87問

がん患者の緩和ケアで正しいのはどれか。2つ選べ

  • 1. 入院治療が原則である。

  • 2. 余命の延長が目標である。

  • 3. がんの診断とともに開始する。

  • 4. がんの治癒を目指した治療を優先する。

  • 5. 患者と家族とのQOL向上が目標である。

解答

解答・解説

×1. 入院治療が原則である。
緩和ケアは在宅でも受けることができるケアである。

2. 余命の延長が目標である。
×緩和ケアは身体的、精神的な苦痛を緩和するケアである。余命の延長が目標ではない。

〇3. がんの診断とともに開始する。
緩和ケアは、がんと診断されたときから開始される、身体的、精神的苦痛を和らげるケアである。

×4. がんの治癒を目指した治療を優先する。
緩和ケアは、がんの治癒を目指した治療を優先することを指すのではない。

〇5. 患者と家族とのQOL向上が目標である。
緩和ケアの対象は患者のみならず患者の家族も対象となる。よって患者と家族とのQOL向上が目標であることは正しい。

緩和ケアとは、がんと診断されたときから行う、身体的、精神的苦痛を和らげるケアである。患者のみならず、患者の家族もケアの対象となる。


3問目

第106回 午前50問

Aさん(60歳、男性)は、慢性心不全の終末期で、積極的な治療を行わないことを希望している。現在、入院中で、リザーバーマスク10L/分で酸素を吸入し、水分制限がある。時々息切れがみられるが、Aさんは面会に来た長女との会話を楽しみにしている。バイタルサインは呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧76/50mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%であった。

このときの対応で最も適切なのはどれか。

  • 1. 面会は制限しない。

  • 2. 水分制限を厳しくする。

  • 3. Aさんに仰臥位を維持してもらう。

  • 4. 面会中は酸素マスクを鼻腔カニューラに変更する。

解答

解答・解説

〇1. 面会は制限しない。
Aさんは面会に来た長女との会話を楽しみにしているので、残り少ない親子の会話の時間を大切にするためにも面会を制限しないことは適切である。

×2. 水分制限を厳しくする。
心不全があることから水分制限が必要であるが、Aさんは積極的な治療を行わないことを望んでいるため、水分制限を厳しくすることは適切であるとはいえない。

×3. Aさんに仰臥位を維持してもらう。
Aさんは心不全があり呼吸状態がよくないことから、仰臥位ではなくファウラー位座位など上半身を起こした体位をとるほうが呼吸がしやすくなる。

×4. 面会中は酸素マスクを鼻腔カニューラに変更する。
リザーバーマスク10L/分で酸素を吸入し、時々息切れがみられ、バイタルサインは呼吸数28/分、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)88%であるため、Aさんは酸素マスクによる酸素吸入が必要な状態であると考えられ、鼻腔カニューラへの変更は適切ではない。

積極的な治療を行わないことを希望している患者とその家族についての対応を考えるとよい。残り少ない時間をいかにその人らしく過ごすかが大切である。

終末期看護はどの分野でもある看護です。
国家試験の為だけでなく、将来のことも考えて勉強しましょう。

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