ショートショート

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ボクは防衛隊員

「ウー!ウー!ウー!」
地球防衛隊は24時間体制で任務にあたっている。父と母に言っても理解してもらえないが、誰かがやらなければならない。孤独な戦いだ。
ある日、家を留守にしていた両親が帰宅するのと同時に怪獣が現れた。ボクはすぐに監視体制に入り、本部に逐一連絡した。どうやら怪獣には言葉が通じないらしい。しばらくすると歩き回り、けたたましい鳴き声を上げながら破壊活動を始めた。
「やめろ!止まれ!撃つぞ

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チャイム

「ピンポーン。ーーー」
ああ、まただ。またチャイムが鳴った。
僕は覗き穴を見る勇気がなかったし、居留守がバレるのもなんだか怖くて、チャイムが鳴るたびに息を止めていた。
「小谷ぃ。みんな心配してるぞ! 早く学校来いよな! 待ってるからな!」
ケンちゃんはほぼ毎日、僕の家のチャイムを鳴らして帰っていく。心なしか足音が増えているような気もする。もしかしたら、他に誰かいるのかもしれない。
僕は学校へ行けな

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幸せを願う

その日、にわかには信じ難い知らせが入った。親友の善人(よしと)が捕まったというのだ。朝早くから新聞配達のおじさんを手伝い、家々を回った後に朝ご飯と牛乳をご馳走になるのが彼の日課だった。僕が遊びに誘うと嫌な顔一つせず遊んでくれたし、昨日だって一緒に釣りに行ったばかりだ。頭が真っ白になったついでに、手の届く範囲にあるはずの楽しい記憶も消えてしまう気がして、居ても立っても居られず、直ぐに配達所のおじさん

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イモットトユッコ(Imottotwoukko)


財布もスマートフォンも持たずに家を出ると、この世界のどこにも自分の居場所がない事を痛感する。それでも私はどうすれば生存率を上げる事ができるのかを考え始めていた。「あの時ああすれば良かった」なんて、後悔のたらればは全くなかった。何も無い私には、そうするしかない現実しかなかったからだろう。きっとそうだ。
アスファルトの上を葉っぱがカラカラと音を立てながら、形を崩すのとひきかえに移動していく。髪の毛

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100本のタバコ

タバコが100本あったから、1日2本吸っていた。
残りが50本になったから、1日1本吸っていた。
残りが20本になってから、2日に1本のペースになった。
残り10本になってから、3日に1本のペースになって、その煙をこれまで以上に味わうようになった。
とうとう残り3本になった時、無意識のうちにこれまでの人生を振り返っていた。
生まれてすぐに祖父母の家に預けられたこと。
両親の顔が分からないから保育園

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Slur

四月のとある夜の事だった。
その晩、外は雨が降っていて、時折強い風が吹くと窓ガラスが揺れ、振幅によって生じた数ミリほどの隙間から鋭い風が部屋に侵入した。電気の消えた暗い部屋の中には一人の女がなかなか寝付けずにいた。雷は鳴ってはいないものの、雨と風の他に聞こえる音が女の神経を逆撫でた。
「トトト、トトト…」
女の見つめる先には暗闇を暗闇と認知させる為にあるように存在する変哲もない天井と壁とがあるだけ

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四月の嘘

政府は人為的に海底火山を噴火させ島を作り、国土面積を広げようと考えた。
場所の選定に時間はかからなかった。コンクリートの塊で島ではないと批判されることがあった沖ノ鳥島と、韓国が実効支配する竹島の二点に絞られた。その付近で噴火させ、溶岩が島を飲み込むようにするのが狙いだった。これなら莫大な費用をかけてコンクリートで補強する必要もなく、韓国軍と戦う必要もない。
計画は秘密裏に行う必要があったし、前もっ

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「サイズが合うのがなくてすいません」
差し出されたダボダボのスウェットを着た。俺は気になってつい聞いてしまった。
「お一人で生活されているんですか?」
「ええ、主人が亡くなりまして」
表情が曇ったのを察し、それはお気の毒に。お辛いのに泊めて頂いてありがとうございます。もし、男手が必要な事があれば言って下さい。
「それでは明日、水を運んで頂けますか?」
女はそう言った。
「ええ、分かりました」俺は快

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沼地のピヴォ

試合は静かに始まり、一進一退の攻防が続いていたーー。
だいたい、自信がある奴っていうのは寄せが早い。そういう動きをしてくれるなら逆手にとって、簡単に抜き去ることができるんだが、問題は一定の距離を保ったまま飛び込まない奴。これが経験値のある証拠で、目測で歩幅の計算をし、俺が大きく蹴り出そうものならすかさず寄せて肩を入れ、進行方向の主導権を握る。駆け引きとしては目立たないが、熟練した間合い管理は必勝法

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縁の花

ウチに男が住んでいる。掃除、洗濯、料理といった家事の一切合切は完璧にやってくれる男だ。
でも、この男は買い物が得意ではないからわたしが買い物に行かなくてはならない。
ずっと前に家具を買うためにホームセンターに連れて行った事がある。男は終始青ざめた顔で脂汗をかいていた。いわゆる適応障害というやつだ。本人からすれば窒息するような心持ちなのだろうけど、わたしはゾンビが助手席に座っていると考えると面白くて

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